フィリピンのドゥテルテ大統領は「フィリピンのトランプ」と呼ばれたこともあり、“フィリピンファースト”の姿勢を貫いているようです。
最近もドゥテルテ大統領はこんな発言をしました。
 
 
フィリピン、「アメリカが起こす戦争には参戦しない」
フィリピンのドゥテルテ大統領が、「フィリピンは、今後アメリカが世界で起こす戦争には参戦しない」と語りました。
イルナー通信によりますと、ドゥテルテ大統領は、イラク戦争へのフィリピン軍の参戦を批判し、「今後、フィリピン軍に対し、アメリカ軍が絡んでいる無駄な戦争への参加を許可しない」と述べています。
また、「アメリカは、大量破壊兵器の存在を口実にイラクを攻撃したが、実際にそのような兵器はイラクには存在しなかった」としました。
さらに、「アメリカは、8年間にわたりイラクを占領したが、その結果地域に様々な勢力による戦争が多発し、テロが広まることになった」と語っています。
近年、アメリカとフィリピンの関係は緊迫化しています。
アメリカの情報機関は最近、報告の中でドゥテルテ大統領を東南アジアにおける民主主義に対する脅威であるとしていますが、フィリピン政府はこの報告には根拠がないとして、これを否定しています。
 
 
ドゥテルテ大統領は犯罪者を法の裁きにかけないで殺害するという無法な犯罪対策をやっていて、国際的に批判されていますが、ここで言っていることはきわめてまともです。
フィリピンはアメリカと同盟関係にあり、かつ中国と南沙諸島をめぐる領土問題をかかえているという点で日本と共通していますが、ドゥテルテ大統領の対米姿勢は安倍首相のそれとまったく違います。
 
ところで、この記事を配信したのは「Pars Today」というニュースサイトで、イラン国営放送のラジオ局が運営しています。このサイトがあることは初めて知りました。
 
最近は日本語で読める中国系、韓国系、ロシア系のニュースサイトがあり、多面的な情報が入ってくるのはけっこうなことです。
日本のマスコミは、日本寄りかつアメリカ寄りに偏りすぎていて、国際情勢がよくわかりません。
イランはアメリカと対立しているので、日本にとってはとくに新鮮な視点があります。
 
 
たとえば、2月26日からジュネーブで国連人権理事会の定例会合が開かれているのですが、日本の報道は、韓国の外相が慰安婦問題に言及したこと、それに対して堀井学外務政務官が「性奴隷という言葉は事実に反する」とか「強制連行はなかった」とか反論したということばかりです。
 
イランの報道は違います。
これがおもしろいので、引用しておきます。
 
 
国連人権理事会とこの機関に押し付けられたダブルスタンダード
国連人権理事会の会合がスイスのジュネーブで開催されています。
この会合は、人権に関するダブルスタンダードについて、さまざまな見解を説明するための機会になっています。

イランのアーヴァーイー法務大臣は、この会合で、28日水曜に演説し、西側のダブルスタンダードによる、人権を巡る現実や問題について語りました。アーヴァーイー大臣は、「冷戦時代の東と西の陣営の分割により、世界に2つの政治システムが作られ、それが人権に関する基準の形成に悪影響を及ぼした。現在も、残念ながら、このダブルスタンダードの影響が見られ、人権の意味が、一部の国の影響下に置かれている」と語りました。

テヘラン大学の国際関係の研究者であるモッタギー教授は、これについて、国際機関が発表した公式統計に触れ、次のように語っています。
「アメリカは、世界各地で350箇所の軍事・治安施設を持ち、これらの多くの施設で人権侵害が行われている。これ煮対しては、一部のヨーロッパ諸国から何度か抗議の声が上がっている」
こうした中、アメリカは、人権擁護者であることを主張し、他国の人権侵害を非難したり、その国に制裁を加えたりしています。その一方で、アメリカの市民、特に移民や黒人、外国人、先住民は、差別的な政策や人権侵害に苦しんでいます。

テヘラン大学の政治学部のアスギャルハーニー教授は、これについて、西側における人権の現状やダブルスタンダードに触れ、次のように語っています。
「アメリカは、世界最大の人権侵害国であり、その例として、世界各国で、アメリカ政府が数十ものクーデターを主導していることを挙げることができる」
人権侵害の明らかな例の一つに、パレスチナ人に対するシオニスト政権イスラエルの犯罪と、西側による支援があります。イエメンの戦争も、これに関する一つの例です。イエメンに対する大規模な制裁により、食料品や燃料などのイエメンへの移送が絶たれ、この国の1700万人が飢餓の危機に直面しています。

イマームホセイン大学のサラーヒー氏は、イラク攻撃におけるアメリカの犯罪に触れ、次のように語っています。
「イラクで占領者が行った事柄は、政権交代をはるかに超えることだった。占領者は、この国を占領している間、化学兵器、クラスター爆弾、白リン弾、劣化ウラン弾などの被通常兵器を使用し、この国だけでなく、地域全体に、人道的、社会的に深刻な影響を及ぼした」
 
このようなダブルスタンダードにより、人権は形骸化し、政治的な対応やダブルスタンダードといった結果をもたらしているのです。
 
 
イランの人権状況もひどいものなので、アメリカを批判する資格があるのかと言いたくなりますが、アメリカべったりの日本のマスコミには決して書けない内容です。
 
 
また、アメリカとイスラエルが合同軍事演習を3月4日から11日間にわたって行うというニュースもありました。
 
アメリカとイスラエルが合同軍事演習
 
アメリカは延期していた米韓合同軍事演習をパラリンピック後に行うと表明しています。
日本では、米韓合同軍事演習を批判する声はほとんどありませんが、北朝鮮の目の前で軍事演習を行うことは、国連憲章の禁じる「武力による威嚇」に当たると考えられます。
アメリカは中東でもアジアでも軍事演習をして、軍事的な緊張をつくりだしています。
 
偏ったものの見方を脱することが平和への第一歩です。