自民党の鴻池祥肇議員は、森友学園の籠池泰典理事長夫妻からお金を差し出されたとき、「無礼者! 帰れ!」と一喝したそうで、「そんなん教育者ちゃう」と記者会見で言いました。
 
それに対して森友学園側はホームページ上で、「事後的に捏造された文書で、献金や寄付を強要していた事実を揉み消そうとする態度には嫌悪感しか感じません」と反論しました。
 
鴻池議員は同じ記者会見で、「何年前か忘れたけど、講演に来てくれと。そのときの子どもたちの態度はすばらしいなと思った。教育勅語等を全員で言ったり。思想的にはわしに合うなと思いましたよ」とも語っています。
つまりもともと思想的に共鳴していたのです。
似た者同士の泥仕合というところです。
 
森友学園の土地取引が不正であるかどうかは別にしても、籠池理事長のやることはまったくでたらめで、たとえば校舎・体育館の建築費について、国には15億円、大阪府には7億5600万円と報告していたり、愛知県内の中学校に推薦入学枠を提供してもらったと大阪府に報告していたところ、中学校からそんな合意はしていないと否定されたりという具合です。
自分がもうけるためには手段を選ばず、いくらでも嘘をつくということでしょう。
 
こういう籠池理事長の教育に共感していたのが安倍首相夫妻であり、稲田朋美防衛相です。
 
鴻池議員もそうですが、とりわけ教育勅語を園児に唱和させるところに右翼政治家は感激するようです。
稲田防衛相は衆院予算委員会の答弁で「教育勅語の中の親孝行とかは良い面だ。文科省が言う、丸覚えさせることに問題があるということはどうなのかと思う」と言って、教育勅語唱和を擁護しています。
 
教育勅語は昔の修身の根拠とされたもので、修身は今の道徳教育です。
日本会議など右翼勢力は、道徳教育の強化を目指してきました。
「愛国心はならず者の最後の逃げ場」という言葉がありますが、「道徳教育はならず者の最後の逃げ場」でもあります。
というのは、道徳教育の結果というのは評価のしようがないので、どんなでたらめでも通用するからです。
また、人に道徳を説くというのは、自分自身を顧みない人間だからできることでもあります。
 
 
森友学園の塚本幼稚園を見ていると、愛国教育や右翼教育のおぞましさがわかりますが、自民党によって日本の教育全体がそうしたものに変えられようとしています。
道徳の教科化が小学校では2018年度から、中学校では2019年度から実施されます。
さらに、2018年度から幼稚園と保育園でも「国旗や国歌に親しむ」という方針が打ち出されました。
つまり「日本全体の森友学園化」が進行しているのです。
 
土地不正取引問題の追及とあわせて、日本会議や安倍首相や稲田防衛相の思想も追及して、「日本全体の森友学園化」を阻止しなければなりません。