水道事業への民間企業の参入を可能にする改正水道法が成立しました。
日本人は水に独特の思いを持っているので、もっと強い反対の声が上がるかと思いましたが、そうでもありませんでした。
 
水道のような競争原理の働かない分野に民間企業を入れるのはおかしなことですが、「鉄道や電力のような競争原理の働かない分野で民間企業がちゃんとやっているではないか」という反論がありました。
しかし、鉄道会社や電力会社は日本の企業で、これからもずっと営業を続けていきます。
水道事業の場合は、コンセッション方式といって、運営権だけを一定期間民間企業に売却するものです。
しかも、そこに参入するのは水メジャーといわれる外資系企業と見られます。
まさに“ハゲタカ”にむさぼられるわけです。
 
もっとも、これについても水道事業について高度なノウハウを持っている水メジャーに任せたほうがうまくいくという説もあります。
 
三大水メジャーとされるのは、フランスのヴェオリア、スエズ、イギリスのテムズウォーターと、欧米系企業です。
日本人は欧米系に甘いために危機感がないと思われます。
これが中国系の企業だったらどうでしょうか。
 
水道民営化を推進してきた内閣府の民間資金等活用事業推進室にフランス系のヴェオリア社日本法人から職員が出向していたという事実が明らかになりました。水メジャーの力を借りて法案をつくっていたのでしょう。
中国系企業の職員が日本の政府機関に入っていたとしたら、大問題になっていたでしょう。
 
 
数年前、中国人が日本の水源地の土地を買い占めているということがメディアでかなり報道されました。
しかし、水源地を買っても、水を中国に持っていけるわけではありません。なんのために水源地を買うのかと疑問に思っていたら、これはフェイクニュースだとわかりました。今ではこういう報道はありません。
 
関東大震災のときに「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマが広がったことがあります。「中国人が水源地の土地を買い占めている」というのもこれと同じです。日本人は水源が失われることに強い危機感を持っているので、こういうデマに踊らされるのです。
 
そういう意味では、水道事業が外資系企業に買われることにもっと危機感を持っていいはずですが、やはり日本人は欧米系に甘いようです。
とくにひどいのが、右翼、保守派です。こういう人たちこそハゲタカに危機感を持っていいはずですが、むしろ逆です。
 
右翼、保守派、そして安倍首相らの頭の中は、欧化政策、脱亜入欧の明治時代のままです。
移民政策を進める入管法改正も、要するに欧米の真似をしたものです。
こういうことをしていると、日本のよさがどんどん失われていきます。
 
一方、中国や韓国に対しては、植民地主義時代のままに見下しているので、なかなか外交関係がうまくいきません。
 
日本は「戦後レジームからの脱却」をする前に「明治レジームからの脱却」をしないといけません。