このところ麻生財務相は失言を連発して、「失言王」の面目躍如です。
安倍首相が嘘まみれになっているので、麻生財務相の失言のハードルも下がっているのでしょう。
 
麻生財務相は5月16日の自民党議員のパーティで、北朝鮮の政府専用機についてこんなことを言いました。
「あの見てくれの悪い飛行機が無事シンガポールまで飛んで行ってくれることを期待するが、途中で落っこちちゃったら話にならん」
 
日本と北朝鮮は国交がないとはいえ、北朝鮮の最高指導者の死を暗示した言葉を口にするとは失礼千万です。北朝鮮の飛行機がちゃんと飛ぶのかという疑いを持った人は多いでしょうが、財務相兼副総理という立場で口に出す言葉ではありません。
 
ただ、この言葉は今の安倍政権の願望を表現したものでしょう。今、日本は“蚊帳の外”ですが、米朝首脳会談が成功すればすっかり置き去りになってしまいます。
 
それから、この言葉は北朝鮮をバカにしています。飛行機もまともに飛ばせない国だという認識です。
 
確かに北朝鮮は愚かなところがいっぱいある国ですが、こと外交力に関しては超一流です。日本と比べると月とスッポンです。
 
 
北朝鮮は拘束していた3人のアメリカ人を解放し、5月10日、空港に3人を出迎えたトランプ大統領は「金委員長に感謝したい」と語り、米朝交渉が進展するムードは最高に高まりました。
ところが、北朝鮮は16日、その日に予定されていた南北閣僚級会議を中止すると一方的に通告しました。まさに当日のドタキャンです。さらに米朝首脳会談の中止の可能性にも言及しました。
 
日本人は自分から空気を壊してはいけないという気持ちがあって、友好ムードが高まっているときに水を差すということはなかなかできませんが、北朝鮮はそういうときにこそ水を差してきます。
小国が大国を振り回すテクニックでしょう。
 
トランプ大統領は17日、「北朝鮮については、リビア方式は全く念頭にない」と北朝鮮に譲歩を示し、米朝首脳会談についても「北朝鮮はなにも変わっていない。会談はとても成功するんじゃないかと思う」と語りました。
トランプ大統領は米朝会談の成功を支持率アップにつなげたいわけです。
 
今の米朝関係をチキンレースにたとえる向きがありますが、チキンレースに関しては北朝鮮は世界最強かもしれません。つねにアメリカと対峙して、毎日が崖っぷちみたいなものだからです。
 
北朝鮮は中国と同盟関係にありますが、軍事的に中国に頼ろうとするところはまったくありません。経済について改革開放をしろとか口を出されるのがいやだからでしょう。
 
日本は軍事的に完全にアメリカに頼り、そのためあらゆる面でアメリカに従属しています。北朝鮮と対照的です。
そのため北朝鮮の考え方がまったく理解できなくなっています。
 
理解できないからといってバカにするのは間違いです。
麻生財務相は北朝鮮の政府専用機を心配しましたが、北朝鮮はICBMを開発するぐらいの国ですから、よけいなお世話です。
 
では、北朝鮮はなにを目指しているかというと、おとなしく核放棄をするとは思えません。
アメリカを手玉にとって時間稼ぎをし、核保有国として生き残るつもりではないでしょうか。
いずれにしても日本は、安倍政権のせいで“蚊帳の外”なので、なにもできずに見ているだけです。