村田基の逆転日記

進化倫理学の威力を試すブログ

カテゴリ: 安倍政権を見送る

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安倍政権は長期化するとともに、ごまかす能力にますます磨きがかかってきました。
公文書改ざん、名簿廃棄、虚偽答弁、黒塗り文書でごまかしを押し通し、「ていねいに説明してまいります」と言いながらなにも説明せず、「責任は私にあります」と言いながらなにも責任を取らないという黄金パターンを確立しています。

ただ、新型コロナウイルスの問題が起こってからは、安倍政権も勝手が違ったでしょう。
人間社会では、「無理が通れば道理引っ込む」とか「嘘も百回言えば真実になる」ということがありますが、ウイルスは自然界のものなので、そうはいきません。
それでも安倍政権はごまかし続けるという方針を変えません。
アベノマスクについてもそうです。


全世帯に布マスク2枚を配布するというアベノマスク政策は、世にもお粗末な政策です。
466億円の予算をかけたというのが、どう考えても高すぎます。発注先の企業にあやしいところが混じっています。変色、カビ、異物混入などの不良品が多数あり、妊婦向け、介護向けも含めた検品に8億円を要しました。サイズが小さすぎるという指摘もあります。パッケージに産地や素材の表示がありません。配布が遅れて、厚生労働省のサイトによると6月4日時点で64%の配布となっていますが、現在では巷に値崩れしたサージカルマスクがあふれています。

早めに配布を中止すれば、いくらか予算が節約できたはずですが、安倍政権は間違いを認めるということがありません。

安倍首相は4月14日の衆院本会議で「布製マスクは使い捨てではなく、再利用可能であり、急激に拡大しているマスク需要に対応する上で非常に有効。理にかなった方策と考えている」と語りました。

テレビ番組ではもっと自画自賛しています。
 安倍首相は5月6日、インターネット番組「安倍首相に質問!みんなが聞きたい新型コロナ対応に答える生放送」に出演。司会者から「マスクが日常的に購入できるのはいつか」と問われて全戸配布に触れ、「われわれがやり始めた後に、パリやシンガポールも配布を始めた」と他国が追随している政策だと主張。「品薄状態を解消できるという考えのもとに布マスクも配布をさせていただいた。こういうものを出すと、今までたまっていた在庫も随分、出て参りました。価格も下がってきたという成果もありますので、そういう成果もあったのかなと思います」と発言した。
https://mainichi.jp/articles/20200514/k00/00m/040/244000c
菅官房長官も5月20日の記者会見で、「布マスクの配布などにより需要が抑制された結果、店頭の品薄状況が徐々に改善をされて、また上昇してきたマスク価格にも反転の兆しがみられる」と語りました。

「不良品が多数出て、検品に時間と費用がかかったのは失敗だった」とか「配布が遅れて、効果が薄れてしまった」ぐらいのことは言ってもよさそうですが、ひとつでも間違いを認めると、アリの一穴になることを恐れているのでしょうか。

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ということで、安倍首相は毎日アベノマスクを着用しています。

厚生労働省の「布マスクの全戸配布に関するQ&A」というサイトでは、「どのくらいの頻度で洗えば良いですか」という質問に、「1日1回の洗濯を推奨しています」という答えがあり、 「洗濯機で洗うことができますか」という質問に、「布製(ガーゼ)マスクは、手洗いで押し洗いすることを推奨します」という答えがあります。
ということは、安倍首相は毎日自分で手洗いしているのでしょうか(昭恵夫人は洗ってくれなさそうです)。

使い捨てマスクが安値で出回りだした現在、わざわざアベノマスクを使おうとするのは安倍首相ぐらいです(あと、安倍首相の後継と目される岸田文雄政調会長が使っているようです)。


安倍首相は意地になって使い続けていますが、そうすると誰の目にも明らかなのは、アベノマスクは小さすぎるということです。
子どもや平均的な顔の女性には合っているでしょうが、平均的な顔の男性には合いませんし、顔の大きな安倍首相にはとくに合いません。

布マスクの配布は最初妊婦向けと学校向けに始まったので、そのときは小さくてもよかったのでしょう。
全戸配布用についてはサイズを変えるべきでしたが、担当の官僚たちは惰性で仕事をしていたのか、サイズを変えませんでした。
そのため安倍首相は、誰が見ても小さすぎるマスクをする羽目になりました。
安倍首相は「これは私には小さいな」と認めればいいのですが、それも意地になって認めません。
側近もなにも言えないのでしょう。

日本人はアベノマスクの経緯を知っているので、安倍首相が意地になっていることがわかりますが、外国人は安倍首相のマスク姿をテレビで見て、「日本の首相はなぜあんな小さなマスクをつけているのだろう」と不思議に思っているに違いありません。
安倍首相は「裸の王様」ならぬ「マスクの王様」です。

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首相官邸HPより

賭け麻雀で辞職した黒川弘務検事長を訓告処分にしたのは誰かということが議論になっています。

最初はそんな議論があることが理解できませんでした。
処分は内閣か安倍首相の責任で行うものと思っていたからです。
しかし、免職、停職、減給、戒告という懲戒処分は法律によるものなので、黒川検事長の任命権者である内閣が行いますが、訓告と厳重注意という処分は法律によらず法務省の内規によるものなので、稲田伸夫検事総長が行うということです。
黒川検事長は訓告処分だったので、稲田検事総長が行いました。

しかし、稲田検事総長は、内閣が懲戒処分をしないと決めなければ訓告処分をすることができません。
森雅子法相も5月22日午前の記者会見で、「法務省内、任命権者である内閣とさまざまな協議を行った」とした上で、「最終的に内閣において決定がなされたものを、私が検事総長に『こういった処分が相当であるのではないか』と申し上げ、検事総長から訓告処分にするという知らせを受けた」と語りました。

ところが、同じ日の衆院厚生労働委員会で安倍首相は、「検事総長が事案の内容等、諸般の事情を考慮して処分をおこなったわけでございまして、森法務大臣もそれを了承したということについて、私に報告があったわけでございまして、これはもうすでに検事総長が判断をしていることでもございますから、私も諒としたということでございます」と言って、稲田検事総長が判断して、自分はそれを諒承しただけだと主張しました。

このころ、世の中では訓告処分は軽すぎるという批判の声が高まっていたので、安倍首相は稲田検事総長や森法相に責任をなすりつけたわけです。

森法相は25日の参院決算委員会で、「処分の主体は稲田検事総長」と答弁して、安倍首相に合わせて、前の自分の発言を修正しました。

しかし、共同通信は安倍首相と森法相の発言を否定する記事を配信しました。
黒川氏処分、首相官邸が実質決定 法務省は懲戒と判断、軽い訓告に
 賭けマージャンで辞職した黒川弘務前東京高検検事長(63)の処分を巡り、事実関係を調査し、首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となったことが24日、分かった。複数の法務・検察関係者が共同通信の取材に証言した。
 安倍首相は国会で「検事総長が事案の内容など、諸般の事情を考慮し、適切に処分を行ったと承知している」と繰り返すのみだった。確かに訓告処分の主体は検事総長だが、実質的には事前に官邸で決めていたといい、その経緯に言及しない首相の姿勢に批判が高まるのは必至だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/27bc7764f48673e254ca4ee924b94cb65875cfc0
複数の法務・検察関係者が証言したということですから、安倍首相に責任をなすりつけられたことに対する反発が法務・検察内部にあるのでしょう。


