村田基の逆転日記

親子関係から国際関係までを把握する統一理論がここに

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女優の清水富美加さんが芸能界を引退して幸福の科学に出家すると表明したことで大騒動が起きています。
 
清水さんが所属していた芸能事務所レプロエンタテインメントは、のん(能年玲奈)さんが所属していた事務所でもあります。相次いで人気女優が逃げ出していくというのは、よっぽどブラックな体質なのでしょう。
のんさんは本名である「能年玲奈」の名前が使えなくなりました。本名を使うなというような不当な要求をする事務所がまともなわけありません。
 
清水さんの次のツイートにそれがうかがえます。
 
千眼美子 (本名・清水富美加) ‏@sengen777  212
力ある大人の怖い部分を見たら
夢ある若者はニコニコしながら
全てに頷くようになる。
そんな中ですり減って行く心を
守ってくれようとしたのは
事務所じゃなかった。
 
 
しかし、レプロエンタテインメントは大手バーニングの系列なので、芸能マスコミはまったくといっていいほど事務所の批判をせず、逆に個人批判をします。のんさんの場合は、のんさんが洗脳されたという報道がまかり通っていました。今回は、仕事を放りだすのは無責任とかわがままとかの批判があふれています。
芸能マスコミやテレビのコメンテーターも怖い大人の仲間と思えます。
 
清水さんはブラックな事務所から逃げ出しましたが、逃げ出した先が幸福の科学です。
幸福の科学は清水さんの芸能界引退を否定し、清水さんの告白本を出版しました。こんなに早く本が出るということは、計画的に仕組まれていたわけで、幸福の科学は清水さんを教団の広告塔に使うつもりと思われます。
 
となると、「清水富美加は幸福の科学に洗脳された」みたいな報道になりそうなものですが、今回は「洗脳」という言葉がまったくといっていいほど出てきません。
これはやはり幸福の科学が新興宗教の中でも大手で、メディアに広告費を多く出しているという事情があるようです。
 
それから、清水さんの両親も幸福の科学の信者であるということもあります。
清水さんが出家した背景には両親の意向もあるに違いありません。
親が子どもを自分の意のままにすることは、今の世の中では決して批判されません。親が子どもになにかして批判されるのは、幼児虐待と認定されたケースだけです。
ですから、「親が子どもを洗脳する」という表現はありえません。
そのため「幸福の科学が清水さんを洗脳した」という報道もないのではないかと思われます。
 
親が子どもになにをしても批判されないというのは、世の中を支配している大人たちのほとんどが子を持つ親だからです。
 
 
芸能事務所、教団、子を持つ親などの大人たちはみな自分の利益を考え、その結果、清水さんがいちばん批判されるという展開になっています。
私は清水さんがどんな人間かまったく知りませんが、22歳という若さですし、少なくとも自分の利益のために他人を批判したり陥れたりするという大人の悪知恵はまだつけていないと思います。自筆のコメントに「毎日がギリギリの状態でした」と書かれていたのもほんとうでしょう。
 
周りはろくでもない大人ばかりのようですが、それに染まらずに生きていってほしいものです。
 

ベッキーの不倫騒動ですが、この問題のそもそもの始まりは、週刊文春がベッキーと川谷氏のLINEのやり取りを公表したことです。
その時点では、なぜLINEのやり取りが流出したのか不明でした。ハッキングされたのか、2人がセキュリティ対策をなおざりにしていたのかということも疑われました。
しかし、LINE社はそうした可能性を否定し、そのため流出原因はかなり絞られました。
 
「デイリースポーツ」によると、長谷川豊アナウンサーはなにか自信のあるニュースソースがあるらしく、「川谷の妻については、状況からいってLINE流出と文春への提供の実行者に間違いないと断定」し、「そしてこのLINE流出は不正アクセス禁止法に違反する行為で、『ゴリゴリの犯罪行為です。刑事事件なんです』」とし、「すでにサイバー警察が動いています」ということです。
 
川谷氏の妻が流出元であるとは簡単に断定できませんが、少なくとも誰かが不正に流出させたようです。
そうすると、それを掲載した文春にも問題がありそうです。不倫とはいえ完全にプライベートな問題ですし、それを公表することに公益性もなにもないからです。
 
