慰安婦問題に関する日韓合意で日韓がもめています。
もともとオバマ政権の強い意向で、日韓ともにいやいや結んだ合意です。日韓が兄弟喧嘩をしているので、親のアメリカがむりやり仲直りさせたようなものですから、トランプ政権になって親の監視がゆるんだら、また喧嘩が始まったというところです。
そういう意味では今の日韓のトラブルは、トランプ政権が生み出した世界の混乱のひとつといえます。
 
文在寅大統領は1月10日、合意について再交渉はしないとしつつ、日本に対して慰安婦をいやすような「心からの謝罪」が必要だと言いました。
安倍首相はこれに対して12日、謝罪を拒否しています。
確かに日韓合意では、それ以上の措置をしないということになっていますが、こうしたやり取りをしていると、日本は謝罪していないというイメージが国際的にどんどん広がってしまいます。
 
そもそも安倍首相はほんとうに謝罪したのでしょうか。
 
日韓合意は201512月、公式の文書を交換するのではなく、日韓の外相が共同で記者会見をするという形で発表されました。
岸田外相は、「慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」であり、「安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べました。
つまり岸田外相が言っただけで、安倍首相の口からの謝罪の言葉はなかったのです。
 
これは、不祥事を起こした企業の謝罪会見で、社長が姿を見せずに、専務とか担当部門の人間が「社長は謝罪しています」と言うみたいなものです。
これでは本気で謝罪しているとは思われません。
 
安倍首相の姑息なやり方のために日本が信用をなくしています。
安倍首相は、村山談話についても「全体として継承する」と述べていますが、村山談話にある「植民地支配と侵略」や「反省の意」「心からのお詫び」という言葉は自分の口からは語りません。
河野談話についても、「河野談話を継承する」とは言いますが、談話にある「心からのお詫びと反省」という言葉は口にしません。
 
これは安倍首相の人格上の問題です。
昭恵夫人は産経新聞紙上で曽野綾子氏と対談したとき、「けんかをしても晋三先生の方がさっさと謝られるのでは? 性格的に」と聞かれて、「そういえば、謝らない! 『ごめんなさい』というのを聞いたことがないです」と答えています。
 
安倍首相は「ごめんなさい」が言えない性格なのです。
妻に「ごめんなさい」を言わないのは家庭内の問題ですが、首相として外国に「ごめんなさい」が言えないのでは、国益にかかわります。
 
安倍首相が昭恵夫人に「ごめんなさい」が言えないのは、女性に対する差別意識のせいでしょう。“男の沽券にかかわる”というやつです。
慰安婦問題はそれに加えて、韓国人への差別意識も加わります。
 
かといって安倍首相は、トランプ大統領のように差別意識をむき出しにして押し通す強さはありません。
そこで、岸田外相の口に語らせるという姑息な手を使いました。
そのため日本は慰安婦に謝罪していないというイメージが広がったのです。
 
文在寅大統領に謝罪を要求されたのはいい機会ですから、安倍首相は記者会見を開いて、自分の口から正々堂々とお詫びの言葉を述べるべきです。