加計学園と共謀罪に隠れがちですが、安倍政権の外交方針が大きく変化しているようです。
 
トランプ大統領がパリ協定からの離脱を表明した翌日の6月2日、麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で「その程度の国だということですよ」と語りました。
麻生氏は放言癖のある人ですが、山本公一環境相も記者会見で、「失望に、プラス怒りを覚えている」と語りました。
日本の政府高官が反米的な言葉を口にするのは長らくなかったことで、驚きました。
 
そして、安倍首相は5日、都内で講演した際、中国の「一帯一路」構想に協力する意向を表明しました。
これにもびっくりです。安倍首相はこれまでもっぱら中国包囲網を形成するために世界を飛び回って、バラマキ外交をしてきたからです。
中国包囲網構築をやめたとすれば、外交方針の大転換です。
 
 
安倍政権がトランプ政権に見切りをつけたというのはありそうなことです。トランプ政権は人事すらいまだに固まらず、大統領が弾劾される可能性も高まっています。麻生氏らの発言はその方針にのっとったものだとすれば理解できます。
 
ただ、そうすると、安倍首相がこれまでトランプ大統領にすり寄り、親密さをアピールしてきたのはなんだったのかということになります。
 
 
トランプ政権に見切りをつける一方で中国にすり寄るというのもありそうなことです。
 
自民党の二階俊博幹事長は5月中旬に北京で開かれた「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに出席し、習近平主席に安倍首相の親書を手渡し、両国首脳の相互訪問を実現したいとの安倍首相の考えを伝えています。
そのときに二階幹事長は記者団に、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本政府が早期に参加を決断すべきだとの考えも表明しています。
AIIBに参加していないのは、主要国では日本とアメリカだけです。日本政府はアメリカが参加する事態を恐れているという報道もありました。
 
考えてみれば、中国は今でも6~7%の経済成長を続けており、包囲網に収まるわけがないのです。
 
もっとも、産経新聞などは、安倍首相の「一帯一路」への協力表明は透明性、公正性という条件づきであって、中国へのすり寄りではなく、中国を牽制する狙いなのだと解説しています。
 
安倍政権がトランプ政権に見切りをつけて中国へすり寄っているとすれば、安倍政権は想像以上にしたたかで、政権の長期化を狙っていることになります。
実際はどうなのでしょうか。国会でも追及してほしいところです。