そして、いちばんの問題は、一般の人やテレビのコメンテーターです。
誰でも他人のプライバシーをのぞき見たいという気持ちがありますから、文春を読むのはしかたないと思います。しかし、それで得た情報をもとにベッキーや川谷氏を公の場で批判するのは、裁判で不正な捜査で得た証拠を採用して有罪判決を出すのと同じようなものです。
 
だいたい不倫といっても、不倫相手の配偶者に対しては悪いことですが、社会的に批判されるいわれはありません。ベッキーが日ごろから、不倫をしてはいけないと人の生き方を説いていたなら別ですが。
それに、この件を最初に報じた文春の記事では、2人は川谷氏の郷里である長崎に旅行して、川谷氏は実家でベッキーを両親に引き合わせていたということです。つまり最初から結婚を前提にしていて、離婚の方向も決まっていたのでしょう(ですから、流出元は妻ではないかと疑われるわけです)
 
ベッキーはこれまで恋愛の話がまったくありませんでした。これは30歳をすぎた女性としてはかなり問題です。ですから、今回の恋愛話は、不倫とはいえ、祝福されてもいいぐらいです。
 
「センテンススプリング」とか「レッツポジティブ」といった言葉もやり玉に挙げられていますが、2人のプライベートなやり取りを公の場に引き出して笑いものにするというのは、笑いものにする人の人間性が疑われます。
不正な手口でプライベートなやり取りが流出したのだとすれば、なおさらです。

ベッキーが不倫問題で大バッシングを受けています。これまでベッキーがCMをやってきた10社すべてがスポンサーを降りたそうですし、「芸能界追放ほぼ確定」という記事も見かけました。
 
普通、既婚の男性と未婚の女性がつきあうと、男性が批判されるものです。昔だと「娘をキズモノにした」と親が男のところに怒鳴り込んだかもしれません。
 
今回、ベッキーがもっぱら批判されるのは、もともとベッキーのイメージがあまりにもよすぎて、批判しがいがあるからでしょう。
一方、「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音氏は自分でゲスの極みと言っているぐらいなので、あまり批判しがいがありません。それに、そもそも川谷絵音氏のことを知らない人も多かったでしょう。
 
ベッキーを批判する人は、ベッキーは川谷氏の妻を傷つけてけしからんと言います。
しかし、もしほんとうに川谷氏の妻のことを考えるなら、ベッキーを批判するより、川谷氏の妻に向かって言葉をかけるべきでしょう。しかし、川谷氏の妻のことも、その夫婦関係も知らないのですから、なにも言いようがないはずです。
結局、川谷氏の妻のことは、批判の口実にしているだけと思われます。
 
この問題の発端は、LINEの会話が流出したことですが、プライベートな会話が世間に出れば、誰でも不都合なことがあるはずです。
 
 
ベッキーの所属事務所はサンミュージックです。
サンミュージックは牧村三枝子、太川陽介、安達祐実、カンニング竹山、小野真弓などが属するそこそこの芸能事務所ですが、ジャニーズ事務所とは比べものになりません。そのためバッシングされやすいということがあるようです。
少なくともマスコミの対応は、SMAPのときとまったく違います。
 
ベッキーは1月6日に釈明会見をしましたが、一方的にしゃべるだけで終了し、そのあと質疑応答がなかったということでずいぶん批判されました。
しかし、SMAPはテレビに向かってわけのわからない“謝罪”をしただけで、記者会見すらしていませんが、ほとんど批判されません。
 
考えてみれば、あのわけのわからない“謝罪”も、周到な計算によるものだったかもしれません。ベッキーは「おつきあいではなく、友だち関係です」と言ったために、ウソだろうと批判されました。SMAPはまったく内容のあることをしゃべらなかったために、批判のしようがありません。
 
これまでベッキーはとにかく好感度の高いタレントで、マスコミも“ベッキーよい人伝説”みたいなことばかり書いていました。しかし、この騒ぎによってまさに手のひら返しのことを書いています。
 
 
不倫疑惑ベッキー、裏の顔と天狗ぶりが露呈…一般人に舌打ち、飲み物冷たくてADに激怒

(前略)
また、テレビ制作会社にADとして勤務していた女性は語る。
 
 「ベッキーは相手の立場を見て態度を変える典型的なタレントのひとりです。ベッキーの現場の飲み物は常温の水と決まっているのですが、あるロケでベッキーに常温の水を手渡したのですが、口をつけると冷たく感じたようで、『冷たいっ! 常温って言ってるでしょ!』とかなり怒っていました。監督やプロデューサーのような偉い人の前ではいつも笑顔で元気なのですが、私のような下っ端には接し方が全然違うのだなと思いました」
 
