村田基の逆転日記

親子関係から国際関係までを把握する統一理論がここに

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ジャニーズ事務所は10月2日、性加害問題への対応について2回目の記者会見を行いましたが、NG記者リストの存在が明らかとなって、事態は反転しました。

記者会見直後は、指名されないことに不満を言う記者や、指名されないのに発言する記者がいるなど記者のマナーの悪さが指摘され、井ノ原快彦副社長が「落ち着きましょうよ。子どもたちも見ています」などと言って記者たちをいさめたときには会場から拍手が起きるなど、「一部の記者が悪、ジャニーズ事務所が正義」みたいな図式でした。
ところが、NG記者リストがあるとなると、指名されなくて不満を言った記者のほうが正義ということになり、オセロゲームのようにすべてがひっくり返りました。
さらに、ジャニーズ事務所は指名OKの記者リストをつくっていたことも判明しました。
つまりジャニーズ事務所に批判的な記者は指名しない一方、ジャニーズ事務所に都合のいいことを言いそうな記者を指名して、記者会見をしゃんしゃん大会ならぬ“しゃんしゃん記者会見”にするつもりだったようなのです。

おそらく官房長官や首相の記者会見で指名される記者も質問内容も最初から決まっているのを見て、真似したのでしょう。


私は念のためにYouTubeで約2時間の記者会見をすべて見てみました。

司会者は記者を指名するとき、決まって20秒から30秒ぐらい時間をかけます。勢いよく手を挙げた、いちばん目立つ記者を指名すれば時間はかからないはずです。NGリストとOKリストの顔写真と、手を挙げている記者の顔を脳内で照合しているから、指名するのに時間がかかるのでしょう。

それから、井ノ原副社長が「落ち着きましょうよ。子どもも見ています」と言った場面をニュース番組で見て、会場が騒然としたから、それを収めるために井ノ原副社長がそう言ったのかと思っていましたが、実際は多少騒然としたときがあって、それが収まったタイミングで言っていました。
つまり必ずしも言う必要はない場面でした。
実は井ノ原副社長は質疑応答が始まって25分ほどしたところでも、「落ち着きましょう。落ち着きましょう」と言っていました。
どうやら井ノ原副社長はそういう役回りをすると最初から決まっていたようです。

最初はNG記者を指名しないことでしゃんしゃん会見にするつもりだったかもしれませんが、指名されない記者が騒ぐに違いないと思い直して、「騒ぐ記者対冷静なジャニーズ経営陣」という図式を描く作戦にしたのでしょう。

NG記者リストに入っていた鈴木エイト氏がX(旧ツイッター)に次のような投稿をして、その手口の一端をあばいています。

鈴木エイト ジャーナリスト/作家
ジャニーズ事務所会見当日、私が抱いた最も大きな違和感は”客席”上手側の後ろの方に座っていた男性の存在とその言動だ。大柄なこの男性は質疑応答の際も手を挙げることなく、NGリストの記者が質問者指名選別に異論を唱えていた時、被せるように「捌けよ、司会がぁ!」「司会がちゃんと回せよ!」などと罵声を浴びせていた。私の直感だが、この男性はメディア関係者ではない。各報道において「指名されない記者からの不満の声が~」「加熱する記者に~」というイントロダクションでこの怒号が流れるのは当日の会見場で起こっていたこととは反する。本日の日本テレビの報道では『ジャニーズがコンサル会社に相談「会見が荒れないように手立てを考えて」』とあった。敢えて主催者側が場を荒れさせ、それを“回収”していた疑惑も浮上する。この男性の人物特定が“謎”解明のポイントになるのではないか

ジャニーズ事務所は「騒ぐ記者」まで仕込んでいたようです。
これはかなり悪質です。
これが事実と認定されれば、ジャニーズ事務所の名誉回復は困難です。


ジャニーズ事務所がちゃんと反省していれば、記者会見でなにを質問されても対応できるはずです。
NG記者リストをつくるのは、なにかやましいところがあるからです。

記者会見を聞いていると、いろいろお粗末なところがありました。たとえば被害者への補償のやり方が具体的にはまったく決まっていないようでした。質問したのがきびしい記者でなくて幸いでした。
しかし、その程度のことなら、批判されても低姿勢で切り抜けられるでしょう。

ジャニーズ事務所がいちばん追及されたくないことはなにかと考えると、ジャニー喜多川氏の性加害を東山紀之社長以下の新しい経営陣が知らなかったはずはないだろうということです。このことはこれまで一応否定されてきましたが、あいまいでした。

ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」の調査報告書によると、「ジャニー氏の性加害は、1950年代から2010年代半ばまでの間にほぼ万遍なく認められた」とされ、その間の被害者の数は「少なく見積もっても数百人がいるという複数の証言が得られた」ということです。

被害者が多数であれば、そのことは隠しようがないはずです。
文春オンラインの記事がその状況を描いています。

 ジュニア時代は豊川誕やJOHNNY'S ジュニア・スペシャルなどのバックダンサーを務めていたという杉浦氏。朝早い番組収録がある日には、麻布十番にあったジャニー氏の自宅兼合宿所のマンション「ドミ麻布」に泊まりに行っていた。150平米ほどの広さで、デビューしたタレントの部屋に加えて、大勢のジュニアが雑魚寝する部屋があった。

 杉浦氏はそこで被害に遭った。

「(雑魚寝部屋で寝ていると)大好きな麻雀を終えたジャニーさんが夜中に帰ってくる。そしてみんなが寝ている場所にやってくる。まず真ん中に入ってきて、そこから右に行くか、左に行くかはわからない。真ん中は基本的に(何も知らない)新しい奴。俺は(被害に遭わないように)端っこで壁にへばりついていました。それでも普通に(パンツの中に)手をいれてくる」(杉浦氏)
(中略)
「『トイレ行ってきます』と言って、朝まで出てこない奴もいました。ジャニーさんがいるから怖くて戻って来られない。そいつはその後すぐ辞めていました」(同前)

 ジュニアたちは皆、ジャニー氏の性加害を怖れていた。しかし、我慢してやり過ごしていたという。

「ジャニーさんに嫌われたら、その先がない。そう考えたら、もうそれしかないわけです。ジャニーさんのやりたいようにやらせるしかない。だって、みんなデビューして名を馳せたいんです。だから逆らえない。一切逆らえない。実力社会じゃなく、やっぱりそこはおかしいよね」(同前)

ジュニアのほとんどは性被害にあっていたようです。

このあたりのことは東京新聞がいくつもの記事を「【ジャニーズ性加害問題まとめ】元Jr.ら、次々と勇気ある告白…社名変更、廃業へ」というサイトでまとめています。

性被害にあわなかった人でも、仲間が性被害にあっていたことはわからないはずはありません。
そうすると、今活躍しているジャニーズ事務所のほとんどのタレントは、ジャニー氏による性加害の被害者か、そうでなくてもジャニー氏による性加害が事務所内で広く行われていたことを知っている人です。

もちろん東山社長や井ノ原副社長も例外ではありません。
そのことをはっきりさせなければ再出発もないはずです。

記者会見でそのことをずばり質問した記者がいました。
NG記者リストに入っていた佐藤章氏です。どうやら司会者が間違って指名してしまったようです。
佐藤氏は、東山社長はジャニー氏の性加害を知っていたのではないか、カウアン・オカモト氏が当時合宿所にいた100人から200人のほぼ全員が被害にあったと証言しているので知らないはずはない、知っていて防止策を講じなかったなら児童福祉法違反の共犯や幇助犯になるのではないかと追及しました。
東山社長は知らなかったと言いましたが、「当時は16,7歳だったので、性加害について理解するのがむずかしかった」とも言ったので、かなり微妙です。
なお、木目田裕弁護士は、東山社長が性加害をかりに知っていたとしても共犯や幇助犯にはならないと言いました。

こういう本質をつく質問をする記者がいるので、ジャニーズ事務所はNG記者リストをつくったのでしょう。


東山社長は社長という立場なのでこのような追及を受けましたが、本来は被害者なので(被害を受けていればですが)、同情されていいはずです。
問題は、経営には関わらない多数の所属タレントたちです。
再発防止特別チームの報告書や被害者の証言からすると、タレントのほとんどは性被害を受けているはずです(本人は被害を受けていなくても、DVを身近に目撃するだけで面前DVとされるように、身近な人間が性被害を受けているのを知っただけで被害者と見なすことができます)。

つまり東山社長以下、多数の所属タレントが性加害の被害者であるにもかかわらずそのことをごまかしていることこそ、ジャニーズ事務所がかかえる最大の問題です。


おそらくファンたちも、自分の“推し”が被害者かもしれないと思って、もやもやした気持ちをかかえているはずです。
日本全国で大量のタレントとファンの関係がおかしなことになっているのです。
この関係を正常化することが、被害者補償の次になされるべきことです。