この少し前にも、安倍首相は責任のなすりつけをしていました。
安倍首相は15日に櫻井よしこ氏のインターネットテレビ番組に出演し、検察庁法の定年規定をねじ曲げてまで黒川検事長の定年を延長したことについて、「法務省が人事案をもってきて、われわれはそれを承認しただけ」と語りました。

これはどういうことかというと、プチ鹿島氏が「黒川弘務検事長“賭けマージャン”辞職を、産経と朝日はどう報じたか?」という記事で解説していて、それがわかりやすかったので、そこから引用します。

しかし1月31日の定年延長の閣議決定には「前段」がある。5月23日の読売新聞が詳しい。
 記事から時系列をまとめてみる。

・昨年末、法務・検察が官邸に上げた幹部人事案は、2月に定年を迎える黒川氏を退職させ、東京高検検事長の後任に林氏を据えるというものだった。

・官邸がこれを退けた。

・すると法務省幹部は稲田氏に2月で退任し、黒川氏に検事総長の座を譲るように打診した。

・稲田氏は拒んだ。しかし稲田氏が退任しないと、2月が定年の黒川氏は後任に就けない。

・法務省は「苦肉の策」として、国家公務員法の規定に基づいて黒川氏の定年を半年延長する案を首相に示した。←ここ注目!

 いかがだろうか。安倍首相の言う「法務省が人事案を持って来た」は最後の部分ということがわかる。ここしか時系列を説明していない。不都合な前段には触れていない。

官邸のゴリ押しに法務省が負けて「苦肉の策」として持ってきたわけで、原因は官邸のゴリ押しにあります。
しかも、「苦肉の策」を採用したのは官邸ですから、責任は官邸にあります。「法務省が持ってきた」というのは、責任逃れ以外のなにものでもありません。

やった仕事の評判が悪いと、「この企画は部下が考えたものだ」と言って責任逃れをする上司がいます。
政治家の場合は「秘書がやった」と言うのが常套手段です。
安倍首相は「部下がやった」と「部下が持ってきた」です。


安倍首相が「黒川検事長を訓告処分にしたのは稲田検事総長だ」と主張しているのも同じです。
野党は、黒川検事長を訓告処分と決めたのは官邸だと主張していて、たぶんその主張は正しいのですが、そういう議論自体が時間のむだです。
「黒川検事長の任命権者は内閣です。かりに稲田検事総長が判断したとしても、その責任は内閣にありますね」と言えば終わりです。


国民はこういう安倍首相をどう見ているのでしょうか。
私も最初はそうだったように、よくわからない人が多いかもしれません。
まさか首相たる者が「部下がやった」というような低次元の責任逃れを言っているとは思わないからです。

安倍首相のあまりの低次元ぶりに、批判しているこちらまで情けなくなります。

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週刊文春に「緊急事態宣言下の“三密”賭け麻雀」を報じられた黒川弘務検事長が辞職しました。
“文春砲”の威力を見せつけられましたが、黒川氏の麻雀好きは今に始まったことではなく、ほかのマスコミはなにをしていたのかということになります。
もっとも、産経新聞記者と朝日新聞社員は黒川氏といっしょに麻雀をやっていたので、書ける立場ではありませんが。

親しい仲間内の「賭け麻雀」は、違法であるとはいえ、半ば社会的に容認されたグレーゾーンの存在です。
ですから、わざわざ報道する必要はないという考え方もあります。

しかし、今回のことについては、緊急事態宣言下であり、自粛要請に反する行為です。
それに、検察官は取り締まる側で、一般人とは違います。
しかも黒川氏は、安倍政権が検察庁法の解釈をねじ曲げてまで定年を延長し、さらには検察庁法改正案提出まで招く原因になったキーマンです。
報道するのは当然です。


今回の麻雀には、産経新聞と朝日新聞が関わっていましたが、両社の関わり方はかなり違います。

週刊文春は5月1日と5月13日の2度の麻雀について書いていますが、どちらも産経新聞記者の自宅マンションで行われ、卓を囲んだのは産経新聞記者2人、朝日新聞社員、黒川氏で、黒川氏は深夜にハイヤーで帰宅しました。
検事長という“上級国民”を接待するとなると、タクシーではなくハイヤーを使うのだなあと感心しました。
このハイヤーはもちろん産経記者が個人で手配したわけではなく、産経新聞が手配したものです。
つまりこれは産経新聞社公認の接待麻雀です。

文春の報道があった直後、朝日新聞は社員が麻雀に同席していたことを認め、不適切な行為であったと謝罪しましたが、産経新聞は「取材に関することはお答えしない」「記事化された内容以外は取材源秘匿の原則に基づき、一切公表しておりません」としていました。
つまり産経新聞は麻雀を「取材」と見なしていたのです。

朝日新聞社員は、もとは検察担当記者でしたが、2017年に編集部門を離れたということです。黒川氏と旧知の間柄であることから麻雀に参加しました。黒川氏から情報を取ろうという気持ちもあったかもしれませんが、形の上では個人的なつきあいです。朝日新聞は「社員のプライベートの行為で、当社は関知しません」と言うことも可能です。
しかし、産経新聞は記者が賭け麻雀をしていたことを会社として認め、ハイヤーも手配していたわけで、これは罪が重いと言えます。


ともかく、この麻雀は、産経新聞が会社として検事長を供応接待し、そこに朝日新聞社員が個人として加わっていたというものです。
黒川氏がハイヤーを複数回利用したことは、国家公務員倫理規程5条の「職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等社会通念上相当と認められる程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない」に違反する可能性があります。

ところが、法務省は週刊文春の記事について調査した結果を公表しましたが、それにはこう書かれています。

黒川検事長の賭けマージャン問題 法務省調査結果の全文
 黒川弘務・東京高検検事長=辞職=の賭けマージャン問題を報じた「週刊文春」(5月28日号)の記事について、法務省が22日に発表した調査結果の全文は次の通り。(肩書は調査時)
(中略)
イ 記事②「黒川検事長は、5月1日ごろの賭けマージャン終了後、記者の手配したハイヤーに同乗して、記者A方から帰宅する便宜を図ってもらっていた」について

 (調査結果)

 黒川検事長が、5月1日ごろに、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められた。

 なお、この点については、検事長の立場にある者として軽率な行為であるとのそしりを免れないものの、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。

 ウ 記事③「黒川検事長は、5月13日ごろにも、記者A方において、同人及び記者Bと賭けマージャンを行い、記者Bの手配したハイヤーで帰宅した」について

 (調査結果)

