5月5日の「子どもの日」の朝日新聞に、学力テストに関する中学生の投書が載っていて、考えさせられました。
  
(声)若い世代 こどもの日特集 全国学力調査、何のため?
 中学生(神奈川県 14)
 先日、中学校で全国学力調査が行われた。3年生を対象に実施されたが、私はこの調査に疑問を抱いた。
 試験問題のどこにも調査目的や調査結果の使用方法などが明記されていなかった。授業を1日潰してテストをやらされ、その結果が何に使われるかわからない。それが私にとっては、すごく怖かった。
 新聞によると、この調査に毎年50億~60億円ものお金がかかっているらしい。自治体や学校現場に「点数を上げなければ」という圧力がかかるうえ、毎年問題が異なるため過去と正答率を比較することもできない。過剰なテスト対策が行われたり、今年度は教諭が漢字問題の正解を前日に板書したりした問題も発覚した。これでは、何のための調査かわからない。
 私は、目的をはっきり示さないような調査はする必要はないと考える。調査のために授業を1日削るより、授業をした方が学びが広がる。その費用で学校施設や教育制度をもっと充実させてほしい。
 
 
全国学力テスト(全国学力・学習状況調査)については、いろんな人がいろんなことを言ってきましたが、テストを受ける子どもの意見を聞いたのは初めてです(この投書は周りのおとなの意見に影響されたようなところもないではありませんが)
ということは、メディアがフィルターをかけて子どもの意見を遮断してきたのでしょう。
 
なんのためのテストかわからないままテストを受けさせられるのは、子どもにとってはむなしいことです。
テスト用紙に目的は書かれていなくても、教師によっては子どもに説明しているかもしれません。しかし、説明したところで、「学力テストの目的は、学校がテストの成績を元に教育の成果を検証して指導の改善に役立てることです」ということですから、子どもにとってはどうでもいいことです。
 
テストの結果は通知されるので、自分の学力を全国平均と比較したりはできます。しかし、それがわかったところで無意味だということも言えます。
 
受験目的の模擬試験なら、合格率などを教えてもらえます。
学校の期末テストなどなら成績に反映され、その成績はさまざまなことに影響します。
 
文部科学省は、どうしても学力テストを行いたいのなら、それが子どもにとっても意味のあることだとちゃんと説明する必要があります。
 
 
全国学力テストに限らず、子どもの意見を聞けば見えてくることがあります。
たとえば学校でのイジメに関して、事実関係について子どもにアンケート調査が行われることはありますが、子どもの意見が聞かれることはまったくありません。「イジメはなぜ起こると思いますか」とか「どうすればイジメはなくなると思いますか」とか聞けば、有意義な意見が出てくるはずです。
教育改革とか、小学校での英語授業とかも、子どもの意見をまったく聞かずに行われています。
森友学園問題で教育勅語暗唱について議論が起きましたが、すべておとなたちの議論です。
 
ちなみに「子どもの権利条約」には、子どもの意見表明権が明記されています。

 第13条
1.児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
 
文部科学省は子どもの意見表明権をまったく無視して一方的に教育政策を進めており、「主体としての子ども」ではなく「客体としての子ども」という認識のようです。その点ではメディアも同罪です。
 
子どもの意見に耳を傾けるだけで世の中の風通しはうんとよくなるはずです。