まず東山社長、井ノ原副社長が自分自身の性被害を告白するべきです。もし自分が被害にあっていなければ、周りの人たちの被害について語るべきです。
それから元SMAPのメンバーあたりが告白すれば、若い人たちも告白しやすくなるでしょう(森且行氏がSMAPを抜けたのもジャニー氏の性加害が関係しているに違いありません)。
芸能活動を続けるにはジャニー氏の性加害を受け入れるしかなかったので、そのことは決して批判されることではありません。
告白すればトラウマの解消にも役立ちます。


みんなが告白すれば、ジャニー氏がとんでもない異常性癖を持った人間だということが明らかになり、ジャニーズ事務所についての見方も変わるでしょう。
ジャニーズ帝国が解体して消滅すれば、それは好ましいことです。

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6月23日の記者会見

ジャニーズ事務所所属でNEWSの手越祐也氏(32歳)が記者会見し、事務所を退所して独立したことを発表しましたが、それを報じるマスコミがやたら手越氏に批判的です。
まるで手越氏が不祥事を起こして謝罪の記者会見をしたみたいです。

私はこれまで手越氏のことはほとんど知りませんでしたが、記者会見の様子を見て、とにかくよくしゃべる人で、よく行動する人だなと思いました。人脈も豊富なようです(昭恵夫人の私的「桜を見る会」にも参加していました)。
ウィキペディアの「手越祐也」の項目によると、「地球でトップ3に入るぐらいポジティブ」というのがほとんどキャッチフレーズとなっているそうです。
こういう人が軽薄に見えるのはしかたがありません。考えは浅くても、行動力で補うタイプです。

手越氏に不祥事がなかったわけではありません。今年4月、緊急事態宣言下で外出自粛要請中に女性らとパーティをしていたと報じられました。
手越氏は女性らと会食したことは認めましたが、「自分にとっては不要不急ではなかった」として、いろいろ弁明の言葉を述べました。この弁明が嘘くさかったということはあります。

それから、その弁明のときに「コロナウイルスをうつされても面倒くさいので」と言ったことにも非難が集中しました。
しかし、これも「面倒くさい」という言葉尻をとらえた非難です。私などは、若い人の中にはこういう感覚の人がいるのだなあと、視野が広がった気がしました。
新型コロナウイルスに対する感覚は、年寄りと若い人でぜんぜん違います。手越氏のように若くて元気な人が「面倒くさい」ととらえるのは当然です。マスコミはこういう感覚をこれまで排除してきたことを反省しないといけません。

手越氏は自粛要請に従わなかったと批判されていますが、自粛のやり方というのは各自が判断することです。
手越氏に対してはマスコミが「自粛警察」になっています。


それから、手越氏は事務所を辞めるいきさつについてほんとうのことを言っていないのではないかと非難されています。
手越氏は記者会見では「円満退所」を主張したようですが、記者会見に弁護士を同席させていましたし、事務所を辞める交渉にも弁護士が関わっていましたから、それほど「円満」であるわけがありません。

会見の冒頭で手越氏はこのように語っています。


僕はいまだにジャニーズ事務所、そしてNEWS、そしてファンのことは、心から大好きです。メンバーとの間にトラブルがあったことは1ミリもございませんし、もっと言うとジャニーズ事務所との間に大きなトラブルがあったということもありません。


「トラブルがあったことは1ミリもございません」と「大きなトラブルがあったということもありません」と、表現に差をつけています。
つまり事務所とは「大きくないトラブルはあった」ということです。

マスコミはこうした発言をスルーしています。

ほんとうに手越氏は事務所とのトラブルについて語っていないのか、改めて記者会見を詳しく見てみることにしました。




幸い会見の全文起こしのサイトがあったので、引用はそこからすることにします。

手越祐也 ジャニーズ退所会見【全文(1)】「トラブルは1ミリもなかった。早く自分の口で真実を伝えたかった」


会見の言葉から、事務所とのトラブルを示すような言葉を全部拾ってみました。

 で、ジャニーズ事務所というのは本当にファンを大事にする事務所なので、ファンクラブだったりとか、いまだにインターネットっていうところへあまりアクセスをしない、既存のファンだったりファンクラブだったりを大切にするっていうやり方をずっとやっているので、僕は先に新しいメディアだったりとか、これから来るであろう、まあこのコロナウイルスが来たからこそ世界の在り方が僕は変わると思っていて、変化しなきゃいけないタイミングが来てしまったと。

