いわゆる共謀罪について、「市民運動が萎縮する」という反対理由を言う人がいます。
しかし、こういう言い方では、「萎縮しなければいい」とか「萎縮するほうが悪い」と反論されてしまいます。
普通に、「共謀罪ができると、市民運動を弾圧する道具になる」とか「警察が市民を脅迫する可能性がある」と言えばいいのです。
 
「萎縮」というのは心の中の現象ですから、共謀罪という社会問題を論じるときに持ち出すことではありません。
これは森友学園問題で「忖度」という言葉が出てくるのと似ています。
 
森友学園問題では、官僚が国有地を不当な安値で払下げた背後には誰か悪者がいるはずです。それは当然、安倍夫妻と考えられ、さらに松井大阪府知事、日本会議につながる政治家といったところですが、財務省が記録隠しをしていることもあって、マスコミは悪者を特定しません。そのため「忖度」が悪者の代わりに出てきたのです。
 
共謀罪においても、こんなおかしな法律をつくろうとする悪者がいるわけです。
ところが、マスコミはもちろん反対する立場の人も、悪者を特定しません。そのために「萎縮」という言葉が出てくるのです。
 
では、共謀罪をつくろうとする悪者は誰かというと、直接には法務官僚であり、その背後にいる警察・検察・裁判所です。
一応警察を代表と見なしておきますが、警察は犯罪対策よりも自身の権限の拡大を目指して共謀罪をつくろうとしています。
その背後には、犯罪とテロの減少があります。これについてはこのブログでも書いたことがあります。
 
若者の犯罪離れ?
 
テロはへっているという事実
 
犯罪とテロがへると、警察は予算をへらされるのが当然です。それを避けるために警察は、犯罪の厳罰化を進め、時効の延長をし、さらに少年法適用年齢の引き下げを目指しています。
そして、それに加えて犯罪のカテゴリーを拡大しようというのが共謀罪です。
 
どんな役所も予算と権限を拡大しようというのが本能で、もちろん警察も例外ではありません。
 
今の時代、誰もが悪者探しをしていて、悪者が発見されると、ネットではすぐに炎上騒ぎになります。
共謀罪というトンデモ法律をつくり出した連中は炎上して当然です。