  さらに、飛行機内でベッキーと遭遇したことがあるという女性は語る。
 
 CA(キャビンアテンダント)さんへの対応の粗雑さが目立ちました。スーパーシートに座っていたベッキーに、CAさんが気を遣って膝かけを持ってきたのですが、舌打ちして片手で払うような仕草をしたのです。テレビで見ていた印象とあまりにも違いすぎて驚きました」
 
  ベッキーのこうした振る舞いの背景について、大手芸能事務所関係者は次のように分析する。
 
 「酒井法子が覚せい剤事件で所属事務所のサンミュージックをクビになった後、ベッキーは同事務所の稼ぎ頭で屋台骨でした。事務所スタッフや社長までが当時まだ20代だった彼女に頼り切っていました。多忙だったことは事実ですし、彼女ひとりにかなりのストレスがかかっていたと思います。しかし、そんな状況の下でいつしか天狗になってしまったのでしょう」
 
  ベッキーの今後が思いやられる。
 
 
しかし、手のひら返しはマスコミだけではなく、一般の人も同じです。
 
今、ベッキーを擁護する声はほとんど聞こえません。
もともとベッキーを嫌いだった人が声を上げるようになって、ベッキーを好きな人は沈黙している、つまり攻守交替が起こったのだと考えることもできますが、ベッキーを好きな人なら今こそ擁護の声を上げていいはずです。
とすると、今までベッキーをほめていたのと同じ人が、一転してベッキー批判をしているのではないでしょうか。
 
「人間は道徳という棍棒を持ったサルである」というのが私の基本的な考えです。
人間も動物ですから互いに生存闘争をしていますが、道徳を主要な武器にしているということです。
 
しかし、一般人がベッキーをたたいても自分の利益にはなりません。
うっぷん晴らしにはなるでしょうが、それは一時の快楽です。
所詮は弱い者イジメです。おそらく自分も弱い者のはずですから、いずれ自分に返ってきます。
「道徳という棍棒」は正しく使いたいものです。

女優の広瀬すずさんがテレビの発言で炎上騒ぎを起こし、謝罪したというニュースがありました。
いかにもピュアな印象の彼女がどんな発言をしたのかと興味を持って見てみました。
 
 
広瀬すず、”スタッフ軽視”発言を謝罪「軽率な発言がありました」
 
女優の広瀬すず(17)が19日、自身のツイッターを更新。きのう放送の番組での“スタッフ軽視”発言について、「いつもお世話になっているスタッフの方々に誤解を与えるような発言をしてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪した。
 
広瀬は18日、フジテレビ系バラエティー『とんねるずのみなさんのおかげでした』(毎週木曜 後900)の「食わず嫌い王決定戦」に出演。「冷めててドライなんですよ」と自分の性格を分析し、「(電飾を)あんな高いところにかけた人は一生懸命やってるんだな」と感じている、と明かした。
 
MCのとんねるず・石橋貴明から「テレビ局で働いている照明さんなんか見るとどう思うの?」と聞かれると、「どうして生まれてから大人になった時に照明さんになろうと思ったんだろう?」と回答。続けて、音声スタッフについても「なんで自分の人生を女優さんの声を録ることに懸けてるんだろう?と考えちゃう」「大人になって年齢を重ねると共に、本当に…声を録るだけでいいの?」と語った。
 
この発言を受け、ネットでは「裏方のスタッフを軽視している」と批判的コメントが続出。一部スポーツ紙などが取り上げ、広瀬のツイッターへ直接クレームをつけるユーザーも現れた。
 
これらの騒動を受け、広瀬は「先日放送された、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の中で、私の軽率な発言がありました。いつもお世話になっているスタッフの方々に誤解を与えるような発言をしてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪。「本当にごめんなさい」と反省の意を示した。
 
