
オーストラリアでは12月10日から16歳未満SNS利用禁止法が施行されました。
対象はInstagram、TikTok、X(旧Twitter)、YouTubeなど10のサービスで、運営企業に年齢確認の義務が課されます。
運営企業が違反すると最大約51億円の罰金が科されますが、若者や保護者に対する罰則はありません。
年齢を偽ってアカウントをつくればいいともいわれていますが、今後年齢確認の方法が厳格化されるのかもしれません。
ひところ「ゲーム脳」ということがいわれ、「スマホ脳」ということもいわれました。ほとんど科学的根拠がありません。
その流れで「SNS脳」という考え方があるのかもしれません。
一応禁止の理由としては、ネットいじめや犯罪から子どもを守るということと、SNS依存症の防止ということが挙げられています。
昔、『テレビに子守りをさせないで』という本がベストセラーになったことがあります。
今も日本小児科医会が「スマホに子守りをさせないで」というキャンペーンをやっています。
新しいメディアが出現すると、メディアの子どもへの影響は未知数ですから、おとなは不安を感じるもののようです。
私の世代は子どものときからテレビ漬けになっていました。その悪影響はあるのでしょうか。
昔と比べると、世の中の人間関係は希薄になっています。そこにテレビの影響はあるかもしれませんが、「悪影響」といえるかは疑問です。
SNSをすることでいじめにあったり、犯罪に巻き込まれたりすることはあるでしょう。しかし、それは一般社会にもあるのですから、SNS禁止に意味があるとは思えません。
SNSを使わないでいると、SNSを使うスキルも向上しません。16歳になって初めてSNSに触れると、かえって危険かもしれません。たとえば詐欺で金を取られるにしても、年齢がいっていると金額も大きくなる理屈です。
禁止するのではなく、正しい使い方を教えるべきです。
今後はパソコンやスマホを使いこなす能力は、仕事をする上でも必須です。若いうちからパソコンやスマホになじんでいたほうがいいに決まっています。
子どもがSNSに夢中になり、SNS依存症になるという懸念はあるでしょう。
依存症にならないまでも、SNSに時間を取られるとその分、親子のふれ合いの時間が少なくなります。
これはデータでも示されています。
子どものインターネットの利用時間が親子関係に与える影響をみるために、平日一日のインターネットの利用時間を、「3時間以上」(「4時間以上」「3時間〜4時間未満」)、「1時間〜3時間未満」(「2時間〜3時間未満」「1時間〜2時間未満」)、「1時間未満」(「1時間未満」「ほとんどしない」)という3つのグループに分け、親子関係に関する項目とクロス集計しています。その結果、日本、アメリカ、中国、韓国の4か国とも、インターネットの利用時間が長いほど、親との会話が少なく、親と話すことや一緒にいることが「好き」と回答する割合も、親と一緒にいるのが「とても楽しい」と回答する割合も低くなっていました。また4か国とも、インターネットの利用時間が長いほど、親は真剣に自分の話を聞いてくれることが「よくある」という回答の割合が低く、逆に「家族が一緒にいてもそれぞれが携帯電話やスマートフォンを操作している」ことが「よくある」と回答する割合や、「家族と食事や団らんのときでもよく携帯電話を操作する」の肯定率が高かったのです。https://news.yahoo.co.jp/articles/32fbe7796a76f8667389f93a9ef295cd863f4460?page=1
オーストラリアのアルバニージー首相は16歳未満SNS禁止法が施行された日に、「若者にとって重要な改革だ。子供は子供らしく過ごし、親は安心感を持てるようになってほしい」「巨大IT企業から豪州の家庭が力を取り戻して復権する日だ」などと語りました。
要するに子どもにSNSを禁止すれば、それだけ親子の対話や家族団らんが増えるだろうと期待していて、これが法律の狙いのようです。
しかし、それは考え違いです。
SNSを禁止すれば、その代わりにゲームやテレビに費やす時間が増えるだけかもしれません。
SNSは誰がアクセスしても同じですが、家庭のあり方はすべて違います。
SNSに多くの時間を費やして家族との対話が少ない子どもと、SNSはあまりやらずに家族との対話が多い子どもとなにが違うかというと、SNSは同じなのですから、家族のあり方の違いしかありません。
親との関わりにうんざりしている子どもは、SNSにはまったり、ゲームにはまったり、不良仲間と繁華街をうろついたりして家庭から逃避します。つまりSNSは逃避先のひとつです。
