明けましておめでとうございます。
 
新年にふさわしい明るい話題はないかと探しましたが、なかなか見当たりません。
今年も去年の継続です。
 
金正恩委員長は「新年の辞」において、「米本土全域が核攻撃射程圏内にあり、核のボタンが事務室の机の上にいつもある」と述べました。
それに対してトランプ大統領はツイッターで「私も核のボタンを持っていて、それは彼のものよりはるかに大きく、はるかに強力だ。私のボタンは実際に作動する!」と述べました。
まるで子どもの口喧嘩です。
 
こういうやりとりを見ると、「トランプ大統領はバカだ」と思いたくなります。しかし、トランプ大統領は、自分は知能指数が高いと自慢しています。
 
ティラーソン国務長官がトランプ大統領をバカ呼ばわりしたと報じられたとき、トランプ大統領はインタビューの中で「もしティラーソン長官が自分を『ばか』呼ばわりしたのなら、我々はIQテストを受け、比べなければならない。どちらが勝つのか、わかりきっている」と述べました。
大統領選挙中にも、トランプ氏がイスラム教徒の入国を禁止すると主張したことについてロンドン市長から批判されると、「IQテストをしよう」と反論したことがあります。
また、トランプ大統領は就任式の前日,共和党幹部が集まった昼食会で自分が選んだ閣僚たちを紹介して「賢い人たちを閣僚に集めた。歴代の政権の中で最もIQが高い」と述べました。
 
ネットで調べると、トランプ大統領の知能指数は高いという説があります(根拠は示されませんが)。
 
一方、ニュースサイト「バズフィード」によると、マクマスター大統領補佐官は「トランプ大統領の知能レベルは幼稚園児並み」「安全保障について理解する能力がない」などと批判したということです。
いったいどちらが正しいのでしょうか。
 
私が思うに、アメリカの大統領になるぐらいですから、知能は高いはずです。むしろ場当たり的な主張やいい加減な政策でも大統領が務まっているので、かなり高いともいえます。
とくに言語能力が秀でていると思います。
予備選挙のとき、トランプ氏はすぐに消えると思われていましたが、ライバル候補を罵倒することで次々と撃破していきました。トランプ氏から“口撃”されることを恐れてトランプ批判をしない候補者もいました。
 
トランプ大統領は“ディール”を得意としています。これも言葉を駆使して相手を動かす能力が秀でているからでしょう。
 
トランプ大統領はツイッターも駆使しています。かなりむちゃくちゃな発言をしていますが、ツイッターをやることは支持率を下げるよりは上げることに貢献しているに違いありません。
 
すべてトランプ大統領の言語能力が優れていることを示しています。
しかし、トランプ大統領はその言語能力の使い方を間違えています。

政治家の言語能力が優れているというと、なにかの思想があって、一貫した主張を述べるというイメージですが、トランプ大統領の場合はまったく違います。トランプ大統領の言葉は思想の表現ではなく、相手を攻撃する道具です。
 
これはボクシングにたとえるといいでしょう。
トランプ大統領の言葉はボクサーのパンチのようなものです。相手がパンチを出すと、打ち返します。「私の核のボタンは彼のよりも強力だ」というのは、打ち返したパンチです。
パンチは相手の動きに合わせて、相手の弱点をねらって出すので、そこに一貫性を求めても意味がありません。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」です。
 
ボクサーは、パンチ力があり、手数が多く、KO率の高い選手に人気があります。トランプ大統領はまさにそういうタイプです。ツイッターではつねに誰かにパンチを出しています。反トランプ派の人もトランプ大統領の動きから目を離せません。人気ボクサーの試合が高視聴率をとるのと同じです。
 
「劇場型の政治」という言葉がありますが、トランプ大統領の場合は「ボクシングリング型の政治」です。
「劇場型の政治」にはストーリーがありますが、「ボクシングリング型の政治」には打ち合いがあるだけです。
 
願わくば言葉だけの打ち合いにとどめてほしいものです。