 黒川検事長が、緊急事態宣言下の5月13日ごろの勤務時間外に、記者A方において、同人、記者Bらと金銭を賭けてマージャンを行っていた事実が認められた。

 この日もいわゆる点ピンと呼ばれるレートで行われており、参加した者の間で、1万円から2万円程度の現金のやり取りがなされていた。

 また、記者A方でマージャンを行った後、記者Bの手配したハイヤーに同乗して帰宅した事実及び当該ハイヤーの料金を支払っていない事実が認められたが、黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであったと認められる。
(後略)
https://www.asahi.com/articles/ASN5Q7JFBN5QUTIL05S.html?iref=pc_ss_date

「黒川検事長個人のために手配されたハイヤーを利用したものではなく、記者Bが帰宅するハイヤーに同乗したものであった」とは信じられない説明です。
産経新聞記者は黒川検事長がいなくてもハイヤーを使ったというのでしょうか。
普通の会社でも社員が接待目的なしにハイヤーを使うのはありえないことですし、経営の苦しい産経新聞社ではなおさらです。


結局、黒川氏は訓告という甘い処分を受けただけで辞職が認められました。
甘い処分の理由のひとつに、いわゆる「テンピン」のレートが高額でないからだという説明があり、世間から「テンピンのレートは合法なのか」という突っ込みが入っています。
もうひとつの理由に、「産経新聞記者は黒川氏のためではなく自分のためにハイヤーを使った」ということもあるわけで、こちらにも突っ込みが必要です。

なお、産経新聞社もハイヤーを誰のために手配したのかを説明する責任があります。

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ツイッターで「#検察庁法改正案に抗議します」がトレンド1位になって話題となりましたが、その後、「#福山哲郎議員に抗議します」も一時トレンド1位になりました。

おそらく「#検察庁法改正案に抗議します」を真似て「#福山哲郎議員に抗議します」がつくられたのでしょう。
しかし、検察庁法改正案は国の根幹に関わる重大問題ですが、福山哲郎議員は一人の野党議員(正確には立憲民主党幹事長)ですから、重みがぜんぜん違います。
どうしてトレンド1位になったのでしょうか。

どうやら福山議員が国会で政府の新型コロナウイルス対策専門家会議の尾身茂副座長に質問したときの態度が失礼だったということのようです。
立民・福山哲郎幹事長に抗議殺到! 尾身氏への態度に医療従事者カンカン 「#福山哲郎議員に抗議します」ツイッタートレンド1位に 
 新型コロナウイルスをめぐる、国会審議の動画がネット上で炎上している。立憲民主党の福山哲郎幹事長が11日の参院予算委員会で、政府・専門家会議の尾身茂副座長(地域医療機能推進機構理事長)に質問したものだ。その言動について、ツイッター上で、「#福山哲郎議員に抗議します」がトレンド1位になり、医療関係者からも批判の声が上がっている。
 福山氏は注目の予算委員会で、国内の感染者を報告数の10倍程度とする専門家の推定を示して、「蓋然性があるのではないか」と質問した。
 これに対し、尾身氏は「今の報告数よりも多いのは間違いないと思うが、すべての人に検査をしているわけではなく、10倍かどうかは私には言えない」とした。
 その後、福山氏は「10倍いる可能性も否定もできないし、肯定もできないんですよね?」と尋ねた。
 尾身氏が答弁席に向かう途中、安倍晋三首相が何かを話したため、福山氏は「何、指導してんですか!」と声を荒らげた。
 一時速記が止まった後、尾身氏は、医療機関に行かない人の方が感染リスクが低いと考えられることから、東京都が発表している陽性率よりも感染者の数は少ないことが一般的である-などと感染状況について説明した。
 その間、福山氏は「ちょっと(回答を)短くしてもらえます?」などと話したほか、最後には「全く答えていただけませんでした。残念です」と言い切った。
 この動画が怒りを買っているのだ。
 尾身氏は1978年に自治医科大学医学部を卒業し、99年から2009年まで世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長を務めた。SARS(重症急性呼吸器症候群)対策の陣頭指揮を執り、今回の新型コロナ対策でも日々奮闘している。世界的権威だ。

 福山氏独特の質問姿勢のせいか、ツイッターでは、「#福山哲郎議員に抗議します」というワードがトレンド1位になり、「#尾身先生を応援しよう」というワードもトレンド入りした。
 医療関係者などから、「(尾身先生は)世界レベルでも誇れる経歴の持ち主」「あれが物尋ねる立場の人間の態度か?」「専門家会議の先生たちは、本当に頑張ってくれています」「パワハラはもうたくさん」「情けない。怒りがふつふつと湧いてくる」などとコメントが寄せられている。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/200513/dom2005130006-n1.html

福山議員がほんとうに失礼な態度だったのか、動画で確かめてみました。


(尾身副座長への質問は9分すぎごろから)

これを見る限りでは、ぜんぜん失礼な感じはしません。

ただ、次の動画では福山議員が尾身副座長の答弁中に「時間ないです」とか「ちょっと短くしてください」と言っているようです。



これが失礼かどうかは、各自が判断してくださいというしかありません。

なお、この動画では安倍首相が「数字じゃないんだよ」とヤジを飛ばしたことになっていて(正確には聞き取れませんが)、それで質疑が一時中断します。
相変わらず安倍首相は国会でヤジを飛ばしているようで、こちらも問題です。


福山議員と尾身副座長の議論がかみ合っていないのは事実です。
福山議員は、実際の感染者は把握された感染者の10倍であるという言質を取りたいようですが、それに対して尾身副座長は「10倍か15倍か20倍か誰にもわかりません」と言います。
私は、これは「10倍から20倍」という立派な答えだと思いましたが、福山議員は「わからない」という意味だと解釈します。
実際、尾身副座長はそのあとも明確な言質を与えない答弁をするので、福山議員の解釈が正しいのかもしれません。

実際の感染者数はどれくらいかというのは重要な問題です。正確には答えられないにしても、専門家なら与えられたデータからある程度推測できるはずです。はぐらかしの官僚答弁をするのはいただけません(もしかすると安倍首相の「数字じゃないんだよ」のヤジが影響したのでしょうか)。


以上のことについては「 ハーバー・ビジネス・オンライン」が「批判された立憲・福山哲郎議員の尾身茂副座長への質疑はどんなものだったのか? 全文起こして検証してみた」という詳しい検証記事を書いています。
この記事は、福山議員の態度より尾身副座長のはぐらかし話法により問題があるとしています。


いずれにしても、福山議員の尾身副座長への態度は、取り立てて失礼だったとはいえません。
それでいて「#福山哲郎議員に抗議します」がトレンド1位になったのは、なんらかの意図的な動きがあったからでしょう。

ひとつには、「#検察庁法改正案に抗議します」が盛り上がって政権が批判されているので、対抗して野党を批判しようという意図が想像されます。
しかし、今、野党を攻撃しても、なにもいいことはありません。

よく「今は国難だから政権批判はするべきでない」という人がいますが、そんなことはありません。政権批判をすることで現に政策が変化しています。
国難のときの野党批判こそまったく意味のない行為です。


野党批判のほかに、もうひとつの意図もあると思われます。
それは専門家会議への批判を封じることです。

安倍首相は一斉休校要請を専門家の意見を聞かずに決めたりしていましたが、最近は専門家の判断を重視しているらしく、5月14日の記者会見でも「専門家」という言葉を連発しています。