 
これは、思ったことをそのまま口にした発言です。
彼女は小さいころから女優を志して、とくにここ2、3年は重要な役を演じて、頭の中は女優業のことでいっぱいなのでしょう。ですから、世の中には自分の容姿や才能から女優を諦めた人とか、最初から照明や音声を目指してる人とか、いろんな人がいるということに思い及ばないわけです。
一般の人は、若さと一途さからくる発言として、ほほえましく聞いたと思われます。
しかし、照明さんや音声さんが聞くと、傷つく恐れはあります。
 
ただ、彼女に傷つけようという意図がないのは明らかです。
つまり、こちらには相手を傷つける意図はないのに、相手は傷ついてしまうという、ありがちなコミュニケーション不全の一例です。
 
問題は、彼女の発言をとらえて炎上させた人たちです。
この人たちは彼女を攻撃し、非難しました。つまり彼女を傷つけようという意図があります(彼女になにか言うとすれば、「そういうことを言うと傷つく人がいるかもしれないよ」ぐらいで十分です)。
 
単純に言えば、彼女には悪意がないのに、彼女を非難する人たちには悪意があります。
 
このパターンはいろいろなところで見られます。
 
たとえば、バイト店員炎上事件です。バイト店員はただおもしろがっておバカをやっているだけで、誰かを傷つけようとか、店に迷惑をかけてやろうとかいう気はないのに、それを炎上させる人たちは、バイト店員を傷つけてやろうとか、店に損害を与えてやろうという悪意があります。
 
元少年Aが「絶歌」という本を出版したことを巡る騒動も同じです。元少年Aに誰かを傷つけようという意図があるとは思えませんが、元少年Aを非難する人たちは元少年Aが傷つくことをわかってやっています。
 
犯罪者というのは、すぐに刑務所に入れられてしまうので、たいして世の中を悪くすることはできません。
ほんとうに世の中を悪くしているのは、悪意ある一般の人たちです。
 
広瀬すずさん、バイト店員、元少年Aを並べ、さらにそれらを非難する人たちを並べると、いちばん世の中を悪くしているのは誰かがわかるはずです。

タレントのローラさんの父親が詐欺容疑で国際手配になったというニュースがありました。ローラさんが人気のタレントであるだけに注目度が高いのは当然ですが、その報道のしかたを批判する声が上がっています。
 
ローラさんの父親を国際手配 海外療養費詐取の疑い
 知人の男が海外で入院したように装って療養費をだまし取ったとして、警視庁は、バングラデシュ人のジュリップ・エイエスエイ・アル容疑者(53)について詐欺容疑で逮捕状を取り、25日発表した。捜査関係者によると同容疑者はタレントのローラさんの父親。現在バングラデシュにおり、警視庁は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配した。
 
 組織犯罪対策1課によると、ジュリップ容疑者は2009年12月、知人のバングラデシュ人の調理師の男(45)=同容疑で逮捕=と共謀し、調理師が母国で約1カ月入院したと偽って世田谷区役所に国民健康保険の海外療養費を申請し、87万5千円をだまし取った疑いがある。
 
 調理師は「(ジュリップ容疑者から)もうけ話があると誘われた」などと供述しているといい、同課はジュリップ容疑者が療養費を詐取する方法を教えたとみている。
 
この記事に対する疑問は、容疑者がローラさんの父親であるということを書く必要があるのかということです。
この記事は容疑者がローラさんの父親であるということを前面に出しているので、そうした疑問が起きにくくなっています。もしこの記事が、「バングラデシュ人を国際手配、海外療養費詐取の疑い」という見出しで、記事の末尾に「なお、ジュリップ容疑者はタレントのローラさんの父親である」と書かれていたら、多くの人が末尾の一行は必要ないのではないかと考えるでしょう。
 
これは朝日新聞の記事がたまたまそうなっていたということではありません。ブロガーの木走正水さんが主要紙の記事の見出しがみな同じであるということを指摘しています。
 
 
朝日新聞】ローラさんの父親を国際手配 海外療養費詐取の疑い
 
【読売新聞】ローラさんの父、不正受給指南…詐欺容疑逮捕状
 
【毎日新聞】ローラさん:父親に逮捕状 海外療養費詐取の疑い
 
【産経新聞】ローラさんの父親に逮捕状 海外療養費詐取の疑い 警視庁 被害1千万円以上か
 
【日経新聞】ローラさんの父親国際手配 国保で87万円詐取容疑
 
つまりどの新聞も、「海外療養費の詐欺事件」を報じるというよりも、「ローラさんの父親に詐欺容疑」ということを中心にして報じているのです。
これはどう考えてもおかしな報道のしかたです。
もちろんローラさんとローラさんの父親は別人格ですし、ローラさんが犯罪に関与したということはまったく示されていませんし、ローラさんは有名人であっても公人ではありません。
 
