防衛省は1月21日、自衛隊の哨戒機が韓国駆逐艦から照射された火器管制レーダーの電波を音に変換したものを公開しました。素人が聞いても無意味な音ですが、専門家には火器管制レーダーのものだとわかるということです。
しかし、韓国側は「探知日時、方角、電波の特性などが確認されておらず、実体の分からない機械音だ」と一蹴しました。
 
防衛省はこの音の公開とともに「最終見解」を発表し、日韓防衛当局間の協議打ち切りを表明しました。
双方が証拠を提示できない以上、議論を終わらせるのは当然です。
 
しかし、映像を公開して問題を大きくしたのは日本側です。マッチポンプと言われてもしかたありません。
 
議論は終わらせても、日韓のどちらかが嘘をついているか勘違いをしていたという事実は残ります。
どちらかというと、日本側が嘘をついている可能性が高そうです。
 
最初に公開された哨戒機撮影の映像は、レーダー照射の証拠にはなりませんでした。哨戒機のクルーは火器管制レーダーを照射されたと認識して、そう発言しています。しかし、「FC(火器管制レーダー)らしき信号をコンタクト」とも言っていて、未熟なクルーが間違った可能性は否定しきれません。
公開された映像は、証拠を示さずに印象操作をするものになっていて、この時点で日本側のほうがあやしそうです。
 
しかし、国内の世論は圧倒的に韓国非難に傾きました。安倍政権のメディア支配力を見せつけた格好です。
 
日本側の主張に対して、韓国側は真っ向から反論してきました。
両者の主張を公平に比べるような報道が日本にはほとんどありません。
私が見かけたのは、著述家牧田寛氏の次の二本の記事ぐらいです。
 
日韓「レーダー照射問題」、際立った日本側報道の異常さ。そのおかしさを斬る
 
日韓「レーダー照射問題」、膠着状態を生み、問題解決を阻む誤情報やフェイクニュース
 
映像公開は安倍首相の「鶴の一声」で決まったもので、防衛省は公開をしぶったとされます。間違いの可能性を認識していたか、間違いに気づいたのでしょう。
防衛省は官邸に忖度して南スーダンの日報隠蔽などをしており、今回も情報操作をして不思議ではありません。
 
真相はわかりませんが、日本は拳を振り上げておいて、尻尾を巻いて逃げ出した格好です。
 
 
それにしても、レーダー照射云々というつまらないことで反韓感情が一気に高まるのを見ると、戦争を起こすのは容易なことに思えます。
メディアは自国と他国の問題でも公平に判断して報道しなければいけません。