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中居正広氏が女性トラブルで解決金9000万円を支払ったことが明らかとなり、ほぼ芸能界から追放された状態となりました。
松本人志氏と似ています。

中居氏と松本氏は、最近では「まつもtoなかい」という番組で共演していましたが、最初の本格的な共演は、2000年の日本テレビ系「伝説の教師」という松本氏原案の学園ドラマでした。
これは松本氏と中居氏のダブル主演で、セリフの多くがアドリブであるというのが売りでしたから、そのころから二人は気心が通じ合っていたのでしょう。

週刊文春によると、中居氏は松本氏主催のホテルのスイートルームでの飲み会にも参加していたということです。
2015年9月、東京・六本木にあるグランドハイアット東京のゲストルーム「グランドエグゼクティブスイートキング」。取材班は、その日、お笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬やダウンタウンの松本人志と女性4人を交えた「部屋飲み」が行われたことを確認している。

 1泊約30万円の最高級のスイートルームには、松本、小沢の他、放送作家、そして中居の姿があった。

「週刊文春」取材班が、中居に対し飲み会について尋ねると、代理人を通じて次のように認めるのだった。

「その時期、その場所で女性と会食したことはあります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7409512d7963602bbba7b55e79e8ef4fc18dead7

松本氏と中居氏は“上納友だち”だったようです。少なくとも中居氏は松本氏の行動を見て、やり方を学んだはずです。
そして、自分も同じように女性を“上納”させたのでしょう。
松本氏は後輩芸人を使って上納させましたが、中居氏はテレビ局の人間を使って女子アナを上納させたわけです。
芸能界のツートップが同じことをしていたのです。


スキャンダルへの対処法は、松本氏と中居氏では一見すると対照的です。
松本氏は最初に「事実無根なので闘いまーす」と言い、5億5000万円の損害賠償を求める裁判を起こすという強気の態度に出ました。
その後、和解して謝罪したようなふりをしましたが、「事実無根」という基本線は維持しているようです。

一方、中居氏は9000万円という巨額の解決金(示談金)を支払いました。
この時点では水面下のことでしたが、解決金を払ったという報道が出ると、中居氏は「お詫び」と題する声明文を出して、「トラブルがあったことは事実です」「今回のトラブルはすべて私の至らなさによるものであります」として、自分の非を認めました。

しかし、根本的なところで中居氏は松本氏と同様に反省していないのではないかと思われます。

中居氏の声明文に「なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」というくだりがあって、ここに批判が集中しました。
これは正しくは「示談が成立したことにより、今後の芸能活動について相手さまから異議が表明されることはありません」とするところです。つい自分の願望をまぎれこませてしまったのです。

私がそれよりも気になったのは、「このトラブルにおいて、一部報道にあるような手を上げる等の暴力は一切ございません」という部分です。
松本氏が訴えを取り下げることを表明したときの文章に「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」とあるのと似ています。
何年も前のホテルの一室内の出来事に「物的証拠」がないのは当たり前のことで、それをわざわざ書いたところに松本氏の自己正当性を訴えたい気持ちが現れています。
中居氏の「手を上げる等の暴力は一切ございません」もそれと同じです。

男はほとんどの場合女よりも力が強いので、男は女を威圧するだけで、暴力をふるわなくても暴力をふるったのと同じ効果を得ることができます。
中居氏の場合、テレビ局に対して圧倒的な力があるので、女性がテレビ局の社員であれば、なおさら暴力をふるう必要はありません。
ですから、「暴力は一切ございません」というのはほとんど無意味で、自己正当性を訴えたいだけの言葉です。


松本氏はテレビ界への復帰が絶望的になり、「ダウンタウンチャンネル(仮称)」なるものを始めるようです。
なぜテレビ界への復帰が絶望的かというと、松本氏は性加害を否定していますが、世の中の人はそれに納得していないからです。
松本氏の性加害については週刊文春やその他のメディアが詳しく報道していますが、松本氏からは「事実無根なので闘いまーす」と「とうとう出たね」ぐらいしか発信していません。
松本氏は記者会見などて自分の言葉で語って世の中を納得させなければなりませんが、相手方との合意に基づく守秘義務があるということで、それはしません。
なぜ松本氏がそんな守秘義務を受け入れたかというと、性加害があったので、しゃべるとボロが出るからでしょう。
松本氏に性加害はなかったと思っているのは、松本氏の言うことを盲目的に信じる松本信者だけです。



