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8月1日、臨時国会が召集され、参院選の当選者が初登院しましたが、やはりマスコミがいちばん注目したのは、れいわ新選組から当選した重度障碍者の舩後靖彦氏と木村英子氏でした。
NHKから国民を守る党も、よくも悪くも話題を提供しています。
このふたつの党が政治に新風を吹き込んだことは確かです。

これまで日本の政治は、二大政党制を目指して選挙制度を改革してきましたが、ダイバーシティのたいせつさが言われる時代に逆行しています。多数のベンチャー政党ができたほうが日本は活性化します。

二世、三世の議員がいっぱいいる政治の世界はすっかり時代遅れになり、それを象徴するのが改憲論議です。
安倍首相は参院選でも「改憲論議をする政党かしない政党か」と改憲を争点にしましたが、朝日新聞が7月13日、14日に実施した世論調査によると、「安倍首相に一番力を入れてほしい政策」で「憲法改正」を選ぶ人はごくわずかです。

◆あなたが、安倍首相に一番力を入れてほしい政策は何ですか。(択一)
 景気・雇用 17
 年金などの社会保障 38
 教育・子育て 23
 外交・安全保障 14
 憲法改正 3
 その他・答えない 5
https://www.asahi.com/articles/ASM7R4JD4M7RUZPS007.html

しかし、世の中には改憲に強硬に反対する人もいるので、安倍首相が改憲を訴えると反対の声も上がり、なんとなくそれが争点のようになります。
改憲に強硬に反対する人も安倍首相と同様に時代遅れです。

そもそも2016年に安保法制が成立したときに「解釈改憲」が行われたので、今では改憲してもしなくても大した違いはありません。
安倍首相も改憲する理由に、自衛隊員が目に涙を浮かべた子どもから「お父さんは違憲なの?」と聞かれたという話をするほどです。

ですから、安倍首相も本気で改憲する気はありません。それは自民党の発表した「改憲4項目」を見てもわかります。本気なら憲法九条に絞ったはずです。4項目も議論していたら、いつまでたってもまとまりません。

4項目というのは、「9条改正」「緊急事態条項」「参院選『合区』解消」「教育の充実」です。

「9条改正」というのは、現行の9条をそのままにして、そのあとに2項を付け加えるというもので、このようになります。


〔戦争の放棄と戦力及び交戦権の否認〕
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
第9条の2
 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する。
②自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/constitution/news/20180326_01.pdf

「戦力は、これを保持しない」と言ったすぐあとに、「実力組織として」「自衛隊を保持する」と言ったのでは、「戦力」と「実力」という言葉遊びをしているとしか見えません。
これでは改憲派の人もがっかりではないでしょうか。この案は昨年の3月に発表されているのですが、改憲派が盛り上がったという話は聞きません。

「教育の充実」というのも、やはり第26条の1と2はそのままに、3を付け加えるというものです。


〔教育を受ける権利と受けさせる義務〕
第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。
3 国は、教育が国民一人一人の人格の完成を目指し、その幸福の追求に欠くことのできないものであり、かつ、国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担うものであることに鑑み、各個人の経済的理由にかかわらず教育を受ける機会を確保することを含め、教育環境の整備に努めなければならない。

第3項はただの美辞麗句です。わざわざ憲法改正してつけ加える意味がありません。
要するに9条改憲がお粗末なため、ほかの項目を並べて、印象を薄める作戦なのでしょう。

ほんとうに危険なのは「緊急事態条項」で、自民党の真の狙いはこれだという説もありますが、改憲案を知れば知るほど、国民の改憲意欲はなくなっていくでしょう。

そもそも9条改憲は、アメリカの要請と、戦前の日本へのノスタルジーから求められたのですが、「解釈改憲」によりアメリカの要請は満たしました。戦前の日本へのノスタルジーも、若い人には理解されないでしょう。

改憲派も護憲派も、後ろ向きの論議はやめて、前を向くべきです。