1月から召喚されていた長嶺安政駐韓大使が4月4日、ソウルの日本大使館に帰任しました。
そもそもなぜ駐韓大使が召喚されたかというと、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことに抗議するためでした。
当時は朴槿恵大統領がスキャンダルの渦中で、アメリカが政権移行期でしたから、その隙を機敏についたもので、日本のネトウヨは日本外交が韓国に一泡ふかせたと歓喜しました。
 
しかし、3か月たった今、慰安婦像は撤去されず、韓国の対日感情はさらに悪化し、大統領選の主要候補者はこぞって日韓合意の破棄を公約に掲げています。
 
慰安婦問題について日本政府のやることはすべて裏目です。カリフォルニア州グレンデール市に立つ慰安婦像を現地の日本人が撤去を求めた訴訟について、日本政府は上訴が認められるべきだとする意見書をアメリカの最高裁に提出していましたが、3月27日に最高裁は原告の上訴を却下しました。
 
そもそも慰安婦像を撤去したところで、国益に資するところはなにもありません。慰安婦像を撤去したがっている人は、心にやましいものがあるから見ると不愉快になるのです。一般の人にとっては、慰安婦像などどうでもいいことです。
 
 
慰安婦問題にせよ南京事件にせよ、戦前の日本のことです。右翼や保守勢力がこだわるのは戦前の日本で、戦後の日本ではありません。
 
その象徴が教育勅語です。
森友学園問題で教育勅語がクローズアップされましたが、教育勅語は戦後否定されています。また、象徴天皇制とも相容れません。
教育勅語を肯定するということは、戦後日本を否定するということです。
 
戦後日本を否定するという思想的立場があるのはわかりますが、問題はそれが「愛国」とされてきたことです。
戦前日本を愛しても戦後日本を愛さないのでは「愛国」とはいえません。
戦後日本に依拠する立場からは、それはむしろ「反日」です。
日本の右翼や保守勢力や自称愛国者は、実はみな「反日」だったのです。
 
ですから、右翼の靖国参拝やら南京虐殺否定論やらが対外的に発信されると、必ず国益を損ねてきました。慰安婦問題も同じです。
 
これから右翼や保守や自称愛国者やらはすべて「反日」と呼ぶべきです。