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保守派は性別役割分業を重視します。高市首相も同じです。
しかし、高市首相は首相になった今、ワークライフバランスの前に性別役割分業という言葉を捨てるべきでしょう。

高市首相の夫である山本拓氏は昨年2月に脳梗塞を発症し、右半身不随になり、今も車椅子生活のようです。

『高市早苗が漏らした夫の介護の苦労「帰ってきたら、食べこぼしがいっぱいあって…」』という記事から引用します。
そんな山本氏の介護について高市氏は講演で赤裸々に語ったのだ。

「帰ってきたら、食べこぼしがいっぱいあって、それを掃除してから入浴介助。これが一番身体にこたえます。私よりはるかに身長の高い家族を背中に担ぎながら、風呂場に行って頭から身体のすみずみまで洗って…」

調理師免許を持ち、料理担当だった山本氏に代わり、3食作りながら介護する日々。さらに山本氏には「こだわり」があるようで…。

「絶対に介護保険を使わないとか、訳のわからないことを言っているものですから、公的な支援が受けられない」(高市氏)

これは昨年6月の記事で、首相になる前のことです。
夫婦がどんな生活をしようと、外からとやかく言うことではありません。
しかし、首相になった今、首相の働き方について国民として意見したくなるのは当然です。


高市首相は首相に就任してすぐに「ワークライフバランスという言葉を捨てます」と言いました。
私はこの言葉は、夫を施設に入れるか介護を誰かに全面的に任せるという意味だと思いました。首相の仕事と介護は両立しないと思ったからです。

高市首相は年末に総理公邸に引っ越しました。そのときの様子について1月4日にXに長文の投稿をしました。そこから3か所を引用します。

昨年12月29日(月)の総理公邸への引っ越し後は、段ボール箱の谷間で生活しながら、外出時に必要な物(バッグやアクセサリー)が入った箱を探し出す日々でしたが、今日1月4日(日)の明け方に、ついに段ボールの開封と片付けを終了しました。

27日(土)と28日(日)に衆議院赤坂宿舎で段ボール箱の組み立てとパッキングを始めて以来、重い箱の運搬と積み上げなど、ひたすら力仕事続きでしたから、手足は切り傷とアザだらけや…。

(中略)

1月1日(木)午前は、皇居に上がり、新年祝賀の儀で、天皇皇后両陛下と皇族の皆様に、内閣を代表して新年御挨拶を申し上げるという幸せで光栄な時を過ごしました。
午後は、ようやく荷解きに着手しましたが、途中でダンナさんの食事の仕度や食器洗いなどもあり、荷解きは台所や風呂場やトイレの用品など生存に必要な数箱で断念。

(中略)

3日(土)は、米軍によるベネズエラ領内への攻撃とマドゥーロ大統領拘束事案が発生し、100名を超える邦人の安否確認や保護の指示を出しました。その後、今朝4日まで徹夜で荷解きと収納と洗濯に励みました。朝から北朝鮮の対応もありましたが、午前10時過ぎにはベネズエラ在住の邦人の方々の安全確認の報告も受け、ホッとしました。今もダンナさんが空腹に耐えている様子なので、これから遅めの朝昼兼ねた食事の仕度をします。

引っ越しの荷造りと荷ほどきを高市首相がやっています。
引っ越し業者が荷造りと荷ほどきを全部やってくれるサービスがあります。もしかしてセキュリティ面からそれが利用できないということがあるのでしょうか。もしそうなら、秘書や役人がやればいいのです。首相が自分で荷造りと荷ほどきをやるというのは信じられません。

それだけではなく、高市首相は洗濯も食事の支度もしています。
もっとも、これは年末年始のことです。普段は夫は施設に入っているかもしれないと思いましたが、そうではありませんでした。

「<1分で解説>高市首相はワーキングケアラー? 夫の介護が課題」という記事にはこう書かれています。
Q 高市氏の家族にはどんなことがあったの?

A 夫の山本拓元衆院議員は昨年2月に脳梗塞(こうそく)を発症し、車椅子が必要な生活になりました。高市氏が介護を担っています。

Q 高市氏はどんなふうに介護しているの?

A 高市氏は、朝は夫の介護をし、夜は国会答弁の準備や政策の勉強をしています。どの程度の介護かは明らかではありませんが、家事も普通にこなしているそうです。

Q 「ワーキングケアラー」ってなんだっけ。

A ワーキングケアラーとは、仕事をしながら家族の介護もしている人のことです。高市氏のような立場の人には、状況に応じた支援策が必要だと専門家は指摘しています。

専門家の指摘を待つまでもなく、首相の仕事をしながら夫の介護をして、家事もしているというのはあってはいけないことです。
高市首相が「働いて働いて働いて働いて、働いてまいります」と言ったのは、介護も家事もするという意味だったようです。

夫を施設に入れないのは、「こだわり」のある夫がそれを望まないからでしょう。
しかし、ここは高市首相は“鉄の女”になって、「わがままを言わないで」と言って押し切るべきです。

家事はもっぱら妻がやっているという家庭はいっぱいありますが、今では「男だから、女だから」ではなくて、「おれが稼いでいるんだから、お前が家事をするのは当然だ」という論理でしょう。
つまり性別分業でなくて仕事と収入による分業だという理屈です。
ところが、高市家ではいまだに性別役割分業なので、妻が首相になっても変わらないわけです。
古典的な保守派というしかありません。


問題は、周りの人間はどうしているのかです。
山本拓氏には前妻との子どもが3人います。長男の山本建氏は福井県議で、次期衆院選に立候補する意向を固めたというニュースがありました。
山本健氏はほかの子どもといっしょになって、父親に「早苗さんに迷惑をかけてはいけないから施設に入るべきだ」と説得するか、自分たちで父親の介護をするべきです。高市首相に介護を任せているのは信じられません。

官房長官や自民党幹事長など政界関係者も、首相がワーキングケアラーであることを放置しています。
「家事・介護は(首相であっても)妻がやるべき」という古典的保守派ばかりなのでしょうか。

「Hanada」や「WiLL」に寄稿しているような保守派論客も、この問題についてとくに言及していないようです。
首相に家事や介護をさせて平気なのが日本の保守派です。

高市首相は夜の飲み会にまったく出ていないと報道されています。飲み会が嫌いだというだけでなく、早く帰って夫の介護をしなければならないということもあるのでしょう。

最近高市首相がやせてきているという報道もあります。

妻が首相になっても妻に介護を求める夫(たぶんそうでしょう)。
それを断れない妻。
首相がワーキングケアラーであることを容認している周りの人。
首相がワーキングケアラーであることをまったく気にせず首相を支持している国民。
この国は根本のところから正さなければなりません。