ちょっとわかりにくいですが、事務所はインターネットにあまりアクセスしていないが、自分は変化しなきゃいけないタイミングがきたのだと言って、そこに違いがあったことを明らかにしています。
ちなみにジャニーズ事務所は所属タレントが個人でSNSのアカウントを使って発信することを許可していません(今のところ唯一の例外は山下智久氏です)。

「円満退所」という言葉を使っているのは、次のところです。

 で、その中で双方の弁護士がやり取りをして、いろんな決めなければいけない事項とかもあるので、そういうものをやり取りして、6月19日付で、ジャニーズ事務所との、関係を円満退所ということで6月19日をもって私・手越祐也はジャニーズ事務所と契約が解除、円満退所という形になったというのが、ここまでの真実であり、

あくまで「円満退所という形になった」という表現です。

質疑応答になってから、「社長に会えなかった」ということを話します。


――メンバーは退所を納得している?

 3月にメンバーに話をして、その前に、ジャニーズ事務所のチーフマネージャーと、その上のテレビとかを仕切っている方には伝えてあったんですね。そのあとにメンバーに伝えました。

 で、次は、ジャニーズ事務所の現社長の(藤島)ジュリー(景子)さんに話をしにいくと。で、そこでの反応を見て。ジュリーさんにも色々考えられることってあると思いますので、話をして、そこできっとある程度、NEWSはどうするのかだったりとか、ジャニーズ事務所からの退所日も含めてどうするのかっていう返答があるんじゃないかと。でその後に、また返ってきたボールを持ってメンバーやレコード会社との会議に行くんだろうなと僕は思ってたんですけど、コロナウイルスの影響もあって事務所内でバタバタしたというのもあって、社長との話し合いがかなわなかったんです。

 で、かなわない中で、世間が言うステイホーム破り、手越キャバクラという報道をみて、その直後から、弁護士を入れての話し合いになってしまったので、そこから先メンバーに話せなくなってしまったんですね。もっとスムーズに社長に話に行けて、そこからリターンがあって、この先メンバーともさらに話し合いを深めていく、というふうになっていれば、たぶん3月末とか4月頭の段階ではメンバーともいろいろ話せたと思うんですけど、なかなかその事務所のお偉いさんクラスの後に、社長との話し合いになれなかったんですよ。

ほぼ同じことをもう一度言っています。


(自分にとってNEWSは)実家みたいなところだと思っていたので、メンバーとはさらに話し合いを続けていこうとは思っていたのですけれども、そのメンバーでの話し合いの中で、次に社長のところに話に行くというのはメンバーにも伝えていましたし、メンバーもきっと早く社長と話した方がいいんじゃないかっていうふうなことで一致していたので、チーフマネージャーだったり事務所の方には、早く社長に会わせてほしいと。早く話し合いがしたいって言ってたんですけれど。それがなかなか、かなわなかったんですよね。そのままずるずるいってしまったというのが今回のこの現状ですね。


社長が会わなかったのは事務所側の判断で、それがいいとも悪いとも言えませんが、手越氏はかなり不満だったようです。

滝沢秀明副社長についても語っています。

――辞める時に、副社長の滝沢さんともお話ししていない?

手越:はい。

――それに関してどう思うか。

手越:もちろん、本音を言っちゃうとショックだなというのはあります。こだわりを持ってジャニーズ事務所に、破天荒だけどもいたつもりだし。会ってほしかったというのが本音ではありますけれども。

事務所に対する不満も具体的に語っています。

――ここまでの話を聞いていると、ジャニーズ事務所が好きで、NEWSも好き、ファンも好き。そして今後やりたいことは引き続き歌って踊ってステージに立ち続けたい。なぜ事務所を辞めなければいけないのかがわからない。

手越:先ほど話した夢のなかにもいろいろあったと思うんですけど、自分がまずメディアを持つ。僕が独立した後に目標に掲げているのが、影響力を最大化するというところが一つなんですね。今の時代において、SNSというのは影響力や発信力において切っても切り離せないと思っていて。でもジャニーズ事務所にはジャニーズ事務所のやり方があると思うので、やはり影響力をこれ以上持つためには、個人でいろいろなところに出て行って、勝負していって、いろいろなところに手越祐也という名前を刻んでいくしかないなという思いが一つ。  

