マスコミ各社の選挙予測を見ると、与党が圧倒的に有利なようです。野党が分裂したので当然ではあります。
 
民進党の前原代表と希望の党の小池代表が合流を発表したときは、薩長連合のように倒幕を目指すのかと思いました。
前原代表は「どんな手段でも安倍政権を止める」という言葉を繰り返し言っていましたから、そういうつもりだったのでしょう。
しかし、小池氏は違ったようです。小池氏が笑顔でリベラル派を「排除いたします」と言ったために、流れが変わりました。
 
小池氏としては、郵政選挙のときの成功体験から、リベラル派と戦う姿勢を見せれば人気が出ると思ったのかもしれません。しかし、郵政選挙のときは強力な抵抗勢力と戦ったから人気が出たので、リベラル派に踏み絵を踏ませるのは弱い者イジメですから、ぜんぜん違います。
 
しかし、そのおかげで対立軸がはっきりしたとはいえます。
対立軸は、いわゆる踏み絵となった希望の党の「政策協定書」を見れば明らかです。
 
 
政策協定書
 私は、希望の党の公認を受けて衆院選に立候補するに当たり、下記事項を順守すること、当選した場合には希望の党の所属する会派に所属して国会活動を行うこと、希望の党党員として政治活動を行うことを誓います。
 記
 1、希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
 2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
 3、税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての国民に行き渡る仕組みを強化すること。
 4、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
(以下略)
 
 
「1」と「3」はどうでもいい内容ですから、踏み絵になったのは「2」の安保法制支持と、「4」の改憲支持のところです。
憲法よりも安保法制が前にきているところが重要です。
 
安倍政権も、改憲よりも安保法制を重視して、解釈改憲により安保法制を成立させました。
ですから、今では改憲の必要性がなくなって、「違憲の疑いがあると自衛隊員の子どもが悪口を言われるから」などというへんな改憲理由を持ち出しています。
 
安保法制の目的は、自衛隊を切れ目なく米軍に協力させることです。
安保条約は、アメリカが日本を守って日本はアメリカを守らなくていいという片務性がありましたが、安保法制ができてからは逆に自衛隊が米軍を守ることになります。
独ソ戦のときは、ハンガリー、ルーマニア、フィンランドも軍隊を派遣してドイツ軍とともに戦いましたが、日本もそういう立場になったわけです。
 
希望の党の踏み絵は、そういう日本を認めろと迫るものです。
自民党と希望の党と維新の会はその点で一致しています。
 
問題は、立憲民主党がそういう対立軸を理解しているかどうかです。
 
 
民主党政権のとき、脱官僚依存、普天間基地移設の「最低でも県外」、コンクリートから人へ、東アジア共同体構想などの政策を掲げましたが、それよりも重要なことがありました。
それは「脱対米依存」です。
日本は重症の対米依存症にかかっていたからです。
ところが、そのことがまったく認識されていませんでした。そのため官僚はアメリカを盾に抵抗し、「最低でも県外」は実現できず、東アジア共同体構想ももちろんできず、民主党政権は失速してしまいました。
 
民主党、民進党はそのときの反省がまったくできていません。
 
立憲民主党は公約で「安保法制は専守防衛を逸脱して違憲」としていますが、これではアメリカとどういう関係になろうとしているのかわかりません。
 
対米依存症の重症化は最近のことです。
1976年成立の福田赳夫内閣は「全方位外交」を掲げていましたし、バブルのころは「日米は対等のパートナーシップ」と言っていました。
冷戦が終わってから、日本の官僚はアメリカから見捨てられるのがこわくなって、どんどん日本をアメリカに依存させるようにもっていっているのではないかと思います。
 
ともかく、立憲民主党は「アメリカと対等の関係構築を目指す」といった公約を掲げてほしいところです。
アメリカが北朝鮮を攻撃しようとしたときに、ちゃんと止められる政権が日本には必要です。