その判断については、今回、専門家の皆様の御協力を得て、感染の状況、医療提供体制、監視体制の3つについて、具体的な数値なども含め、解除の客観的な基準を策定いたしました。

こうした評価について、尾身会長を始め、諮問委員会の専門家の皆さんの賛同を得て、今月末までの期限を前倒しして、本日付で39県の緊急事態宣言を解除することといたしました。

1週間後の21日をめどに、もう一度、専門家の皆さんに、その時点で今回決定した解除基準に照らして評価いただき、可能であれば、31日を待つことなく、解除する考えです。

レストランなどの飲食店、百貨店や商店街、各種の商店、映画館、劇場、博物館や美術館などの文化施設、公共交通機関、さらにはホテルや旅館、80を超える業界ごとに、専門家の助言の下、本日、感染予防のためのガイドラインが策定されました。

専門家の皆さんが取りまとめた新しい生活様式も参考に、3つの密を生活のあらゆる場面で避けていただきたいと考えています。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0514kaiken.html
安倍首相は「専門家」を盾にして自分を守る作戦のようです。
そのためには専門家に権威がなければなりません。
専門家の権威を守るために、尾身副座長にややきびしい質問をした福山議員を集中的に攻撃して、今後専門家を批判しにくい空気をつくろうとしていると思われます。

尾身副座長は、最初は医者でしたが、厚生省に入り、それからずっと官僚人生を歩んできた人です。今も「政府の専門家会議」の副座長ですから、政府の一員として野党から追及されるのは当然です。

そもそも専門家会議が専門家らしいことをしてきたかといえば、はなはだ疑問です。
クルーズ船の対応で失敗し、PCR検査数をふやさず、市中感染を拡大させてきました。

専門家会議が多少専門家らしく見えるのは、“8割おじさん”こと西浦博北大教授の感染症の数理モデルがあるからですが、西浦教授は厚生労働省のクラスター対策班に属し、専門家会議のメンバーではありません。そのため、西浦教授の主張と専門家会議の主張はつねに微妙に食い違っています。

日本の感染症の専門家は“感染症ムラ”とでもいうべきものを形成しており、テレビに出てくる専門家もほとんどがそうですから、当たり障りのないことしか言いません。(例外は岡田晴恵白鴎大教授ぐらいです)。

マスコミもほとんど感染症の専門家のことを批判しません。
最近では週刊新潮5月21日号に『「尾身茂・専門家会議」に「社会の命運」を丸投げされた日本の悲喜劇』という記事があったぐらいです。

専門家会議が聖域化すれば、間違った対策がまかり通ってしまいます。

福山議員はなにか間違ったことをしたわけではなく、批判されているのは「専門家に対する態度が失礼だ」ということです。
新型コロナによる国難のさ中に、一野党議員の礼儀について何十万ものツイートをするほど日本人は愚かな国民ではないので、なんらかの陰謀があったのは間違いありません。

バンクシー
「Banksy (@banksy) • Instagram photos and videos」より

上の絵は覆面アーチストのバンクシーによる新作です。
イギリス南部のサウサンプトン総合病院に届けられ、救急病棟近くのロビーに飾られました。
バンクシーの「あなた方のご尽力に感謝します。白黒ではありますが、この作品で少しでも現場が明るくなることを願っています」というメモが添えられています。
今秋まで同病院に飾られ、その後はNHS(国民保健サービス)の資金を調達するためにオークションにかけられるということです。

マスコミは、新型コロナウイルスの感染拡大で過酷な仕事を強いられている医療従事者への感謝を表現した絵というふうに報じています。
看護師の人形のほかにバットマンやスパイダーマンの人形もあるので、「看護師はヒーローである」ということを表現しているという解釈です。

しかし、バンクシーのことですから、そんな単純なことではなく、なにかの皮肉や寓意があるはずです。

バットマンやスパイダーマンの人形が入っているカゴは、どう見てもごみ箱です。
子どもはバットマンやスパイダーマンに飽きて、ごみ箱に捨て、今は看護師人形で遊んでいますが、いずれ看護師人形にも飽きて、ごみ箱に捨てることを暗示しています。


イギリスの看護師には外国からきた非白人の人が多いそうです(たいていのヨーロッパの国はそのようですが)。
日本でも医者と看護師は差別的関係にありますが、イギリスではそこに人種差別も加わるわけです。

「note」でそのことを指摘している人がいました。

今日はフランスのニュースで、バンクシーが新しく描いた絵が病院に飾られたという話をしていました。これを見た人たちは絶賛しているんです。
この絵は白人の男の子が、今までのヒーローはカゴに捨てられているように置かれている中、黒人の看護師が新たなヒーローとして遊ばれている絵です。
皮肉すぎませんか。それを白人の病院関係者の方が絶賛している姿がものすごく違和感です。この絵を見た時に私はいろんな感情が自分の中で渦巻きました。
https://note.com/momusplay/n/nf2c1cead3a6e

バンクシーのメモに「白黒ではありますが」という言葉が入っているのは、人種問題を暗示していそうです。
つまりこの絵は、過酷な現場で奮闘する看護師をヒーローとしてたたえつつも、看護師の多くが非白人であるという差別構造を皮肉っていると解釈できます。


ただ、私はそれだけではないと思います。

まずひとつは、捨てられたバットマンやスパイダーマンは、悪と戦うヒーローだということです。
というか、ヒーローというのは悪と戦うと決まったものです。
しかし、看護師のヒーローは悪とは戦いませんし、おそらくなにとも戦いません。
そういうヒーロー像の転換ということもバンクシーは言いたかったのではないかと思います(この絵のタイトルは「ゲームチェンジャー」というようです)。


そして、いちばん肝心なのは、子どもは看護師のヒーロー人形で遊ぶことにいずれ飽きるだろうということです。

現在、多くの人が医療従事者を持ち上げ、つまりヒーロー扱いして、感謝の言葉を述べています。
本気で言っているかどうかは誰にもわかりません。

たとえば、安倍首相は5月4日の記者会見でこのように語りました。
 各地の病院で集団感染が発生している状況を大変憂慮しています。しかし、医師、看護師、看護助手、そして病院スタッフの皆さんは、そのような感染リスクと背中合わせの厳しい環境の下で、強い使命感を持って、今この瞬間も頑張ってくださっています。全ては私たちの命を救うためであります。医療従事者やその家族の皆さんへの差別など、決してあってはならない。共に心からの敬意を表したいと思います。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0504kaiken.html
「心からの敬意」という言葉で医療従事者を持ち上げていますが、本気でそう思うなら、医療従事者に特別手当を支給すればいいのです。
現に大阪府では、基金を設けて寄付を募り、吉村知事は早ければ5月中にも、府内の病院で新型コロナ感染症の入院患者の治療にあたる医師など医療従事者に一律20万円を支給する考えを表明しています。

言うのはタダですから、いい人に見られたいために、うわべだけで医療従事者をヒーローとしてほめたたえる人もいます。
そういう人は、コロナ禍が過ぎ去れば、子どもがオモチャに飽きるように、医療従事者のことなどすっかり忘れてしまうだろう――バンクシーはあの絵にそういう皮肉を込めたのだと思います。

