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東京オリンピック延期が3月24日に決定されたとたんに、東京での新型コロナウイルスの感染者数が急増しました。やはり誰かがコントロールしているのでしょうか。

とはいえ、まだまだ日本人の危機意識は少ないようです。
その代表格が安倍首相夫妻です。
昭恵夫人が3月末に都内で私的“桜を見る会”を楽しんでいたと「NEWSポストセブン」が報じました。

安倍昭恵氏、花見自粛要請の中で私的「桜を見る会」していた
 満開を迎えようという桜、そして笑顔の男女──その中心にいるのは、安倍首相の妻・昭恵夫人だ。森友学園問題をめぐり自殺した近畿財務局職員の手記が報じられ、疑惑が改めて注目される中、渦中の昭恵夫人は私的な“桜を見る会”を楽しんでいた。
 3月下旬の都内某所、ライトアップされた桜をバックに肩を寄せ合う13人。その中心に写っているのが昭恵夫人だ。写真を見た、参加者の知人はこう話す。
「この日の参加者は、昭恵さんと以前から交流があった人が中心だそうです。写真で昭恵夫人の隣にいるのは人気モデルの藤井リナさん。藤井さんは2014年にYouTubeで昭恵さんと対談するなど、もともと交友があったようです。他にもアイドルグループ・NEWSの手越祐也さんや音楽プロデューサーなど芸能関係者の姿もありました」
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小池百合子・東京都知事が花見の宴会などの自粛を要請する中、この写真を世論はどう受け止めるだろうか。
(後略)
https://www.news-postseven.com/archives/20200326_1550908.html/2

昭恵夫人は、森友問題から「桜を見る会」問題まで、世の中を引っかき回してきましたが、今も同じです。

昭恵夫人はそういう人だとして、問題は安倍首相です。危機意識がまったくないのです。
3月27日の参院予算委で立憲民主党の杉尾秀哉議員にこの問題を質問されると、安倍首相は「レストランで知人と会合を持った際に、レストランの敷地内の桜の下で撮っている」と主張し、「東京都が自粛を求めている公園での花見のような宴会を行なったという事実はない」「レストランに行ってはいけないのか」などと反論しました。

詭弁を弄して自己正当化をはかるのはいつものことですが、最大の問題は、安倍首相が感染のメカニズムをまったく理解していないことです。
問題は花見か否かではありません。
レストランで13人も集まって会食したら、密閉、密集、密接という三つの「密」を犯して、感染リスクを高めることになるからよくないのです。

昭恵夫人が感染したら安倍首相も感染する可能性が大です。
安倍首相としては、自分が感染するのは国家安全保障上の大問題ですから、昭恵夫人に向かって、そんな危ないことはやめろと言うのが当然です。


感染に対する危機感のなさは、安倍政権に一貫しているものです。安倍首相だけでなく、加藤厚労相や菅官房長官の言動にも危機感はありませんし、自民党議員全体もそうです。自民党の打ち出した経済対策は「お肉券」や「お魚券」といったものです。

一度だけ危機感がありそうに思えたのは、安倍首相が2月29日に全国の小中高の一斉休校を打ち出したときです。
しかし、一斉休校にするのは、学校を通じて感染が拡大するのを防止するためのはずですが、安倍首相は記者会見でまるで「子どものため」であるかのように言いました。

 学校が休みとなることで、親御さんには御負担をおかけいたします。とりわけ、小さなお子さんをお持ちの御家庭の皆さんには、本当に大変な御負担をおかけすることとなります。それでもなお、何よりも子供たちの健康、安全を第一に、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まる、そして、同じ空間を共にすることによる感染リスクに備えなければならない。どうか御理解をいただきますようにお願いいたします。
 万が一にも、学校において子供たちへの集団感染のような事態を起こしてはならない。そうした思いの下に、今回の急な対応に全力を尽くしてくださっている自治体や教育現場の皆さんにも感謝申し上げます。
https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0229kaiken.html
安倍首相はこのときから感染のメカニズムがわかっていませんでした。
そのため、感染者のいない県にまで一斉休校を要請し、一方で学童保育施設で子どもたちが“濃厚接触”するというおかしなことになりました。

これはまずいやり方だったので、安倍首相は3月20日に休校要請は延長しないことを表明し、4月の新学期は平常通りになる見通しですが、感染者が急増して東京都が週末の外出自粛要請しているのとちぐはぐな動きになりました。


ところで、ドイツのメルケル首相は3月18日、きびしいウイルス対策をとることについて国民の理解を求めるための演説をしましたが、こちらは安倍首相とは対照的です。
その演説から一部だけ引用します。

ウィルス学者の助言は明確です。握手はもうしない、頻繁によく手を洗う、最低でも1.5メートル人との距離を取る、特にお年寄りは感染の危険性が高いのでほとんど接触しないのがベスト、ということです。
こうした要求がどれだけ難しいことか私は承知しています。緊急事態の時こそお互いに近くにいたいと思うものです。私たちは好意を身体的な近さやスキンシップとして理解しています。けれども、残念ながら現在はその逆が正しいのです。これはみんなが本当に理解しなければなりません。今は、距離だけが思いやりの表現なのです。
よかれと思ってする訪問や、不必要な旅行、こうしたことすべてが感染拡大を意味することがあるため、現在は本当に控えるべきです。専門家がこう言うのには理由があります。おじいちゃんおばあちゃんと孫は今一緒にいてはいけない、と。
不必要な接触を避けることで、病院で日々増え続ける感染者の世話をしているすべての方々を助けることになります。こうして命を救うのです。
https://www.mikako-deutschservice.com/post/コロナウイルス対策についてのメルケル独首相の演説全文

メルケル首相は感染のメカニズムを理解した上で、危機感を持って国民に呼びかけています。
比較すると、安倍首相の認識がまったくだめなことがわかります。

なお、日本では若者の行動抑制を求めていますが、ドイツでは年寄りと接触しないよう求めていて、目的が明快です。


今はウイルスが相手の戦いですから、科学的で合理的なやり方をしなければなりませんが、安倍首相の頭には精神主義ばかりが詰まっていて、科学的とか合理的ということを理解できないのかもしれません。