訪米した安倍首相は、トランプ大統領との会談のあとゴルフをして、親密さを演出する作戦です。
 
イギリスのメイ首相も、1月27日にホワイトハウスでトランプ大統領と会談したときは、手をつないで歩くなどして親密さを演出しました。しかし、帰国すると「トランプのプードル」と批判され、メイ首相自身もトランプ大統領のイスラム圏7カ国からの入国禁止政策を批判するなど軌道修正をはかっています。
 
安倍首相は前車の轍を踏んでいます。
しかし、日本では事情が違うかもしれません。すでに「日米会談は100パーセント近い成果」と報道するマスコミもあります。「トランプのポチ」と批判する声は少なそうです。
 
日本人はいまだにアメリカ大統領を神格化しているのかもしれません。
 
昔はアメリカでも大統領は雲の上の人で、映画に大統領が姿を現すなんていうことはまずありませんでした。ある西部劇は、インディアンと騎兵隊が決戦をするという直前に大統領の特使が到着し、インディアンに居留地での待遇を約束することで戦いが回避され、ハッピーエンドになります。映画の常道としては、クライマックスで戦いがあるもので、私もそれを期待して観ていたのですが、「大統領の特使」が到着するというのもひとつのクライマックスとして成立していました。
 
日本映画でも、天皇陛下が姿を現すなんていうことは、一部の史実に基づく映画を例外として、まずありません。アメリカ大統領もそれに近い存在で、大統領の特使であってもありがたかったわけです。
 
アメリカ映画での大統領のイメージがまったく変わったのは、1997年制作の「エアフォース・ワン」です。ハリソン・フォード扮するアメリカ大統領は、大統領専用機を乗っ取ったテロリストに単身戦いを挑みます。
 
その前年に制作された「インディペンデンス・デイ」では、元戦闘機パイロットで湾岸戦争の英雄だったという設定のアメリカ大統領がみずから戦闘機に乗り込んで敵の宇宙船を攻撃します。
 
大統領が雲の上の人から、現場で戦うヒーローになったわけです。

その後、リンカーン大統領が吸血鬼と戦う「リンカーン/秘密の書」、ゾンビと戦う「リンカーン vs ゾンビ」なんていうのも制作されています。
 
トランプ大統領の出現もそういう流れの中にあります。
ただ、トランプ大統領はヒーローというイメージでなく、用心棒や借金取立人というところでしょう。
用心棒や借金取立人は凶暴なほうがいい。そういうことでトランプ大統領は支持されているのではないでしょうか。
 
犬にたとえれば、トランプ大統領はドーベルマンというところです。ポチやプードルでは、同じ土俵では勝負になりません。
 
今回の会談で、トランプ大統領は安倍首相と握手するとき、おそらく強烈な力で握りしめ、安倍首相は辟易した顔になっていたことが次の記事で示されています。
 
 
トランプ大統領、安倍首相と握手19秒 たかが握手、されど全てを物語る(動画)
 
 
握手で相手を威圧するというのはなんとも原始的なやり方です。安倍首相もプライドを傷つけられた可能性があります。日本国民はどうでしょうか。