スクリーンショット (16)
首相官邸HPより

安倍首相は5月4日、緊急事態宣言の延長を発表する記者会見を行いました。
安倍首相の両側にはプロンプターが配置されています。
安倍首相はプロンプターの読み方が上達して、しっかりと言葉をかみしめるように発声するのが板についてきましたが、聞いているとむなしくなってきます。言葉に心がないからです。

安倍首相の記者会見の動画と書き起こし文は、官邸ホームページのこちらで見られます。

「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見」

ウイルス対策のあり方についてはこれまでも書いてきたので、今回は安倍首相の言葉づかいと、その背後にある発想に注目してみました。


安倍首相は緊急事態を1か月延長する決断をすることは「断腸の思い」だと言いましたが、私はこの言葉に違和感を覚えました。
普通は「苦渋の決断」とか「忸怩たる思い」と言うところです。

「断腸の思い」という言葉は、子猿を人間に奪われた母猿が百里余りも子猿を追いかけてきて死に、母猿の腹を裂いてみると腸がずたずたに断ち切れていたという故事に由来し、はらわたがちぎれるほどの耐え難い悲しみをいいます。
国語辞典には「駅伝のメンバーを決める時に、断腸の思いで故障がちなキャプテンを外す決断をした」という例文が載っています。

安倍首相に「断腸の思い」なんてあるのかと思いましたが、一応こういう文脈の中で使われています。

 当初予定していた1か月で緊急事態宣言を終えることができなかったことについては、国民の皆様におわび申し上げたいと思います。
 感染症の影響が長引く中で、我が国の雇用の7割を支える中小・小規模事業者の皆さんが、現在、休業などによって売上げがゼロになるような、これまでになく厳しい経営環境に置かれている。その苦しみは痛いほど分かっています。こうした中で、緊急事態を更に1か月続ける判断をしなければならなかったことは、断腸の思いです。

こういう意味なら「断腸の思い」という言葉は正しく使われています。
しかし、安倍首相は中小・小規模事業者を助けようと思えば助けられる立場です。ほんとうに「断腸の思い」がするなら、十分な補償をするはずです。
現実にはろくな補償をしていないので、「断腸の思い」という言葉にはやはり心がこもっていないということになります。

なお、安倍首相は「当初予定していた1か月で緊急事態宣言を終えることができなかったことについては、国民の皆様におわび申し上げたい」と言っていますが、なにが悪かったかを言っていません。
ここは「甘い見通しで5月6日と言ったことをおわび申し上げたい」と言うところです。
こういうことをごまかすので、「おわび」の言葉に心がこもりません。

安倍首相は「今から10日後の5月14日を目途に(中略)、地域ごとの感染者数の動向、医療提供体制のひっ迫状況などを詳細に分析いただいて、可能であると判断すれば、期間満了を待つことなく、緊急事態を解除する考えであります」と語りましたが、解除の基準を示していないことが批判されています。
「国民にとってはきびしい内容ばかりなので、少し甘いことも言っておこう」みたいなことで言ったのでしょう。
前に「5月6日まで」と言ったのと同じです。反省しないので進歩がありません。

安倍首相は、PCR検査を1日2万件可能にすると言ったのに実現できていないという問題を質疑応答で追及されましたが、ここでも「人的な目詰まりがあった」などとわけのわからない言葉でごまかして、自分の非を認めませんでした。


それから、安倍首相の言葉で気になるのが、「感謝」や「御礼」という言葉を連発するところです。
そういう部分を集めてみました。

協力してくださった全ての国民の皆様に心から感謝申し上げます。

子供たちには、長期にわたって学校が休みとなり、友達とも会えない。外で十分に遊べない。いろいろと辛抱してもらっています。心から感謝いたします。

緊急事態の下でも、スーパーや薬局で働いている皆さん、物流を支えている皆さん、介護施設や保育所の職員の方々など、社会や生活を様々な場所で支えてくださっている皆さん、そうした皆さんがいて、私たちの暮らしが成り立っています。改めて、心から感謝申し上げます。

今年は、大型連休中も不要不急の外出を避け、自宅での時間を過ごしてくださっている皆さんに、改めて、衷心より御礼を申し上げます。

例年、ゴールデンウィークには実家に帰省するなど、家族で旅行していた皆さんも多いと思いますが、今年はオンライン帰省などのお願いをしております。そうすることで皆さんの、そして愛する家族の命を守ることができます。御協力に感謝いたします。

また、国の権限強化等についてでありますが、今、言わば強制力を伴わない中におきましても、例えば夜の繁華街等についても営業しているのは1割以下の地域が多いわけでありまして、大変な御協力を頂いている。本当に感謝申し上げたいと、こう思っています。

そもそも罰則がない中でそこまでいただいている、協力を頂いていることに感謝を申し上げたいと思いますが、

国民は努力し、苦しさに耐えていますが、それは安倍首相に対してやっているわけではないので、安倍首相から感謝されてもとまどうだけです。
安倍首相は、「自分が要請したから国民は努力したり耐えたりしている」と勘違いしているようです。

勘違いは、次のようなところにも表れています。

 感染のおそれを感じながら、様々な行動制約の下での生活は緊張を強いられるものです。目に見えないウイルスに強い恐怖を感じる。これは私も皆さんと同じです。しかし、そうした不安な気持ちが、他の人への差別や、誰かを排斥しようとする行動につながることを強く恐れます。それは、ウイルスよりももっと大きな悪影響を私たちの社会に与えかねません。誰にでも感染リスクはあります。ですから、感染者やその家族に偏見を持つのではなく、どうか支え合いの気持ちを持っていただきたいと思います。

差別や偏見ではなく支え合いの気持ちを持つべき――というのは要するに道徳です。
首相が国民に対して道徳を説教しているわけです。
首相は国民よりも精神的な高みに立っていることになります。


道徳を重視するのは自民党の党是です。
自民党は一貫して道徳教育の推進を主張してきて、とうとう道徳の教科化を実現させました。
多くの国民は、「道徳を説かれるのは子どもだけで、自分が説かれるわけではない」と思って、道徳教育を容認してきました。
しかし、安倍首相は新型コロナ騒ぎに乗じて、子どもだけではなく国民に対しても道徳を説くようになったわけです。

安倍首相は国会答弁で何度も「私は立法府の長」と発言し、さらには「私は総理大臣ですから、森羅万象すべてを担当しております」と言ったこともあります。
森友学園問題や加計学園問題や桜を見る会問題などのスキャンダルを嘘と文書改ざんなどで乗り越え、新安保法制や特定秘密保護法などで支持率が落ちてもその都度回復し、そうした経験から万能感を持つにいたったのかもしれません。

ですから、新型コロナ問題も、適当に対応していればやがて解決し、支持率も回復するだろうという認識なのでしょう。
そうとでも考えなければ、こんないい加減なやり方を続けていられるわけがありません。
長期政権の弊害がきわまった感じです。

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新型コロナウイルス対策に成功しているのは女性リーダーの国だ――という説があります。
「Forbes JAPAN」の「コロナ対策に成功した国々、共通点は女性リーダーの存在」という記事が指摘しました(4月18日のTBS系「新・情報7daysニュースキャスター」でもやっていました)。

