東京都議選の結果は、小池百合子都知事率いる「都民ファーストの会」の圧勝、自民党の惨敗でした。
このところの安倍政権のやり方はあまりにも傲慢で、失言も相次いでいましたから、自民党が負けたのは当然です。反自民の票が都民ファーストに向かった格好です。
 
しかし、都民ファーストの会と自民党と政策的にどう違うかと言われてもよくわかりません
では、今回の選挙でなにが争点になったかというと、小池都知事に「実行力」があるか否かです。
 
たとえば、築地市場の豊洲移転問題がありましたが、移転するのがいいのか、築地にとどまるのがいいのか、話があまりにも専門的で、都民も判断できない人が多かったでしょう。自民党はこの問題で小池知事を「決められない知事」として攻撃しました。そして、小池知事は市場を豊洲に移転し、5年後をめどに再び築地に戻すという不思議な案を考え出して、「決められる知事」をアピールしました。
 
小池知事が知事に就任したのは昨年8月ですから、まだ1年たっていないのですが、抵抗勢力とのバトルをうまく演出して、実行力をアピールすることに成功したと思います。今回の勝利はその結果です。
 
 
一方、民進党は反自民票を集めてもいい立場でしたが、やはり惨敗でした。
民主党政権の失敗で、民進党には実行力がないというレッテルが張られているからです。
民主党政権は、官僚、アメリカ、マスコミとぶつかって、ことごとく負けてしまいました。そして、そのことを総括していないので、期待されないのは当然です。
 
安倍政権は民主党政権と違って、官僚と最初からぶつかるようなことはせず、人事権を握るなどしてしだいに官僚を支配していきました。マスコミは懐柔と恫喝で支配し、アメリカには徹底して従属しました。それが今までは成功してきたわけです。
 
そのため、自民党は改憲という理念が一応あったのですが、アメリカのために解釈改憲をして、その理念すらなくしてしまいました。
今の安倍政権は、政権維持が自己目的化しています。
政治主導が実現できて実行力があるといっても、お友だちのために利益誘導をするのが関の山です。
 
日本維新の会もなんの理念も持っていません。
 
小池知事は「都民ファースト」を掲げていますが、これも理念というに値しません。
今回は実行力をアピールして勝っただけです。
 
 
近ごろの安倍政権のやり方はあまりにもひどいので、自民党大敗はとりあえずいいことですし、自民党内で政権交代が起これば、誰が総理になるにせよ、今よりはましでしょう。
しかし、自民党からの政権交代ということを考えると、受け皿が見当たりません。都民ファーストや維新の会では自民党と変わりません(自民党との連立予備軍でしかありません)
 
トランプ政権を見ていると、政治理念の喪失は日本だけの問題ではないようです。というか、日本の政治はアメリカの政治の後追いをしているのかもしれません。

人間性や社会についての根本な思想が問われる時代です。