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眞子さまと小室圭さんの結婚問題がマスコミと世間に奔弄されています。

眞子さまの結婚には一時金として1億何千万円だかの税金が支払われるので、国民に口出しする権利があるという認識があるのかもしれません。
しかし、税金というのは全国民のもので、自分の言い分を通すための口実にするのは“税金の私物化”です。

そもそも他人の結婚に口出しするものではありません。
一般人が私的な場で言う分にはなにを言ってもかいませんが、有名人がメディアで結婚を左右するようなことを発言しているのにはあきれます。
しかも、その論理がでたらめです。

「現代ビジネス」にさまざまな有名人の主張を紹介する記事がありました。

「小室圭さんとは破談にするしかない」有識者が厳しく断言する理由

この記事をもとに、その主張について私なりの感想を述べてみたいと思います。



作家の山本一力氏は強硬な結婚反対派です。
小室圭さんの母・佳代さんには元婚約者との間に約400万円の借金トラブルがあって、これが結婚の障害になっていましたが、元婚約者は週刊誌で返金は求めないと表明しました。しかし、山本氏はそれでも問題は解決しないと主張します。
「返済を求めないというのは、貸した側が根負けしてしまったということでしょう。相手が諦めるまで『もらったもの』と言い続ければいい――そんなことがまかり通れば、世の中の規範はひっくり返ってしまいます。

ところが、私と同世代の人間まで、まるで結婚への障害がなくなったとばかりに『おめでとうございます』などと言っている。極めて理解し難いことです。

ここで『なにがご成婚ですか』と眉をひそめ、叱りつけるのが、年長者の務めではないでしょうか。とにかく強制的に破談にするしかないと思います」
借金は、返してもらう側が請求するのが当然です。いつまでも請求しなければ持効により借金は消滅します。これが世の中の規範で、山本氏の言っていることは真逆です。

「強制的に破談にするしかない」というのは無茶苦茶な言葉です。一般人に対してそんなことは許されませんが、皇族に対してはなおさらではないでしょうか。
「現代ビジネス」もこんな主張を載せると見識が問われます。

借金を返すべきだと言う人がほかにもいます。

評論家で歴史作家の八幡和郎氏が話す。

「相手が『返さなくていい』といったからといって済む問題ではないでしょう。借金の踏み倒しをしているようなもので、道義的な問題は消えません。

小室さんが眞子さまとの結婚を望むなら、多くの人から祝福してもらえるように努力すべきでしょう。たとえば、結婚するのであれば、働いて借金を返してからにすべきだと思います」
皇室ジャーナリストの渡邉みどり氏が語る。

「おカネのことはきちんとしなくてはいけません。結婚後も、二人で少しずつ返していけばいいのではないでしょうか。皇籍を離脱しても、眞子さまも一定以上の収入を得ることは可能です。

'05年に結婚された、天皇陛下の妹の黒田清子さまも、現在は伊勢神宮の祭主を務め、報酬を受け取られています。そうして二人で少しずつ返していくべきなのではないでしょうか」

こういう人は、結婚に反対する理由に借金問題を持ち出しているだけの気がします。

そもそも借金問題というのは、小室圭さんの母親と元婚約者の間の問題で、借用書もなく、法的に訴えるほどの根拠もなく、元婚約者が一方的に婚約破棄をして慰謝料も払っていないという関係で、元婚約者が週刊誌上で返済を求めたというものです。

宮内庁の西村泰彦長官も会見で借金問題について「小室さんや小室さんの弁護士が説明責任を果たしていくことが極めて重要」と発言しました。
「返金すべき」と言えないので、「説明責任」を持ち出したのでしょうが、私人である小室圭さんにプライバシーについての「説明責任」があるのか疑問です。
というか、週刊誌などの報道で十分に説明されているのではないでしょうか。

記事は「彼女の幸せを考え、男のほうから身を引く――。小室さんはそうした選択肢も考えるべきなのではないだろうか」と主張しています。
こうした意見はよく目にします。

しかし、眞子さまは11月に文書で「お気持ち」を発表して、その中で「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と結婚への意志を明白にしておられます。
小室さんが身を引いたら、眞子さまへの裏切りになります。
小室さんに身を引けという人は、小室さんの気持ちも眞子さまの気持ちも踏みにじって平気なようです。