その記事によると、アンゲラ・メルケル首相のドイツ、蔡英文総統の台湾、ジャシンダ・アーダーン首相のニュージーランド、カトリン・ヤコブスドッティル首相のアイスランド、サンナ・マリン首相のフィンランド、アーナ・ソールバルグ首相のノルウェーは、いずれも感染拡大を抑え込んで、国民の支持も得ているということです。

女性リーダーと男性リーダーでそんな違いがあるのかというと、ある可能性は十分にあります。


狩猟採集生活をしている未開社会では、採集は男女ともにしますが、狩猟はもっぱら男性が担うという性別役割分業があります(ですから、性別役割分業はジェンダーばかりとはいえません)。
その延長線上と思われますが、戦争ももっぱら男性が担ってきました。
そのため男性の頭には戦争の文化がいっぱい詰まっています。


男は、新型コロナウイルス対策をどうしても戦争になぞらえてしまいます。
戦争というのは、攻撃は最大の防御なので、敵を識別し、攻撃するというのが基本です。

ウイルスが国内に侵入していないときは、ウイルスは敵として認識することができ、ウイルスの侵入を防ぐ水際作戦を行うことができます。
これでうまくいけばよかったのですが、世界でうまくいった国はないようです。

ウイルスが国内に入り込んで広がれば、敵がどこにいるかわからないので、攻撃のしようがありません。
もちろん感染者は敵ではありません。
ただ、勘違いして、感染者を差別したり、発熱しているのに旅行したり会社に行ったりした人を非難する人はいますが。

ウイルスが国内に広がった時点でフェーズが変わり、戦争にたとえるなら、国が戦場ではなく野戦病院になったようなものです。
戦うことよりも、医療崩壊を招かないように病床と医療スタッフをふやすとか、マスクや防護服や人工呼吸器を確保するとか、隔離施設を別につくるといったことが最優先の課題になります。
感染拡大を防ぐ手段も、要するに家にじっとしていることですから、“戦う”というイメージではありません。

ところが、男の頭はなかなか“戦う”モードから切り替わることができません。
その典型がトランプ大統領です。最初に中国からの全面入国禁止やEUからの入国禁止という水際作戦を行い、それが失敗したあとも、いまだに中国を攻撃し、WHOを攻撃しています。
安倍首相も、外出自粛を呼びかけながら、「動き回る若者」や「夜の繁華街」を敵視して攻撃しています。


武漢で医療崩壊が起こったとき、日本でも同じことが起こるかもしれないと思って、早めに医療体制を強化することもできましたし、都市封鎖のやり方を参考にすることもできました。
しかし、中国を敵国ととらえている男は、中国から学ぼうとはしません。
韓国もドライブスルー方式のPCR検査などを考えだし、感染拡大を抑え込むことに成功しましたが、日本の男は韓国を敵視しているので、かたくなに韓国から学ぼうとしませんでした。
敵味方を分ける発想はウイルス対策の足かせです。

もちろん日本の男がみんなそうだというのではありません。右翼とか自称保守の男がそういう“戦争脳”なのです。

女性にはそういう“戦争脳”はまずありません。
そのため女性リーダーの国はウイルス対策に成功しているようです。
台湾の蔡英文総統は、中台は敵対関係にあるのに、中国からの情報収集に努めて、いち早く正しい対策を打ち出しました。
それによって台湾の感染者は今でも400人台です。


安倍首相は4月10日に田原総一朗氏と面会した際、「実は私自身、第三次世界大戦は、おそらく核戦争になるであろうと考えていた。だが、コロナウイルス拡大こそ第3次世界大戦であると認識している」と語ったそうです。田原氏が自身のブログで明らかにしました。

今の状況を第三次世界大戦になぞらえる感覚もどうかと思いますが、安倍首相はおそらく戦争の指揮官のつもりでしょう。
ウイルス対策を戦争だととらえると、迷走するしかありません。
それに、戦争の指揮官は野戦病院の内部のことなど考えないので、そのために日本は医療崩壊の瀬戸際になっています。

今の日本に必要なのは、戦争の指揮官でも兵士でもなく、野戦病院の運営をするナイチンゲールです。

星野源と安倍首相

星野源さんの「うちで踊ろう」という曲に、安倍首相が勝手にコラボして、自宅で犬を抱いたり、飲み物を飲んだり、本を読んだりする動画をアップしたことが批判され、炎上しました。

これはすでに十分に批判されているので、あまり付け加えることはありませんが、私が思うのは、安倍首相は人気取りのことばかり考えているのだなということです。
よい政治を行って人気を得るという王道を行くのではなく、印象操作やメディア支配で人気を得るという安易な道を行くことを覚えてしまって(しかも記録改ざんなどで批判をかわすことも覚えてしまって)、星野源さんとのコラボ動画もその延長線上です。

「星野源は若者に人気だそうだから、私が降臨すれば、『安倍さんは私たち若者の気持ちがわかっている』となって、若者の支持率がアップするだろう」みたいに考えたのでしょう。




安倍首相はコラボ動画に添えて、こんなコメントもツイートしていたので、私はこのコメントについて論じたいと思います。

安倍ツイッター

安倍首相は、「友達と会えない。飲み会もできない」というのが若者の平均的な気持ちだと思っています。
「遊びのことばっかり考えているチャライ若者」というのが安倍首相の若者観です。
現在の緊急事態宣言下の状況では「収入がなくなってどうしよう」とか「いつになったら学校が始まるのだろう」といった不安をかかえている若者も多いはずですが、安倍首相の頭にはないようです。

安倍首相は4月7日の記者会見でも「既に自分は感染者かもしれないという意識を、特に若い皆さんを中心に全ての皆さんに持っていただきたい」と、若者を特別視した言い方をしています。まるで若者がペストを媒介するネズミみたいです(正確には媒介するのはネズミのノミです)。

新型コロナウイルスに感染すると、若者であっても命の危険があります。
星野源さんの「うちで踊ろう」にも「生きて踊ろう」「生きてまた会おう」という歌詞があり、お互いの命をたいせつにしようというメッセージが根底にあります。

安倍首相はこのツイッターで若者に呼びかけているのに、若者の命を気遣う言葉がまったくありません。
「多くの命が確実に救われています」や「医療従事者の皆さんの負担の軽減につながります」というように、若者以外の人のことばかり言っています。
これは「お国のために」と言って若者を戦争に送り出すときの論理と同じです。



そうしたところ、夫の東出昌大さんの不倫問題でなにかとお騒がせの杏さんが、星野源さんと同じようにギターの弾き語りをする動画をアップして、話題となりました。
弾き語りしている曲は加川良さん作詞作曲の「教訓Ⅰ」です。
タイミングからして、安倍首相のコラボ動画とツイッターの言葉に反応したものではないかと想像されます。


