韓国の最高裁が元徴用工問題で日本企業に賠償を命じる判決を下し、日韓ともに大騒ぎになっています。
これはやっかいな問題ですが、日米韓は軍事的に一体なので、外交関係がどんなに悪化しても日本と韓国は戦争になりませんし、日本政府も韓国政府も経済関係を悪化させる気はないはずです。
安倍首相はこの判決に対して「日本政府として毅然と対応していく」と語り、河野外相も「毅然とした対応を講ずる考えです」という談話を発表しましたが、こうした強気の発言ができるのも、日韓関係の土台が強固だからこそです。
 
危ういのは日本と中国の関係です。
安倍首相は1026日に訪中し、習近平主席と会談しましたが、会談冒頭の場面で習近平主席はまったく笑顔を見せませんでした。一方、安倍首相はわずかながらも愛想笑いを見せていました。
  


 
 このときの表情などについては次の記事が解説しています。
 
安倍首相はよく耐えた!
 
習近平主席は安倍首相を自国に迎えていながら笑顔を見せないとは失礼千万ですが、日本ではそういう声はほとんどありません。マスコミはむしろ中国は安倍首相を歓迎したという報道をしています。
 
安倍首相はプーチン大統領から領土問題抜きに平和条約を締結しようと提案されたときも愛想笑いを浮かべましたが、このときも日本ではプーチン大統領はけしからんという声はまったく上がりません。
 
今や日本人は、安倍首相が習近平主席やプーチン大統領からどういう扱いを受けてもしかたがないと思っているようです。
トランプ大統領については言うまでもありません。
 
日本人はまったく自信を失っていて、安倍首相がトランプ大統領やプーチン大統領と信頼関係があるとか、中国から歓迎されたとかいう報道があるだけで満足するようです。
 
自信のない日本人が唯一「毅然と対応する」という言葉を使えるのが韓国を相手にしたときです。
そういう意味で、韓国の徴用工判決が出たことで日本人はけっこう高揚した気分を味わっているのかもしれません。
 
 
もちろん日本はアメリカ、中国、ロシアにも「毅然と対応する」ということができなければなりません。
どうすればできるようになるかというと、徴用工判決にヒントがあります。
 
韓国は1965年の日韓請求権協定において徴用工問題などの請求権を放棄しています。しかし、盧武鉉大統領は2005年の演説で「請求権問題は協定で消滅しているが、人類普遍の倫理から日本には賠償責任がある」と述べ、こうしたことが今回の判決につながっているようです。
 
徴用工問題や慰安婦問題を日韓の二国間の問題ととらえるのではなく、「人類普遍の倫理」の問題ととらえるのは意味のあることです。
欧米はいまだに植民地主義に対する謝罪も賠償もしていません。しかし、日本は賠償をして、村山談話において「植民地支配と侵略」について「反省」と「お詫び」を述べています。
「人類普遍の倫理」においては日本のほうが欧米よりも上にあるのです。
 
ところが、安倍政権はその優位をぶち壊しにしました。
その結果、日本人は自信を失い、卑屈になっています。
 
徴用工問題を金勘定だけで見るのではなく、世界史的視野で植民地主義の問題ととらえ、欧米も巻き込んでいくと、日本人は世界をリードすることができますし、当然自信にもつながるはずです。