倫理の基本は「人にされていやなことを人にしてはいけない」あるいは「人にしてもらいたいことを人にしなさい」ということだと言われます。
自分だけ特別はいけない、自分も他人も同じルールに従わなければいけないということです。
 
トランプ大統領の言う「アメリカファースト」は自分だけ特別ということです。
一国でもこんな国があったら、国際社会の秩序が成り立ちません。
ところが、アメリカファーストを批判する声がほとんど上がりませんでした。
 
ただ、フランスのマクロン大統領は違います。
第1次世界大戦終結から100年となった1111日、トランプ大統領、プーチン大統領、メルケル首相ら各国首脳が出席する記念式典がパリで開かれ、マクロン大統領は演説で、「ナショナリズムは愛国心に対する裏切りです。自分たちの利益が第一であり、他の国はどうでもいいと言うことは国家が大切にしているもの、国家に命を与えるもの、国家を偉大にするもの、国家にとって本質的なもの、つまり国家の倫理的価値観を消し去ることになります」と語りました。
 
名指しこそしていませんが、「私はナショナリストだ」と公言するトランプ大統領のことを言っているのは明らかです。
 
フランス人は自国の文化、とりわけ哲学に誇りを持っているので、アメリカを批判できる強さがあります。イラク戦争のときもシラク大統領は最後まで戦争に反対したため、アメリカは国連決議なしで開戦しなければなりませんでした。
 
自国第一がだめなのは子どもでもわかる理屈ですが、これをはっきり言えるのはフランスぐらいです。
世界のほとんどの国は、アメリカの力を恐れてアメリカやトランプ大統領に対する批判を控えています。
しかし、アメリカは共通のルールに従うのを嫌って、二国間協議によってルールをつくろうとしています。二国間協議になると、どの国もアメリカの力に押されて、不利なルールを飲まされてしまいます。
 
では、どうすればいいかというと、各国が団結してアメリカに対抗するしかありません。
これも子どもでもわかる理屈です。
 
アメリカ国内では、トランプ派対反トランプ派が激しく争い、トランプ大統領の弾劾の可能性も言われています。
各国が反トランプの動きをすれば、アメリカ国内の反トランプ派と呼応してトランプ大統領を追い詰めることができます。
 
各国が団結するには、呼びかけ人というかリーダーになる国が必要です。
考えられるのはフランスやドイツでしょうか。
イギリスはアメリカに近すぎます。
中国はアメリカと同じ覇権主義の国なので、ふさわしくありません。
インドは冷戦時代は第三世界のリーダーでしたが、最近そういう役割はしていません。
本来なら日本はいいポジションにいるのですが、まったくありえないことです。
 
ともかく、なにもしなければ二国間協議で各個撃破されるだけです。
各国は団結して対抗するしかありません。
 
「万国の国家よ、団結せよ」です。