この動画には、

「自分のことを守ることが、外に出ざるを得ない人を守ることになる。利己と利他が循環するように、一人ひとりが今、できることを」

というコメントがつけられています。
このコメントは、安倍首相のコメントに対しての思いでしょう。

「教訓Ⅰ」の歌詞の最後だけ引用します。
死んで神様と 言われるよりも
生きてバカだと いわれましょうヨネ
きれいごと ならべられた時も
この命を すてないようにネ
青くなって しりごみなさい
にげなさい かくれなさい
https://www.uta-net.com/movie/43159/

安倍首相のコメントと比べると、その違いがよくわかります。
若者の命をたいせつにするかしないかの違いです。


「教訓Ⅰ」は1970年に発表された歌で、ベトナム戦争を背景にした反戦歌です。
アナクロな首相がいるために、50年前の歌が今も歌われます。

安倍マスク
首相官邸HPより

安倍首相が全国のすべての世帯に2枚ずつ布マスクを配布すると表明したら、大炎上しました。

安倍首相がマスク配布を表明したのは4月1日の夕方です。
翌日の朝日新聞朝刊には、マスク配布については10行ほど書かれていただけでしたが、ネットで炎上したのを受けて、夕刊では一面トップの記事で、マスク配布の背景や評価などが書かれていました。
朝日新聞は最初、10行ぐらいのニュースバリューと判断したのでしょう。

しかし、今は休業補償をどうするとか、全国民に10万円配布しろという議論が行われているさ中で、そのタイミングでマスク2枚が出てきたのは衝撃的でした。
安倍政権の中で「国民に金は払いたくないが、国民の不満が高まるのは困る。そうだ、マスクを配れば国民は喜ぶだろう」みたいな議論が行われたのではないかと想像してしまいます。

安倍政権は新型コロナ問題でお粗末な対応を続けてきましたが、マスク不足はそれを象徴しています。
マスク不足の経緯について振り返ってみました。


もともと日本はマスクの8割を輸入していて、そのほとんどは中国からです。
新型コロナウイルスで日本国内のマスク需要が急増し、同時に中国からの輸入が止まったので、一気にマスク不足になりました。
政府は国内メーカーに増産を依頼し、それは順調にいっていると菅官房長官は2月12日に明言しました。

マスクの品薄、来週以降に解消したい=官房長官
[東京 12日 ロイター] - 菅義偉官房長官は12日午後の会見で、品薄になっているマスクの供給に関し、できるだけ早い品薄解消に努めていると説明し、現在、想定している時期は来週以降であると述べた。

午前の会見で、毎週1億枚の供給を目指していると発言したことに関連し「生産・流通のきめ細かい状況の把握に努めている」とし、官民一体となって早期の品薄解消に向け対応していると語った。
https://jp.reuters.com/article/suga-mask-idJPKBN2060ST

しかし、マスク不足はまったく解消されませんでした。
転売目的で買い占める“転売ヤー”のせいだということで、批判が高まり、政令改正でマスク転売禁止の措置がとられました。
私は、不安から多めに買う人がいなくなれば、品薄はいずれ解消するものと思っていました。

ところが、菅官房長官の3月27日の会見を伝える次の記事を見て、考えが変わりました。

マスク供給、4月1億枚増加 品薄解消は「一定程度の時間」 新型コロナ
 新型コロナウイルスの感染拡大で品薄が続くマスクについて、菅義偉官房長官は27日の会見で、4月の国内供給量が現在の月6億枚から1億枚程度上積みできるとの見通しを示した。ただ、医療機関や介護施設などに優先的に提供していることもあり、店頭での品薄解消までには「一定程度の時間を要する」と述べた。
 マスクの国内供給量はもともと月4億枚だった。感染拡大後、政府は各メーカーに増産を要請し、生産ラインを増設する企業に補助金を出すなどして、3月は月6億枚に増えたと説明している。ただ、1月の1週間だけで9億枚が売れるなど、膨らんだ需要に供給が追いついていない。
(後略)
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14419947.html?pn=2

もともと月4億枚が消費されていたのですから、新型コロナウイルスで需要が急増した現在、月6億枚とか7億枚で足りるわけがありません。
一般社団法人日本衛生材料工業連合会のホームページにも年間50億枚程度が生産・輸入されていたことが示されています。

マスクの統計

マスクの需要は、おそらくコロナショック以前の3倍から4倍くらいになっているのではないでしょうか。
以前は、街を歩いている人でマスク着用の人は、1割か、多く見積もっても2割に届かなかったと思います。今は、8割とまではいかなくても7割ぐらいの人はマスク着用です。ずっと家にいる人や過疎地の人のことを考えても、最低でも3倍は必要だと思います。

ともかく、月6億枚とか7億枚では全然足りません。
すぐに品薄は解消するようなことを言っていた菅官房長官は、愚かすぎるか国民を欺こうとしたか、どちらかです。

政府はマスク不足を解消する努力をしていませんでした。
それは次の記事を見てもわかります。
スペイン、中国からマスク爆買い 人工呼吸器など含め計520億円
【パリ共同】スペイン政府は25日、新型コロナウイルスの大流行により国内で不足しているマスクや人工呼吸器など計4億3200万ユーロ(約520億円)分の医療用具を中国から購入する契約を結んだと発表した。

 感染が急拡大したスペインの死者はイタリアに次ぐ規模で、25日に死者が約3400人となり、中国の公式発表数を超えた。病院などでも必要な物品が不足し、医療従事者の感染も深刻化している。

 購入するのはマスク5億5千万枚、人工呼吸器950台、550万回分の迅速なウイルス検査キット、手袋1100万枚。今月から6月の間に全て納入されるという。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200326-00000030-kyodonews-int
スペインが中国からマスクを買えるなら、日本も買えたはずです。日本の官僚が仕事をしていないのです。

それから、台湾も日本と同じくマスク不足に陥りましたが、素早く対応して、今ではマスクを海外に送れるまでになりました。
台湾がマスク外交 人道支援で海外に1000万枚寄贈
【台北時事】台湾の蔡英文総統は1日、記者会見し、人道支援の一環として、新型コロナウイルスの感染が深刻な欧米など友好国の医療従事者向けにマスク計1000万枚を寄贈すると発表した。増産により台湾内で必要な量を確保しているほか、感染拡大も効果的に抑制しており、蔡氏は「今こそ国際社会に支援の手を差し伸べる時だ」と強調した。
 台湾は、「一つの中国」原則を主張する中国の圧力で、世界保健機関(WHO)から排除されている。マスク外交により、国際社会における台湾の存在感を内外に示し、台湾が目指すWHOへのオブザーバー参加など国際活動の拡大に向け、各国の支援を仰ぎたい考えだ。
 マスクは、米国に200万枚、イタリアやスペイン、フランスなど欧州11カ国に700万枚、外交関係のある友好国に100万枚をそれぞれ無償提供する。米国には今でも毎週10万枚を供与しているが、感染者が急増している実態を踏まえ、別途支給する。今後の情勢を鑑み、第2弾の国際支援も検討している。 
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020040100961&g=int
いまだにマスク不足の日本と、マスクの海外支援までできる台湾と、歴然たる差がつきました(日本は台湾からもマスクを買えたはずです)。

