このところテレビのワイドショーは森友学園問題で持ち切りです。
ついこの間まで、安倍政権批判につながるようなことはほとんど扱わなかっただけに、大きな変化です。
もっとも、単に視聴率が取れるからやっているだけでしょうが(「ミヤネ屋」が視聴率を落としているというニュースがありました。維新の会シンパの宮根氏が森友学園問題を扱うのに消極的だったからでしょう)
 
確かにワイドショー向きのネタではあります。幼稚園のイベントなどの映像がいっぱいあるからです。それに、籠池泰典理事長だけでなく、籠池ファミリーの物語にもなってきています。
ワイドショーは、かつての狂言の和泉流家元ファミリーや大相撲の花田ファミリーなど、スキャンダルにまみれたファミリーの物語が大好きです。
とくに籠池諄子夫人のキャラが立っています。大阪では「ささやく女将」と「ささやかない女将」がいましたが、諄子夫人は「叫ぶ女将」で、“大阪の三女将”というところです。
 
ただ、ワイドショーを見ていると、もどかしい思いもします。
露骨に政権擁護をするコメンテーターがいますが、それだけではありません。
口利きをした政治家が今のところ見当たらないために、役人が国有地払下げと小学校新設認可をスムーズに進めたのはなぜかということについて、誰もはっきりしたことを語らないのです。
 
しかし、特定の誰ということは言わなくても、犯人は指摘できます。
 
 
アガサ・クリスティーの有名な長編小説に、殺人現場に居合わせた全員が犯人というのがあります。
それと同じに、右翼政治家、右翼文化人、右翼勢力の全員が、森友学園国有地不正払下げ事件の犯人です。
 
もちろんその筆頭は、「安倍晋三記念小学校」の名義を一時提供し、妻が名誉校長を務めていた安倍首相です。それから、(たぶん)顧問弁護士を務めていた稲田防衛相の存在も大きいはずです。地元の維新の会の橋下徹氏、松井大阪府知事なども森友学園を大いに持ち上げていました。塚本幼稚園で講演した右翼文化人もいっぱいいます。日本会議も森友学園と密接な関係にありました。
 
園児に軍歌を歌わせ、教育勅語を唱和させるトンデモ幼稚園を持ち上げる右翼政治家、右翼文化人がいっぱいいたために森友学園は脚光を浴び、役人は森友学園のために便宜をはからねばと思って、ありえない価格で国有地を払い下げたのです。
そういう意味では、森友学園を持ち上げた全員が犯人ということになります(特定の政治家が口利きした可能性も排除しません)
 
 
ですから、ワイドショーはこれから、こうした犯人を一人ずつ槍玉にあげていけばいいのです。
たとえば、評論家の竹田恒泰氏は塚本幼稚園で2回も講演して、「園児たちが教育勅語をバーッと暗唱してましたから、凄い幼稚園だと思いました。色々悪く言われてますけれど、園児たちはビシーッと整列してて、ハキハキと挨拶していて。保護者たちも講演を聞き入るような感じでちゃんとした印象を持ちました」と称賛していましたが、森友学園の国有地払下げ問題が表面化すると一転して、「お金の集め方が強引でした」とか「協力は一切しませんと言ったんです。それなのに私の名前が“推薦者“として推薦の言葉もウェブサイトに載ってて」などと批判しています。
 
ワイドショーは、森友学園を持ち上げてきた人たちに、幼稚園児に軍歌を歌わせたり教育勅語を唱和させたりすることのどこがすばらしいのかを問いただして、“犯人追及”の番組づくりをしていけば、視聴率はさらに稼げるはずです。