SNSを禁止すれば別の逃避先を見つけるでしょう。親と関わる時間が増えるとは限りません。
最近は依存症に対する見方が変わってきました。
たとえばアルコール依存症や薬物依存症の人は、アルコールや薬物のおかげでここまで生き延びてこられたと考えるのです。
依存することはその人にとって必然だったのであり、単純に依存する対象を取り上げればいいというものではありません。
親が子どもとの会話を増やしたければ、親子の人間関係を改善するしかありません。それが「家庭復権」ということです。
親子が普通に会話を始めても、次第に親が子どもに説教、ダメ出し、叱責をするようになり、そういう会話が繰り返されると、子どもは最初から会話を拒むようになります。そういう家庭が多いのではないでしょうか。
子どもが原因で親子の会話がうまくできないということはありえません。親は子どもより視野が広いので、子どもに問題があっても、親はそれをカバーできるはずだからです。
うまくいかなくて悩んでいる親は、周りの家庭を見て、親子関係がうまくいっている家庭の親はどう子どもに対処しているかを観察すればいいのです。
親子のコミュニケーション法である「親業訓練」を学ぶという方法もあります。
『「親業」に学ぶ 子どもと心を通わせる言葉かけのヒント5選』
要するに子どもにSNSを禁止すれば、それだけ親子の対話や家族団らんが増えるだろうと期待していて、これが法律の狙いのようです。
しかし、それは考え違いです。
SNSを禁止すれば、その代わりにゲームやテレビに費やす時間が増えるだけかもしれません。
SNSは誰がアクセスしても同じですが、家庭のあり方はすべて違います。
SNSに多くの時間を費やして家族との対話が少ない子どもと、SNSはあまりやらずに家族との対話が多い子どもとなにが違うかというと、SNSは同じなのですから、家族のあり方の違いしかありません。
親との関わりにうんざりしている子どもは、SNSにはまったり、ゲームにはまったり、不良仲間と繁華街をうろついたりして家庭から逃避します。つまりSNSは逃避先のひとつです。
SNSを禁止すれば別の逃避先を見つけるでしょう。親と関わる時間が増えるとは限りません。
最近は依存症に対する見方が変わってきました。
たとえばアルコール依存症や薬物依存症の人は、アルコールや薬物のおかげでここまで生き延びてこられたと考えるのです。
依存することはその人にとって必然だったのであり、単純に依存する対象を取り上げればいいというものではありません。
親が子どもとの会話を増やしたければ、親子の人間関係を改善するしかありません。それが「家庭復権」ということです。
親子が普通に会話を始めても、次第に親が子どもに説教、ダメ出し、叱責をするようになり、そういう会話が繰り返されると、子どもは最初から会話を拒むようになります。そういう家庭が多いのではないでしょうか。
子どもが原因で親子の会話がうまくできないということはありえません。親は子どもより視野が広いので、子どもに問題があっても、親はそれをカバーできるはずだからです。
うまくいかなくて悩んでいる親は、周りの家庭を見て、親子関係がうまくいっている家庭の親はどう子どもに対処しているかを観察すればいいのです。
親子のコミュニケーション法である「親業訓練」を学ぶという方法もあります。
『「親業」に学ぶ 子どもと心を通わせる言葉かけのヒント5選』
SNS禁止というのは、親は変わらずに子どもを変えようという発想です。
しかも、子どもの選択肢を奪っています。これは子どもの権利の侵害です。
こういうことをパターナリズム(父権主義)といいます。「お前は自分にとってなにがよいか判断できないので、私が代わりに判断してやる」ということで、子どもを見下しています。
親が子どもと会話しているうちに説教、ダメ出し、叱責をするようになるのもパターナリズムがあるからです。
もしどこかの家庭で親が子どものSNSを禁止したり、スマホを取り上げたりしたら、子どもは親に反発して、親子関係は悪化します。
オーストラリアはそれを国家規模でやったわけです。
「子どもの権利」ということを理解すれば、こんなおかしな法律をつくることはありません。
オーストラリアの若者には、みずからの権利を守るために戦ってほしいものです。
国全体でSNSを禁止したのはオーストラリアが初めてですが、ニュージーランド、ギリシャ、ルーマニア、フランスなどが同様の措置を検討中だそうです。
バカな国はオーストラリアだけにしてほしいものです。

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