海外からマスクを買ったり、国内メーカーに増産を手配したりするのは、政治家ではなく官僚の仕事です。
官僚にまったくやる気がないとしか思えません。

これはマスク以外のことでも同じです。
最近、医療崩壊を防ぐために早く緊急事態宣言をするべきだという声がありますが、現時点で日本における新型コロナウイルス感染者の数は3000人程度です。こんな数で医療崩壊が起きるとしたら、医療体制が脆弱すぎます。
感染者用の病床を増やし、軽症者用の隔離施設をつくり、人工呼吸器などを手配するという当然のことがまったくできていないのです。
最近になってバタバタしている始末です。

安倍政権は人事権を握ることで官僚を支配してきましたが、仕事のできる官僚を取り立てるのではなく、政権に都合のよいことをする官僚を取り立ててきました。
その結果、官僚は官邸の顔色ばかりをうかがうようになりました。

官僚が出世しようと思えば、政権の支持率を上げるような政策を出すことです。
布マスク2枚の全世帯配布はまさにそれです。

ただ、あまりにも露骨でした。
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なだけに、こんなときにも人気取りに走る安倍政権に、さすがの国民もあきれたというわけです。

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東京オリンピック延期が3月24日に決定されたとたんに、東京での新型コロナウイルスの感染者数が急増しました。やはり誰かがコントロールしているのでしょうか。

とはいえ、まだまだ日本人の危機意識は少ないようです。
その代表格が安倍首相夫妻です。
昭恵夫人が3月末に都内で私的“桜を見る会”を楽しんでいたと「NEWSポストセブン」が報じました。

安倍昭恵氏、花見自粛要請の中で私的「桜を見る会」していた
 満開を迎えようという桜、そして笑顔の男女──その中心にいるのは、安倍首相の妻・昭恵夫人だ。森友学園問題をめぐり自殺した近畿財務局職員の手記が報じられ、疑惑が改めて注目される中、渦中の昭恵夫人は私的な“桜を見る会”を楽しんでいた。
 3月下旬の都内某所、ライトアップされた桜をバックに肩を寄せ合う13人。その中心に写っているのが昭恵夫人だ。写真を見た、参加者の知人はこう話す。
「この日の参加者は、昭恵さんと以前から交流があった人が中心だそうです。写真で昭恵夫人の隣にいるのは人気モデルの藤井リナさん。藤井さんは2014年にYouTubeで昭恵さんと対談するなど、もともと交友があったようです。他にもアイドルグループ・NEWSの手越祐也さんや音楽プロデューサーなど芸能関係者の姿もありました」
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小池百合子・東京都知事が花見の宴会などの自粛を要請する中、この写真を世論はどう受け止めるだろうか。
(後略)
https://www.news-postseven.com/archives/20200326_1550908.html/2

昭恵夫人は、森友問題から「桜を見る会」問題まで、世の中を引っかき回してきましたが、今も同じです。

昭恵夫人はそういう人だとして、問題は安倍首相です。危機意識がまったくないのです。
3月27日の参院予算委で立憲民主党の杉尾秀哉議員にこの問題を質問されると、安倍首相は「レストランで知人と会合を持った際に、レストランの敷地内の桜の下で撮っている」と主張し、「東京都が自粛を求めている公園での花見のような宴会を行なったという事実はない」「レストランに行ってはいけないのか」などと反論しました。

詭弁を弄して自己正当化をはかるのはいつものことですが、最大の問題は、安倍首相が感染のメカニズムをまったく理解していないことです。
問題は花見か否かではありません。
レストランで13人も集まって会食したら、密閉、密集、密接という三つの「密」を犯して、感染リスクを高めることになるからよくないのです。

昭恵夫人が感染したら安倍首相も感染する可能性が大です。
安倍首相としては、自分が感染するのは国家安全保障上の大問題ですから、昭恵夫人に向かって、そんな危ないことはやめろと言うのが当然です。


感染に対する危機感のなさは、安倍政権に一貫しているものです。安倍首相だけでなく、加藤厚労相や菅官房長官の言動にも危機感はありませんし、自民党議員全体もそうです。自民党の打ち出した経済対策は「お肉券」や「お魚券」といったものです。

一度だけ危機感がありそうに思えたのは、安倍首相が2月29日に全国の小中高の一斉休校を打ち出したときです。
しかし、一斉休校にするのは、学校を通じて感染が拡大するのを防止するためのはずですが、安倍首相は記者会見でまるで「子どものため」であるかのように言いました。

 学校が休みとなることで、親御さんには御負担をおかけいたします。とりわけ、小さなお子さんをお持ちの御家庭の皆さんには、本当に大変な御負担をおかけすることとなります。それでもなお、何よりも子供たちの健康、安全を第一に、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まる、そして、同じ空間を共にすることによる感染リスクに備えなければならない。どうか御理解をいただきますようにお願いいたします。
 万が一にも、学校において子供たちへの集団感染のような事態を起こしてはならない。そうした思いの下に、今回の急な対応に全力を尽くしてくださっている自治体や教育現場の皆さんにも感謝申し上げます。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0229kaiken.html
安倍首相はこのときから感染のメカニズムがわかっていませんでした。
そのため、感染者のいない県にまで一斉休校を要請し、一方で学童保育施設で子どもたちが“濃厚接触”するというおかしなことになりました。

これはまずいやり方だったので、安倍首相は3月20日に休校要請は延長しないことを表明し、4月の新学期は平常通りになる見通しですが、感染者が急増して東京都が週末の外出自粛要請しているのとちぐはぐな動きになりました。


ところで、ドイツのメルケル首相は3月18日、きびしいウイルス対策をとることについて国民の理解を求めるための演説をしましたが、こちらは安倍首相とは対照的です。
その演説から一部だけ引用します。

ウィルス学者の助言は明確です。握手はもうしない、頻繁によく手を洗う、最低でも1.5メートル人との距離を取る、特にお年寄りは感染の危険性が高いのでほとんど接触しないのがベスト、ということです。
こうした要求がどれだけ難しいことか私は承知しています。緊急事態の時こそお互いに近くにいたいと思うものです。私たちは好意を身体的な近さやスキンシップとして理解しています。けれども、残念ながら現在はその逆が正しいのです。これはみんなが本当に理解しなければなりません。今は、距離だけが思いやりの表現なのです。
よかれと思ってする訪問や、不必要な旅行、こうしたことすべてが感染拡大を意味することがあるため、現在は本当に控えるべきです。専門家がこう言うのには理由があります。おじいちゃんおばあちゃんと孫は今一緒にいてはいけない、と。
不必要な接触を避けることで、病院で日々増え続ける感染者の世話をしているすべての方々を助けることになります。こうして命を救うのです。
https://www.mikako-deutschservice.com/post/コロナウイルス対策についてのメルケル独首相の演説全文

メルケル首相は感染のメカニズムを理解した上で、危機感を持って国民に呼びかけています。
比較すると、安倍首相の認識がまったくだめなことがわかります。

なお、日本では若者の行動抑制を求めていますが、ドイツでは年寄りと接触しないよう求めていて、目的が明快です。


今はウイルスが相手の戦いですから、科学的で合理的なやり方をしなければなりませんが、安倍首相の頭には精神主義ばかりが詰まっていて、科学的とか合理的ということを理解できないのかもしれません。

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