政界は「小池劇場」一色になっています。
 
小池百合子氏自身が選挙に出馬するか否かがひとつの焦点です。
本人は否定的なことを言っていますが、小泉進次郎自民党筆頭副幹事長は「小池さんに選挙に出てほしい。出てきてください」と繰り返し言い、菅官房長官も「小池さんは出てくるのではないかと思う」と言いました。小池出馬を恐れていないぞということをアピールしているのでしょう。
しかし、これがもう小池氏の術中にはまっています。
まったく無視するか、「出ないと言っているから出ないのでしょう。もし出てきたら彼女は嘘つきです」と言っておいて、出てきたときに思い切り批判すればいいのです。「出てくると思う」と言っていたら、出てきたときに彼女を嘘つきと批判することができません。
 
小池百合子氏は民進党議員の受け入れでリベラル派排除を表明しているので、これから公認発表のたびに、誰が受け入れられて誰が落とされたという喜びや怒りが報道されるのでしょう。
自民党のほうにはこれという話題がありませんから、ワイドショーはますます「小池劇場」化していきます。
 
リベラル派が排除された希望の党は、自民党と同じようなものです。
私のような有権者からすると、自民党と希望の党と、ふたつの毒まんじゅうのどちらを食べるかという選択です。
賞味期限切れの毒まんじゅうか、出来立ての毒まんじゅうかです。
 
小池氏はほとんど安倍首相批判をしません。自分が首相になるために自民党との大連立を考えているという説があります。
「自分ファースト」の人ですから、十分にありそうなことです。
 
 
排除されたリベラル派で新党をつくるという話があります。そうなれば対立軸がはっきりしていいかもしれません。
しかし、リベラル派はあくまで第三勢力でしょう。
 
産経新聞は「歴史戦」というのを勝手にやっていますが、それにならっていえば、これからは「思想戦」の時代です。
小池氏は安全保障と憲法についての考え方で選別すると言っているので、やはりここが対立軸です。
 
今の保守派の安全保障政策は、アメリカに日本を守ってもらい、そのために日本はアメリカの信頼を得るように努力するというものです。
しかし、いくら努力してもアメリカの信頼を得ているという確信が持てないので、日本は限りなくアメリカに従属していくことになります。
改憲の目的も、自衛隊をアメリカ軍と一体化させることです。
軍事だけでなく外交も経済も従属化が進んでいます。
 
日本の保守勢力は実は「愛国という名の売国」をやっているのです。
 
こういうことがいつまでも続くわけがありません。今の保守派は内部から崩壊して当然です。