安倍首相は8月6日の広島平和祈念式でスピーチをしましたが、その内容は去年のものとほとんど同じでした。
この一年間に、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞、朝鮮半島の非核化を含む米朝合意の成立、昨年7月に採択された核兵器禁止条約の署名国の増加など、核を巡る状況は激変しています。
安倍首相は思考停止に陥っているようです。
 
安倍首相は総裁選の選挙運動も熱心にしていますが、政策や理念を訴えるということはしません。ここでも思考停止です。
 
安倍首相は内政でも外交でも、アメリカ追随が基本です。
いや、これは自民党の基本です。自民党は結党のときからCIAの資金提供を受けていました。
安倍政権は2016年に新安保法制を成立させ、アメリカ追随すなわち“売国”を完成させました。
これによって安倍首相は外交安保に関する目標を失いました。
 
九条改憲は、安倍首相にとってはライフワークのようなものでしたが、安保法制のときに解釈改憲をしたので、改憲の価値が半減してしまいました。
 
もともと右翼にとって九条改憲は、戦前回帰への象徴的な意味と、アメリカの要請に応えるという現実的な意味と、ふたつの意味がありましたが、解釈改憲をしたので、現実的な意味はなくなりました。
ですから、最近の安倍首相は九条改憲の目的を、「多くの憲法学者が自衛隊を違憲というから」とか「『お父さんの仕事は憲法違反なの?』と問う自衛隊員の子どもがかわいそうだから」とか言っています。
そんな理由で手間のかかる改憲をするのは、誰が考えても愚かなことですから、もはや改憲は不可能になったと思われます。

対米従属が完了すれば、もはや外交安保で日本が自主的に動けることはありません。 
ということで、安倍首相は目標を失って、思考停止に陥ってしまったのです。
 
総裁選に出馬するのも、なにかやりたいことがあるからではなく、首相の椅子にしがみつきたいという権力欲だけです。
しかも、森友加計問題で嘘をつき通したために、国民に対して直接語りかけるということができません。
 
目標がないのは、総裁選における対抗馬である石破茂氏も同じです。
石破氏は外交安保について安倍首相との違いを示していません。改憲については違うと言っていますが、どちみち改憲は不可能なことなので、たいした意味はありません。
 
解釈改憲をして安保法制を成立させたことで、安倍首相は“戦後レジーム”を完成させ、売国政党である自民党も役割を終えました。
これからは「アメリカからの自立」が外交安保のテーマになると思います。