朝日新聞が森友学園問題の決裁文書の書き換え疑惑を報じてから、目まぐるしい展開です。

3月9日、佐川宣寿国税庁長官が辞任し、同時に近畿財務局の職員が7日に自殺していたことがわかりました。
そして10日、財務省が書き換えを認める方針だという報道がありました。書き換え前の文書には複数の政治家の名前もあるということです。
 
佐川長官は辞任表明に際して記者会見しましたが、反省とか謝罪の言葉はなく、従来の態度と変わっていません。どうせ退職するなら、洗いざらいほんとうのことをぶちまけてやめればいいと思うのですが。
おそらくほとぼりが冷めたころには、財務省の世話でいいポストに実質天下りするという見通しがあるのでしょう。
 
一方、自殺した近畿財務局職員は気の毒です。
いや、ほんとうに自殺かという疑いもあります。遺書があったという報道もありますが、はっきりしません。
佐川長官の辞任は大きく報道されましたが、財務局職員の自殺は小さな扱いです。そもそも職員の名前さえ報道されません。
私の感覚では、佐川長官の辞任より職員の自殺のほうが大きな問題と思えるのですが。
弱い立場の人間の命は軽いのでしょうか。
 
この職員は国有地売却に携わり、決裁文書書き換えをやったともいわれます。上席国有財産管理官という肩書ですが、係長補佐ぐらいということです。
不正な仕事をさせられ、さらにはその責任を問われそうになって自殺したということでしょうか。
とすると、これは「パワハラ自殺」に当たります。
 
マスコミは遺族の了解がないと報道しにくいのでしょうが、今後、遺族が「パワハラ自殺」の無念を晴らすという展開になっても不思議ではありません。
 
 
最後まで傲慢な態度を貫いた佐川長官も、考えてみれば犠牲者です。
安倍首相が、少なくとも昭恵夫人の関与は明らかなのに関与していないと嘘をついたために、佐川長官がその嘘を守らなければならなくなったのです。
もし安倍首相が嘘をつかなければ、佐川長官もつつがなく官僚人生をまっとうできていたはずです。
 
犠牲者といえば、昭恵夫人付きの秘書だった谷査恵子さんも、イタリア大使館に飛ばされてしまいました。
 
そして、最大の犠牲者は籠池夫妻です。籠池夫妻は昨年8月に逮捕され、いまだに勾留されています。もちろん保釈すると安倍首相に不利なことをしゃべるに違いないからです。
 
「一将功成りて万骨枯る」という言葉がありますが、「一将嘘をついて万骨枯る」というところです。
 
 
財務省は決裁文書書き換えを認めるということですが、その責任は麻生財務相、佐川長官、自殺した職員にかぶせて終わりというものではありません。
すべては安倍首相の嘘から始まって、自殺者まで出たのです。
安倍首相が辞任して責任をとるしかありません。