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参院選が始まりましたが、争点はなんでしょうか。

安倍首相は改憲問題を争点にしたいようで、「憲法について、ただただ立ち止まって議論をしない政党か、正々堂々と議論する政党か、それを選ぶ選挙だ」と言いました。
しかし、「改憲をする・しない」ではなくて、「改憲を議論する・しない」ですから、明らかに後退しています。

自民党は3月に「改憲4項目」の素案というのを出しましたが、九条改正、緊急事態条項、参院選「合区」解消、教育の充実と並べているので、優先順位がわかりません。
本来なら九条改正を前面に打ち出すべきでしょう。
しかし、自民党の九条改正案は、「自衛隊」は明記されても、「戦力の不保持」はそのままですから、かえってわかりにくくなっています。改憲派も盛り上がっていません。
九条の議論から逃げるために4項目を並べたのではないかと思えます。

憲法施行から72年たって、改憲論議は後退しているのですから、もう終わりにするべきでしょう。


7月3日付朝日新聞が「各党の公約 特徴と主張」と題して、争点をわかりやすく示していました。


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消費増税については、与野党で賛否が分かれています。
これがわかりやすい争点かもしれません。

「年金」という項目がありませんが、年金制度の改革を巡って対立しているわけではないので、争点にはならないのかもしれません。

「外交」という項目もありません。
その代わりに「沖縄」という項目があります。これは辺野古移設に賛成か反対かというものです。
辺野古移設問題は、対米関係をどう考えるかという問題と直結しているので、これが「外交」に近いのかもしれません。

外交についての国論は、日本はアメリカ依存を続けるべきだという主張と、日本はアメリカ依存を脱するべきだという主張とで二分されます。

この対立は、トランプ政権の誕生でより深刻化しました。
対米依存派は「アメリカファースト」の踏み絵を踏まされたからです。
安倍首相は踏み絵を踏んで、トランプ大統領から言われるままにさまざまな武器を買い、アメリカとの二国間通商交渉にも応じています。
ブッシュ政権やオバマ政権にはある程度の良識がありましたが、トランプ政権にそういうものはないので、対米依存の道は日本を危うくします。

こうした安倍外交こそ参院選の争点であるべきです。

もっとも、「安倍外交」を論じるより「トランプ政権」を論じたほうが盛り上がるでしょう。トランプ大統領のキャラが立っているからです。

これから各党の党首は、「トランプ政権」をどう評価するかを語ってほしいものです。