2017年の婚約内定のあと、結婚延期が発表されてしばらくの間は、二人の結婚への意志がはっきりしない状況が続きました。しかし、今は二人とも結婚の意志が固いとわかったわけです。
こうなると、皇族であろうとなかろうと、結婚に反対する理由はありません。

しかし、結婚に反対する人がたくさんいます。そういう人が考えていることはわかります。
それは「家柄が違う」です。
皇室は日本最高の家柄で、一方、小室家のことはよく知りませんが、あまり豊かでない母子家庭であるようです。小室圭さんの学歴、職歴もそれほどたいしたことはありません。
究極の「格差婚」です。

ちなみに高円宮家の三女・絢子さまは2018年10月、守谷慧さんと結婚されましたが、この婚約や結婚について世の中から批判の声が上がるということはまったくありませんでした。
守谷慧さんは慶応大学文学部卒、オックスフォード大学でも学び、現在は日本郵船勤務です。日本郵船はもとは国策会社で、三菱グループの中核企業です。父親は東大経済学部卒の通産省のキャリア官僚でした。
これぐらいだと「家柄が違う」という批判はないわけです。


ただ、今の世の中、「家柄が違う」と言って結婚に反対するわけにはいきません。
その代わりに「金目当てだ」などの人格攻撃がされています。

八幡和郎氏は、借金を返すために働くべきだと主張します。
「小室さんは、仕事をして、収入が入る目途をつけたうえで、この借金をどれぐらいの期間で返済していくかということを示すべきでしょう。

弁護士でなくてもいいと思います。公的な団体の職員でも、普通のサラリーマンでもまったく構わないので、堅実に働き始め、身の丈に合った生活をすれば、国民も応援すると思います」

「身の丈」という言葉に、小室さんの人格や能力を低く見ていることがわかります。
ちなみに八幡和郎氏は東大法学部卒、通産省のキャリア官僚を経て、現在は徳島文理大学教授、歴史作家です。
小室さんが“上級国民”の仲間入りしてくることが気に食わないのかもしれません。

このように小室さんの人格や能力を低く見て結婚に反対する人がいるので、結婚に賛成する人は逆に小室さんの人格や能力を持ち上げることになります。

二人の結婚に賛成の立場である漫画家の小林よしのり氏は、その理由をこのように語ります。
「小室さんには、周囲の声にとらわれず、眞子さまとの結婚に邁進してほしい。私はそう考えています。

前提として、小室さんが非常に優秀な男だということがあります。英語が堪能で、留学先では立派な論文(米国におけるクラウドファンディングの法制度について)まで発表している。

第一、ここ数年、あれだけのバッシングを受けながら、ものともせずに、留学し、学業に打ち込んでいる。普通の人間であれば、勉強どころか、食事も喉を通らないでしょう。

眞子さまがいまだに小室さんとの結婚を望み続けているのも、よくわかる。小室さんには、とにかく眞子さまを幸せにしてほしいと思います」

小林よしのり氏は果して小室さんの人格や能力を正確に評価できるのかという問題があります。
それに、小室さんの人格や能力が低い場合は結婚に反対するのかという問題もあります。
人間が人間を評価するのは危ういことです。


根本的には、眞子さまと小室さんの結婚に「賛成」したり「反対」したりするのが間違っています。
結婚については「当事者の意志を尊重する」というのが正しい態度です。



世の中が眞子さまと小室さんの結婚をもてあそんでいると、皇室の存続がいよいよ危うくなります。
というのは、佳子さまや愛子さまの周りの男たちは、佳子さまや愛子さまを恋愛や結婚の対象にしなくなるからです。
もし婚約発表などしたら、その男の若気の至りの数々がSNSの記録や友人の証言などからあばきだされ、週刊誌に書き立てられ、小室さんの二の舞になる可能性が大です。そんなリスクを冒す男はなかなかいません。
とすると、結婚は見合いに限られてしまいます。

悠仁さまの結婚についても同じことが言えそうです。


芸能人が婚約や結婚を発表しても、誰も「賛成」だの「反対」だのは言いません。
眞子さまと小室さんの結婚については平気で「賛成」だの「反対」だのと言っているのはおかしなことです。
あまつさえ結婚を阻止するかのような動きがあるのは、異常というしかありません。