もちろんこれは、警察がこのような形で発表し、マスコミがそのまま記事にしたということでしょう。
なぜ警察がこのような形で発表したかは定かではありませんが、自民党の片山さつき議員が前から海外療養費制度の不備を指摘していて、今回のローラさんの父親の報道があると、すぐに自身のブログでこの報道にからめて制度問題を論じていますから、もしかしてそういう政治的な意図があって世間の注目を集めようとしたのかもしれません。
 
警察の意図はともかく、新聞各社が警察発表をそのままの形で記事にしたのにはあきれてしまいます。容疑者がローラさんの父親であることを記事に書く必要があるのか、見出しにまで書く必要があるのかという疑問はなかったのでしょうか。
マスメディアは批判能力を喪失して、警察や検察の判断にすっかり依存しているのではないかといわざるをえません。
 
それにしても、警察とマスメディアがこうした報道をしたことにはそれなりの理由があります。それは警察官僚や新聞記者の差別意識です。
 
私がこの新聞記事を読んだとき最初に思ったのは、「バングラデシュ人だから書いたな」ということでした。ローラさんの父親がアメリカ人やイギリス人なら、こうした記事はなかったでしょう。
東電OL殺人事件のときにネパール人のゴビンダ・マイナリさんが逮捕され、犯人に仕立て上げられましたが、これもネパール人であることが大きな要素だったと思います。日本人の多くはネパール人に差別意識を持っていますし、ネパールは小国ですから、ネパール政府に抗議されてもたいしたことはありません。
バングラデシュは小国とはいえないかもしれませんが貧国ではありますし、日本人の多くはネパール同様に見下していると思います。
 
それから、ローラさんが所属する芸能事務所はきわめて小さなところです。ウィキペディアによると、「主な所属タレント」には4人の名前しかなく、ローラさんが筆頭になっています。
マスメディアが力のある大手芸能事務所所属のタレントに弱いことは周知の事実です。これまでマスコミからバッシングされたタレントはほとんどの場合、弱小事務所の所属です。
 
それから、ローラさんは歌手でも俳優でもなく、もっぱらバラエティ番組に出演するタレントです。このことも大きな要素であると思います。
警察官僚や新聞記者の多くはバラエティ番組をほとんど見ないと思います。見ないのはいいのですが、自分の子どもがバラエティ番組を見ていると怒ったりしているのではないかと思います。つまりバラエティ番組は低俗であるとして見下しているのです。こういう人はバラエティタレントも見下しているはずです。
 
ですからローラさんは、お父さんがバングラデシュ人で、弱小芸能事務所所属で、バラエティタレントであるということで、マスメディアがひじょうにたたきやすい存在であるわけです。
警察や新聞社は、これをきっかけにローラさんへのバッシングを起こさせようとしたというといいすぎかもしれませんが、バッシングが起きてもしかたがないという「未必の故意」はあったのではないでしょうか。
 
ところが、必ずしもそうはなっていません。ネットには「父親が容疑者になってもその子どもに責任はない」という声がけっこうありますし、テレビのコメンテーターで警察の発表がおかしいのではないかと指摘する人もいます。
 
片山さつき議員は自身のブログで、「おそらく彼女自身は関与していないでしょうから、それを芸能界がどう判断するかでしょうが」と書いています。
 
自分の判断を書かずに、芸能界の判断にゆだねるとはおかしな話です。芸能人バッシングに便乗するという得意技()を発揮したかったのでしょうか。
 
ともかく、立場の弱い芸能人をバッシングするのではなく、「親の行為に子どもの責任はない」という正論が聞かれるようになったとは、日本も進歩したものだ――といいたいところですが、たぶんそういうことではないでしょう。
これは要するに、たまたまローラさんが魅力的で、しかも無邪気で憎めないキャラクターであるために、ヘイトスピーチのパワーに打ち勝ってしまったということではないでしょうか。
 
警察や検察とマスメディアが結託して、国民の差別意識に便乗したときのパワーというのは、まだまだあなどれないと思います。

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