松本人志氏の性加害に関する文春砲の第二弾は、「三人の女性が新証言」「恐怖のスイートルームは大阪、福岡でも」という見出しで、C子さん、D子さん、E子さんの3人がそれぞれに体験したことを語りました。
3人とも松本氏の後輩芸人に誘われ、飲み会に行ったりしたあと、最終的に高級ホテルの一室に誘われました。すると、そこに松本氏がいます。
C子さんは自分が松本氏とセックスをします。
D子さんは松本氏と二人きりになるのを拒み、D子さんの友人が部屋に残りました。
E子さんも松本氏と二人になるのを拒み、結局友人が松本氏に“献上”され、エッチをしたとあとで友人から聞きました。
3人の女性が松本氏とセックスをしたと見られますが、どれも「合意」の上のことですから、文春砲第二弾は拍子抜けです。
ですから、今のところ松本氏にとって問題なのは、文春砲第一弾のA子さんとB子さんのケースだけです。これは性行為の「強要」があったとされるので、深刻です。
とはいえ、刑事事件にはなりそうにないので、松本氏がすぐに反省の態度を示して謝罪すれば、大きな問題にはならなかったでしょう。
ところが、松本氏は「事実無根」と言ったために、A子さんは怒って「今後、裁判になったとしたら証言台で自分の身に起きたことをきちんと説明したいと考えています」と今回の文春の記事の中で言っています。
今後の裁判というのは、性行為の「強要」があったか、それとも「合意」があったかということが争点になると思われるので、A子さんが毅然とした態度で証言すると松本氏は苦しくなります。
ただ、謝罪会見というのはむずかしいものです。
これまで企業や個人が数々の謝罪会見を行ってきましたが、謝罪のしかたによってはかえって炎上します。
松本氏の場合、性格的に「真摯に謝罪する」ということができません。これまでそんな場面を一度も見たことがありませんし、真摯になるべき場面でも必ず笑いを入れてごまかしてきました。
しかも、この場合は女性に対して謝罪するわけです。
松本氏は女性を見下してきた人ですから(とくに性的な場面で)、「女性に対して真摯に謝罪する」というのは、松本氏においては不可能の上に不可能を積み重ねた行為です。
本来なら吉本興業が松本氏に謝罪会見をさせるところですが、吉本興業と謝罪会見というと、闇営業問題で宮迫博之氏と田村亮氏が真摯な会見をしたことが思い出されます。
そして、吉本の岡本明彦社長はなんと5時間半にも及ぶグダグダの会見をして、世の中をあきれさせました。
ただ、そのときに岡本社長は宮迫氏と田村氏の処分を撤回すると発表しましたが、宮迫氏はいまだにテレビに出られず、田村氏もほとんど“干された”状態になっています。
真摯な謝罪会見をした宮迫氏と田村氏が日陰に追いやられ、グダグダの会見をした岡本社長は今も芸能界の支配的立場にあります。
吉本興業がテレビ局に対して圧倒的な力を持っているのは旧ジャニーズ事務所と同じです。
これを機会に吉本興業のあり方も正常化してほしいものです。
今後行われる裁判で松本氏が勝訴しても、松本氏が今まで通り活躍できるようになるかというと、そうはいかないでしょう。
文春のふたつの記事は新たな問題をあぶり出しました。
文春の記事によると、松本氏はしょっちゅう女性との飲み会をして、その中から一人の女性を選んでセックスをしていることになります。
既婚者の身でそういうことをしているのを不愉快に思う人が多いでしょう。
そして、毎回違う女性を選んでいるのも不愉快に思う人が多いでしょう。
浮気や不倫は多少なりとも恋愛の要素がありますが、松本氏の場合は女性を性の対象としてしか見ていません。
それから、飲み会に女性を集めるのを後輩芸人にやらせ、セックスの対象に選んだ女性を口説くのも後輩芸人にやらせています。
文春が「SEX上納システム」と書いたのはそういうことです。
女性を集め、口説くといういちばんむずかしいところを後輩にやらせ、自分はおいしいところだけいただくというやり方です。
まるで大奥で女性を選んだ将軍です。
「SEX上納システム」は後輩芸人の働きによって成り立っています。
今回の記事には、福岡ではパンクブーブーの黒瀬純氏とその後輩芸人、大阪ではクロスバー直撃の渡邊センス氏とたむらけんじ氏がその役割をしていたと書かれています。前回の記事では小沢一敬氏でした。
ほかにもいっぱいいそうです。というのは、「人志松本のすべらない話」に出演した博多大吉氏も、女性を集めて松本氏を接待したという話をしているのです。
