マッカーサーが日本人のことを12歳の少年にたとえたのは有名な話ですが、アメリカが主催する形で日米韓の会談が行われるというニュースを見て、このマッカーサーの言葉を思い出しました。
日米韓首脳会談の開催決定…日韓政府発表
日韓両政府は21日、オランダ・ハーグで24、25日に開催される核安全サミットに合わせて、日米韓首脳会談を開催すると発表した。
オバマ米大統領が仲介する形で、安倍首相と韓国の朴槿恵大統領が初めて公式に会談する。冷え込んでいる日韓関係の改善につながるか注目される。
日本政府関係者は21日、会談について「25日に開催する方向で調整している」と述べた。日韓両政府の発表によると、会談は米国が主催し、議題は「北朝鮮の核問題や核不拡散問題」と決まった。いわゆる従軍慰安婦問題など、日韓両国で対立のある歴史問題などには触れず、2国間会談に向けた環境整備を優先する見通しだ。安倍首相は21日、日米韓首脳会談の開催について記者団に、「良かったと思う」と述べた。
(2014年3月22日01時42分 読売新聞)
日本と韓国が兄弟喧嘩をしていたので、お父さんであるアメリカが2人の少年を並ばせて、仲直りさせたという図です(12歳の少年であることは韓国も日本と同様です)。
日韓の喧嘩は、なにか思想的な対立があるわけではなく、過去の出来事について、「あのときはお前が悪い」「いや、悪くない」とやり合っているだけのことです。
核安全サミットには世界54カ国が参加します。それらの国に対して、日本と韓国がアメリカの前で仲直りさせられている姿を見せるわけですから、これほどみっともないことはありません。
もっとも、 これがみっともないことだという認識を持っている日本人は少ないかもしれません。
それよりも韓国との喧嘩に夢中になっているようです。週刊誌は嫌韓記事でいっぱいですし、書店には韓国批判本が並んでいます。
私などは、そんなものを読んでどうするのかと思ってしまいます。韓国についての知識をふやして、なにか役に立つのでしょうか。
世界について知るべきことはほかにいっぱいあるはずです。
日韓の争いは兄弟喧嘩のようにみっともないという認識がないのは、“自分を客観視できない病”にかかっているからです。
そして、“自分を客観視できない病”が蔓延しているのは、日本の右翼のせいです。
もともと日本の論壇ではずっと左翼が優勢で、右翼は劣勢でしたから、右翼は右翼思想を正当化する理屈をいくつもつくりだしました。その中に、「国益を追求するのは正しいことだ」とか「国益を追求する国は国際社会で尊敬される」とかいうものがあります。
こんな理屈はまったくデタラメです。国益の追求は、公正や公平を踏まえた場合だけ正しく、国益を追求するだけではただの利己主義です。
また、国益を追求して国際社会で尊敬されるなんてことがあるはずありません。そんな国があったら教えてほしいものです。
公正や公平を踏まえるには、自国を客観的に見る視点が欠かせません。
しかし、日本の右翼にはそういう視点がないので、国際社会に対して訴えることができません。たとえば慰安婦問題にしても、国内で議論しているだけです。
自民党にも「国と国の正しい関係」という概念がありません。
たとえば教育基本法はこうなっています。
(教育の目標)
第二条の五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
これでは「我が国」と「他国」の正しい関係がわかりません。おそらく自民党は最初からそんなものはわかりたくもないのでしょう。
自民党、右翼勢力のおかけで、日本は公正・公平を理解せずに国益を主張するだけの国になってしまいました。
いや、実際にそんなみっともないことはできませんから、兄弟分である韓国相手にだけやっています。
その挙句、オランダのハーグで、オバマ大統領の前で、日韓首脳が引き合わされるというみっともないことになったわけです。
日本は右翼、自民党の支配するバカ国家から早く脱却しないといけません。

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