では、中居氏はどうかというと、トラブルがあったことは認めて、「今回のトラブルはすべて私の至らなさによるものであります」とコメントしていますが、それだけです。
「先方との解決に伴う守秘義務がある」としているので、今後も反省の弁を述べることはなさそうです。
松本氏と同じやり方です。
しかし、こちらのほうが問題は深刻です。
というのは、こちらは刑事事件になるべき問題だからです(松本氏の件は時効の壁があって刑事事件にするのは困難でした)。

被害者についてはかなりわかってきています。
フジテレビアナウンサーの渡邊渚氏は、2023年7月ごろ体調を崩して入院したと報道され、その後PTSDを発症していたとか、フジテレビを退社したとかいう報道がありました。どれも小さな扱いのニュースでしたが、憧れて入社したはずのフジテレビをPTSDで退社するというのは尋常なことではないので(渡邊氏は2020年の入社)、どんなことがあったのだろうかと気になりました。
そうしたところ、中居氏がトラブルで9000万円を払った相手が渡邊氏ではないかという報道があり、疑問が氷解しました。
もっとも、被害女性が渡邊氏だと確定したわけではありませんが、まず確実だと思えます。

週刊文春の記事では被害女性を「X子」と表記しています(「A氏」というのは「フジテレビの編成幹部」)。
X子さんの知人が打ち明ける。

「あの日、X子は中居さん、A氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました。多忙な日々に疲弊していた彼女は乗り気ではなかったのですが、『Aさんに言われたからには断れないよね』と、参加することにしたのです」

 なぜなら、X子さんにとってA氏は仕事上の決定権を握る、いわば上位の立場にあった。そして、悪夢のような出来事が起こる。

「飲み会の直前になって彼女と中居さんを除く全員が、なんとドタキャン。結局、密室で2人きりにさせられ、意に沿わない性的行為を受けた。『A氏に仕組まれた』と感じた彼女は、翌日、女性を含む3名のフジ幹部に“被害”を訴えているのです」(同前)

 その頃、芸能関係者が利用するフジテレビ内の更衣室では、異様な光景が目撃されている。

「彼女が鍵のかかった個室に入った後、室内からすすり泣く声が漏れていた。人前では気丈に振る舞っていましたが、彼女のメンタルの不調は、誰が見ても明らかでした」(フジ関係者)
https://bunshun.jp/articles/76186?page=2

これはどう考えても「不同意性交等罪」であると考えられます。今は親告罪ではないので、警察が捜査に入ってもおかしくありません。
とすると、9000万円という巨額の解決金が支払われたのもわかります。
慰謝料などではなく、被害者を口止めして事件をもみ消すためのお金だったのです。

フジテレビは、フジテレビ社員が中居氏と女性を引き合わせたとする報道について「内容については事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません。 会の存在自体も認識しておらず、当日、突然欠席した事実もございません」と否定しています。
中居氏も「お詫び」と題する声明文で「このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません」と否定しています。
そうすると、中居氏と被害女性(渡邊氏)が互いに連絡を取り合って会食したということになり、まったく話が変わってきます。
これはやはりフジテレビと中居氏が口裏を合わせているとしか思えません。
今後の報道によってはフジテレビは大ピンチになります。


中居氏も松本氏も被害女性との間で話をつければ芸能界に復帰できると思ったのかもしれませんが、そうはいきません。世の中の多数の人が納得する必要があります。
中居氏も松本氏も主にバラエティ番組で活躍する人間です。
バラエティ番組では、恋愛話が大きなウエイトを占めますし、「飲み会」だの「ホテル」だのという言葉も出てきます。そんなときに気まずい雰囲気になったのでは、バラエティ番組が成立しません。
そういう意味で松本氏は徹底的に謝罪して反省の態度を示すべきでした。

中居氏はどうすればいいのか、よくわかりません。
ありのままを話して反省の態度を示すと、罪に問われる可能性がありますし、フジテレビも巻き込んでしまいます。
芸能界引退しかないのかなと思います。


なお、渡邊渚氏は近くフォトエッセイを出版するということで、かなり元気になられたようです。
犯罪行為があったなら告発するべきだと考える人もいるかもしれませんが、中居氏を有罪にしたところでなにもいいことはないので、渡邊氏の判断は批判されるべきではありません。