1月20日、トランプ氏がアメリカ大統領に就任し、就任演説では「アメリカファースト」を強く主張しました。
「アメリカファースト」というのは、要するに国家規模の利己主義です。日本はアメリカの利己主義にどう向き合えばいいのでしょうか。
 
安倍首相は「価値観外交」ということを言っていて、日本とアメリカは価値観を共有しているという考えのようです。トランプ大統領と価値観をともにすると、どうなるでしょうか。
安倍首相も「アメリカファースト」と考えて、日本よりもアメリカを優先して考えるというのがひとつの答えです。
もうひとつの答えは、安倍首相は「ジャパンファースト」を主張して、アメリカと競うというものです。これも価値観を共有していることになります。
 
前者のやり方は、売国そのものです。
後者のやり方は、アメリカに力負けして、うまくいきそうにありません。
 
ですから、ここはアメリカと価値観を分かたなければなりません。
では、日本はどういう価値観でいくかというと、日本国憲法前文にちゃんと書いてあります。
 
 
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 
 
トランプ大統領の「自国のことのみに専念」するというやり方は、普遍的な政治道徳の法則に反するというのが日本国憲法の考え方です。
これは当たり前のことです。自分の利益ばかり追求する人は社会道徳で許されません。国家においても同じです。
これは倫理学の基本です。
 
しかし、今の倫理学はまったくいい加減ですし、政治学はアメリカ中心の学問になっているので、「アメリカファースト」を正面から批判する有識者はほとんどいないのが現状です。
 
 
ともかく、トランプ大統領の演説を聞くと、経済政策がむちゃくちゃで、「イスラム過激派のテロを地上から完全に根絶する」などと明らかに不可能なことを言っているので、早晩行き詰まり、アメリカ国民からも見放されると思われます。
 
主要国の首脳もそのへんは見きわめているようで、トランプ大統領を支持する発言をした人はほとんどいません。例外はプーチン大統領とヨーロッパの極右政治家ぐらいです。
 
ところが、安倍首相はトランプ大統領に面会したときに「信頼できる指導者であると確信した」などと発言し、1月20日の施政方針演説では「これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則です。できる限り早期に訪米し、トランプ新大統領と同盟の絆を更に強化する考えであります」と述べました。
アメリカ崇拝がほとんど宗教の域に達してしまって、軌道修正ができないようです。
 
ということは、ここは民主党にとってチャンスです。
民主党はトランプ政権に批判的なスタンスをとって、安倍政権を追及すればいいのです。最初はそうしたやり方が批判されるかもしれませんが、トランプ政権がバカなことをするたびに評価されることになります。
 
日本外交は、日本国憲法前文の精神に立って行われるべきです。