大統領になればもうちょっとまともになるだろうという期待は見事に打ち砕かれました。
1月11日の記者会見においてもトランプ氏はトランプ節全開でした。
 
トランプ氏は会見で「私は神が創り出した最高の雇用創出者になる」と発言しました。
「私は神だ」とは言っていませんが、「私は神の次だ」という思いはあるでしょう。
自意識が極限までに肥大化していると思われます。
 
トランプ氏が考えているのは自分のことばかりです。
ですから、すべてを自分の敵か味方かで判断します。
会見でも気にいらないマスコミを攻撃しましたし、会見の少し前にはアーノルド・シュワルツェネッガー氏やメリル・ストリープ氏を攻撃するツイートをしていました。
大統領としてふさわしくふるまおうなんていう思いはまるでなさそうです。オバマ大統領とは対極です。
 
トランプ氏は、貿易相手国としてメキシコ、中国、日本を名指しで攻撃しました。
これに対して日本の外務省幹部は「日米がウインウインの関係にあることを、もっと知ってもらうために働きかけないといけない」と語りましたが、そういう理性的判断をトランプ氏に求めてもむだです。トランプ氏は日本が下僕としてふるまうのでなければ満足しないでしょう。
 
 
一方、この会見においてアメリカのマスコミは、もっぱらロシアのハッキングの問題でトランプ氏を追及しましたが、このマスコミの姿勢にも疑問を感じます。
 
トランプ氏が裏でロシアと取引していたなら別ですが、ロシアがトランプ氏に有利なように動いたからといってトランプ氏を非難するのは筋違いです。
 
トランプ氏に唯一いいところがあるとすれば、それはロシアと仲良くやっていきそうなところです。ところが、マスコミはトランプ氏とロシアの間にくさびを打ち込んで引き裂こうとしています。
この点で、マスコミは共和党主流派などのエスタブリッシュメントと同じです。ロシアと対立する冷戦構造を維持したいのでしょう。
 
もちろんマスコミが批判するべきは、トランプ氏の人種差別主義です。
たとえばトランプ氏は、メキシコとの国境に築く壁の費用をメキシコに払わせると言っていますが、こういうこと自体がメキシコ人をバカにしています。しかし、これはほとんど批判されていません。マスコミも人種差別を共有しているからでしょう。
 
日本のマスコミも同じです。
たとえば、フォードがメキシコに新工場を建設する計画を撤回したとき、マスコミはフォード労働者の「トランプのおかげで雇用が継続してうれしい」みたいな声を報道します。しかし、メキシコの新工場建設予定地の人の声は報道されません。現地に取材に行けば、「フォードの工場で働けなくなって悲しい」といった声が聞けるはずです。両者を対比させれば、人種差別政策のばかばかしさがおのずとわかります。
アメリカのマスコミも日本のマスコミもメキシコ人を差別して、その声を伝えないので、トランプ批判に切れがありません。
 
ともかく、世界は史上最悪のアメリカ大統領を迎えることになりました。
日本もどう対応するか、頭の痛い問題です