辺野古の埋め立て工事中止をホワイトハウスに請願するインターネット署名の呼びかけがりゅうちぇるさん、ローラさんらによって行われました。
30日以内に署名が10万人を越えるとアメリカ政府が検討することになっていますが、現在すでに16万人を越えています(期限は1月5日ごろまで)。著名な芸能人が呼びかけた効果です。
署名は次のサイト。
We the people
Stop thelandfill of Henoko / Oura Bay until a referendum can be held in Okinawa
辺野古埋め立て賛成派は、とりわけローラさんを批判しています。
TBSの「サンデー・ジャポン」において、コメンテーターの西川史子さんはローラさんについて、「辺野古に関してなにも解決策を言っていない」「もっと勉強して、ちゃんと言うべきですよ」とかなり激しい口調で語ったということです。
ローラさんが勉強してないと思うなら、自分が勉強した結果をコメントするべきで、それがコメンテーターの役割です。
同じ番組でデーブ・スペクター氏はローラさんについて、「どこに住んでいるのかわからない、何になりたいのかわからない。結局仕事はCMタレント」と辺野古問題と関係ない発言をしたあと、「じゃあ代案はどうなの」と批判しました。
「勉強してない」「代案がない」というのは、批判のための批判です。
西川さんの発言を聞いて、私は「マウンティング女子」という言葉を思い出しました。
自分はインテリのコメンテーターで、ローラさんはおバカなタレントという位置づけだったはずなのに、ローラさんが政治的な発言をして、それが注目されているため、「私のほうが上よ」というマウンティング発言をしてしまったのでしょう。
デーブ氏も「若い女性が政治的発言をする」という現実が受け入れられないものと思われます。
西川さんの場合は、「この小娘が」という序列意識、デーブさんの場合は、「女の子が」という性差別意識もあるでしょう。
沖縄の基地問題についてはいろいろな人が発言していますが、ローラさんは若くてバックもないということで批判されたわけです。
結局、弱い者いじめです。
反対にアメリカは日本にとって強者です。強者は批判しにくいものです。
辺野古を初めとする沖縄の基地問題も、アメリカのゴリ押しに日本政府が屈しているわけですが、アメリカを批判しないために問題の本質が見えてきません。そのため結局、弱い沖縄が犠牲になるわけです。
最初に戻って、辺野古の埋め立て工事中止をホワイトハウスに請願するインターネット署名ですが、案外うまくいく可能性があるのではないでしょうか。
トランプ大統領は米軍のシリア撤退を決め、さらにアフガンの米軍を半減させる方針です。
トランプ大統領は米韓合同軍事演習にも消極的ですし、在韓米軍の存在価値にも疑問を呈しています。
在日米軍の存在価値にも疑問を持っているはずです。
海外に米軍を駐留させている経費をむだと見なすのは、トランプ大統領の基本的な考え方です。これまで周りの反対が強くてできなかったのですが、中間選挙が終わって、本格的に駐留米軍の削減をやり始めたようです。
ただ、シリア撤退にはアメリカ国内でも反対の声が強く、トランプ大統領はそれが不満なようです。
朝日新聞の『シリア撤退でトルコと協議、トランプ氏「生産的だった」』という記事から一部を引用します。
米軍撤退をめぐっては、ISが再起する懸念や、ロシアやイランの影響力が増すとして、欧州の同盟国から批判が出ている。米政権内でも異論が根強く、撤退に反対したマティス国防長官が辞任を表明するにまで至っている。
トランプ氏は22日、撤退を決めたのが自分以外なら「その人物は米国で最も人気のあるヒーローになるだろう」とツイッターで主張。「私だと、フェイク(偽)ニュース・メディアは激しく攻撃してくる。狂っている!」と不満をあらわにした。(ワシントン=杉山正)
駐留米軍を削減したいトランプ大統領ですから、辺野古の埋め立て工事中止を決断してもおかしくありません。
これは環境問題でもあるので、アメリカ国内でも歓迎され、日本国民からも歓迎されます。
ただ、辺野古の新基地建設はすべて日本政府の負担ですから、アメリカにとって経費節減にはなりませんが、日米両国民から歓迎される決定は、トランプ大統領にとっても魅力的なはずです。
強い者にこび、弱い者をいじめるというのは、みにくい人間の典型です。
強い者と戦うことはできなくても、知恵を使って強い者を動かすことはできていいはずです。