YouTubeからその話を要約して紹介します。
「ぼくら福岡で先輩芸人がこられたときにおいしいお店に連れていったり、女性をセッティングしたりというのを15年ぐらいやってたんです。十何年前、松本さんが初めて福岡にこられたとき、今田さんらと5人ぐらいでくると。で、わかってるかと、ちゃんと女の子を用意するようにと。正直言って、人気のない先輩だと女の子はあんまり集まらないんですけど、松本さんなら余裕で集まると思ってたんです。しかし、女の子に声をかけると、松本軍団が全国を飲み歩いているというのがへんな感じで伝わっていて、みんな飲み会は行きたくないと。なぜならなにされるかわからないと。いただける笑いよりも、のちに与えられる暴力のほうが上回るだろうと。前日か前々日に、飲み会に行ってもいいよという女の子は一人だったんです」
このあと、多方面に声をかけまくったら50人の女の子が集まって、飲み会の費用が33万6000円になり、松本氏の顔が青くなったというオチになります。
この話には「SEX上納」は出てきませんが、「いただける笑いよりも、のちに与えられる暴力のほうが上回る」という言葉は重いものがあります。
たむらけんじ氏は飲み会のあったことは認めていますし、LINEが流出したことで小沢氏の飲み会があったことも確かです。「SEX上納」の部分については女性の証言だけですが、松本氏の過去の行状などからもあったことは間違いないでしょう。
後輩芸人は、松本氏のために女性を集め、松本氏とセックスするかどうかまで確かめているわけで、こんなことはしたくないに決まっています。
松本氏が権力を持っているから、後輩はしかたなくしているのです。後輩にすればパワハラです。
いずれ後輩からパワハラを告発する声が上がっても不思議ではありません。
私は性加害の問題が発覚する以前から、松本氏の人間性を嫌っていました。
松本氏は体罰賛成論者で、テレビで何度も体罰賛成論を述べていました。
橋下徹氏も昔は体罰賛成論を盛んに主張していましたが、時代の流れを読んで、あるときから体罰否定論に転換しました。
しかし、松本氏は2017年にトランペット奏者の日野皓正氏が男子中学生にビンタするという事件があったときも体罰賛成論を言っていたので、おそらくテレビで最後まで体罰賛成論を言った人間です。
また、松本氏は赤ん坊や母親にもきびしいことを言ってきました。
かつてツイッターに「新幹線で子供がうるさい。。。子供に罪はなし。親のおろおろ感なしに罪あり。。。」と投稿したことがあります。つまり泣いた赤ん坊の親を責めたのです。
また、やはり新幹線の車中で、母親が1歳未満の赤ん坊に話しかけているのがよほど気にさわったらしく、「2時間半もずーっとしゃべってんねん、まだしゃべれん子に」と言い、それで赤ん坊が言葉を覚えると指摘されると、「家でやったらええやん。新幹線はそういう場所じゃないやん」と主張を曲げませんでした。
子どもや赤ん坊や母親にきびしいということは、要するに弱い者にきびしいということです。
松本氏の笑いは弱者をバカにしていて、学校でのいじめにつながっているという批判が前からありましたが、もっともなことです。
女性をとっかえひっかえして性欲のはけ口にし、後輩芸人を女性調達係として使い倒すというのは、人として許されません。
松本氏がそんな人間だとわかったら、裁判がどうなろうと、もう笑えないのではないでしょうか。
かつてツイッターに「新幹線で子供がうるさい。。。子供に罪はなし。親のおろおろ感なしに罪あり。。。」と投稿したことがあります。つまり泣いた赤ん坊の親を責めたのです。
また、やはり新幹線の車中で、母親が1歳未満の赤ん坊に話しかけているのがよほど気にさわったらしく、「2時間半もずーっとしゃべってんねん、まだしゃべれん子に」と言い、それで赤ん坊が言葉を覚えると指摘されると、「家でやったらええやん。新幹線はそういう場所じゃないやん」と主張を曲げませんでした。
子どもや赤ん坊や母親にきびしいということは、要するに弱い者にきびしいということです。
松本氏の笑いは弱者をバカにしていて、学校でのいじめにつながっているという批判が前からありましたが、もっともなことです。
女性をとっかえひっかえして性欲のはけ口にし、後輩芸人を女性調達係として使い倒すというのは、人として許されません。
松本氏がそんな人間だとわかったら、裁判がどうなろうと、もう笑えないのではないでしょうか。