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ネットを見ていたら、『国分太一「女児誕生」報告を「変態呼ばわり」した東大教授が炎上』というニュースがあり、「東大教授」とは誰かと思って見てみたら、安冨歩氏のことでした。
安冨氏は女装家の東大教授として知られていますが、今は「れいわ新選組」の比例区候補になって、選挙戦の真っ最中です。
「炎上商法」ならぬ「炎上選挙運動」をしたのかと思いましたが、よく見るとそのニュースは2016年11月のものでした。昔のニュースがむし返されているのです。
選挙のネガキャンかもしれません。

ただ、安冨氏の指摘は意表をついたもので、考えさせられるものがあります。選挙とは切り離して、考えてみる価値がありそうです。


国分太一「女児誕生」報告を「変態呼ばわり」した東大教授が炎上
1日、TOKIOの国分太一(42)が司会を務めるTBS系情報番組『ビビット』の中で、初めての子供となる女児誕生を生報告した。

「昨日、パパになりました。女の子です。3,176グラムの元気な女の子。蠍座の女です」

というきわめて一般的な出産報告だが、これに対して東京大学東洋文化研究所の安冨歩教授が衝撃的なツイートを投稿し、話題となっている。

安冨歩(やすとみ あゆみ)
@anmintei
【どうして自分の子供の性器の形状をまっさきに報告する?変態か?】
〈速報〉国分太一生報告「パパになりました。女の子です」 

まだ名づけも決まっていない赤ちゃんの場合、産科医や助産師から得られる情報も「元気かどうか」「性別」と「体重」くらいに限られるため、それらが報告されるもの。
また、出産は何よりの慶事であり、そこに水を差すどころかイメージ商売の芸能人を「変態呼ばわり」するようなツイートに批判が殺到。炎上している。
https://sirabee.com/2016/11/04/20161026613/

「変態」呼ばわりするのはいけません。
しかし、「子どもの性器の形状を報告する」という表現は間違っていません。
国分太一氏が「女の子です」と言ったのは、性器の形状を見て女の子と判断したに違いないからです。

安冨氏が言いたかったのは、その赤ん坊は将来トランスジェンダーになるかもしれないのだから、身体の性を世間に告知しないほうがいいということでしょう。

世の中の人にとっても、国分太一氏の子どもが女の子か男の子かということはどうでもいいことです。

親戚や身近な人に赤ちゃんの性別を知らせるのは当然ですが、テレビやSNSで世間に告知するのは無意味であり、リスキーでもあります。


ところで、私は性別より国分氏が「3,176グラム」と報告したことのほうが気になりました。
体重を公表したくない人は多いでしょう。女性の場合はなおさらです。親だからといって勝手に公表していいはずはありません。
国分氏の赤ちゃんは平均体重とそれほど変わりませんが、かなり重かった場合など、その子が思春期になったころ、「あんた、生まれたとき4000グラム以上あったんだって」などと友だちに言われるのはいやでしょう。
赤ん坊のときの裸の写真が世間に出回ったらいやなのと同じです。

出生時の体重を記録することは、その後の健康管理のためにもたいせつなことです。
ところが、その体重を親が人に知らせるということが広く行われています。
私たちは「人を数字で比較する」ということに慣れています。試験の点数、学校の偏差値、会社の給料、さらには血圧とか血糖値とかも人と比較したがります。
赤ん坊の場合は、比較する数字は体重くらいしかないので、その数字を互いに知らせ合って、「うちの子はもうちょっと軽かったわ」などと比較して安心するのでしょう。

そもそも生まれたばかりの赤ん坊は基本的にみな同じです。赤ん坊についてなにか言おうとすると、「蠍座の女です」みたいな無意味なことを言ってしまいます。
言うべきなのは、親としての気持ちです。
親のあり方は千差万別で、子どもを虐待して殺す親から愛情深く育てる親までいます。赤ん坊を初めて見て、「気持ち悪い」とか「サルみたい」と言う親もいます。
国分氏は赤ん坊を見てどう思い、親になったことについてどう思ったのでしょうか。
それを語るべきでした。

性別や体重は赤ん坊の“個人情報”ですから、親が勝手に公開するものではありません。

赤ん坊が生まれたときに性別や体重をSNSなどに上げるという習慣は終わらせたほうがいいでしょう。