 たとえば僕とつながりのあるミュージシャンの方々から、名前を出すと角が立つのであれですけど、日本の音楽を引っ張ってきた方々なんですけど、(彼らから)「僕らのフェスに出てほしい」とか、「ライブに出てほしい」とか、その時は手越祐也でゲストももらったし、「テゴマス」でゲストももらったんですけど、そういったときに、NEWSのライブがホームだとしたら、フェスとかってどちらかというとアウェー戦になるじゃないですか。アウェー戦で僕らのパフォーマンスをみてもらったほうが、NEWSに還元できるなというのが僕の思い。

 なので、そういうセッションだったり活動をたくさんして、NEWSに持ち帰れたらいいかなというので、当時のマネージャーに「こういうオファーをいただいたんですけどどうですか?」って言ったら、断ってしまったんですよね。超有名ミュージシャンからのオファーだったんですけど。ジャニーズ事務所って、自分の事務所のファンだったりとか、ジャニーズファミリーを大事にするので、飛び出した人とのコラボとか、僕はX JAPANに憧れていたのでToshiさんとはラジオでコラボさせてもらったんですけど、コラボとか、自分の頭のなかにあるファンとのディナーショーだったり、ファンミーティングというのは、全部通らなかったんですよ。全てにおいて。

 最近この4、5年で僕が個人で持ってきた仕事だったり、NEWSで持ってきた仕事っていうのも、わりと僕がプライベートの人脈で仲良くなったところから、「せっかくだから手越とやりたいから」というので僕が事務所のマネージャーとつないで、そこで決まってきた仕事っていうのが本当に多くて。っていうのもあって、でもやっぱりジャニーズって巨大な日本ナンバーワンの事務所なので、「これはマイナスがあるんじゃないか」というのを細かく精査するじゃないですか。そのなかで僕はスピード感を大事にしたい人なので。「やりたい」と思ったらやりたい、「欲しい」っていうものは欲しいという性格なので、なかなかもっていったものが具現化されてファンに届くというのが10カ月、1年かかっちゃっていたんですよね。

 というのもあって、僕のアイドル人生の1年って、テレビ局のみなさんの1年はもしかしたら普通なのかもしれないけど、アイドルの30歳から31歳の1年って、本当に大切だし、1分1秒を僕は大事にしたいと思って生活している。そこの僕の理想のスピード感との開きが出てきたというのは、理由として大きいです。海外進出という面や、音楽性で自由に広げていきたい。例えば一人で作詞作曲のアルバムを作りたいと言っても、ジャニーズにいたらなかなかOKは出ないし、時間はかかる。自分がやりたいアイディアが、ジャニーズにいたらスピード感が遅いし、なかなかかなわないよなと。

 このままの現状に満足して、ずっと5年10年活動するっていうのでも絶対幸せだと思うんですけども、やっぱり僕の人生の夢として、人間いつか死ぬわけですから、死んだときに悔いを残すっていうのは絶対にしたくないと思って毎日を生きている。思ったことをすぐに行動に移してしまうというところにつながってくるんですけど。

 NEWSの活動をしながらこの夢がかなうのなら、僕は絶対NEWSもジャニーズも出ていないです。ただ、ジャニーズを出ざるを得なかったというのが、一番大きな僕の心情の変化であり、原因ですね。

ジャニーズ事務所が保守的で硬直化していることが事務所を出たいちばんの原因であると明快に語っています。
もっとも、これがすべてかはわかりませんし、ほんとうのことかもわかりませんが、手越氏の言い分はこういうことです。

ところが、この言い分を報じたマスコミは見たことがありません。
ジュリー社長や滝沢副社長に会えなかったということもほとんど報じられていません。
2時間にも及ぶ記者会見のどの部分を報じるかはマスコミの判断ですが、マスコミは事務所側に立って、手越氏の事務所に対する不満はほとんどカットしてしまったということです。
マスコミの報道だけ見ていると、どうして手越氏が事務所を辞めたのかまったくわかりません。


事務所はどう考えていたのでしょうか。
手越氏はボランティアもやりたい、事業もやりたい、SNSもやりたい、中国向けのウェイボー(微博)もやりたい、アメリカ進出もしたいという人で、広い人脈もありそうですし、自分で「破天荒・手越祐也」と言っているぐらいですから、事務所のコントロールもきかないのでしょう。なにか大きなトラブルを起こす前に辞めさせようとしたのはありそうなことです。
ところが、そういう事務所側の本音に迫る報道もありません。


今回の記者会見の報道を見て、芸能マスコミが“ジャニーズ帝国”にいかに支配されているかがよくわかりました。

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