教育のやり方を決めるのはすべておとなです。そうすると、そのやり方はおとなにとって都合のいいものになりがちです。
ただ、おとなはそういうことには気づかないものです。
 
スクール水着というと、セーラー服、ブルマーと並んで、AVではスケベ男の妄想をかき立てるアイテムですが、それにニュータイプのものがお目見えしたということです。
 
 
スクール水着、中学生と開発 「肌の露出イヤ」の声反映
 水泳用品メーカーのフットマーク(東京)は、中学生4人と共同開発したスクール水着「イデアルスイミング」を24日に売り出す。「素早く着替えたい」「肌が見えるのはイヤ」など、4人の意見や中学生360人へのアンケートで集めた声を盛り込んだ。
 
 開発に加わったのは、東京都立両国高校付属中3年の薄井美佳さん、太田梨々香さん、北畠和哉さん、齊藤昌弘さん。昨年11月、職場体験でフットマークを訪れたのがきっかけだ。デザイナーが要望を聞き、試作を繰り返した。
 
 女子からは「短い休憩時間で素早く着替えたい」「肌が見えないワンピース型がいい」という相反する願いが多かったため、脱ぎ着しやすく上下に分けた水着を腰のボタンで留める形に。上着の後ろ側を長くして、体育座りでも背中が露出しない工夫もした。
朝日新聞デジタル 417()2326分配信
 
 
この記事はリンク切れになっています。水着の写真は、次のメーカーのサイトで見ることができます。
 
スーパー中学生ものづくりプロジェクト
 
この女子用水着は、太ももまで覆う形で、上下が別れています。太ももの露出がなくて、上下に別れているので着替えるときも肌の露出が避けられるというわけです。
 
スクール水着というのは、もっともセクシーさを排したデザインになっていると思っていましたが、考えてみると、太ももは露出しますし、シンプルなデザインだけに体型も際立ちます。
男が妄想をかき立てるだけのことはあります。
 
ブルマーもそうでした。あれも太ももを露出します。
しかし、本来のブルマーはそういうものではなかったということです。
 
ニコニコ大百科 単語記事:ブルマー
ブルマーとは、下半身に着用する女性用の衣類の一種である。ブルマとも呼ぶ。
 
起源は諸説あるが、最も有力な説とされているのが19世紀アメリカの女性解放運動家のアメリア・ジェンクス・ブルーマーが発案したという説である。当時の女性の衣服にはヨーロッパ式のコルセットで無理に肉体を絞めつけたりするスカートやズボンが多く、そうした衣服の発想から転換した衣服として画期的なものであった。なお写真や画像で見る限り、丈は膝あたりまであるだぶつきのある物であった。
 
ブルマーは日本でも女子の体操着として導入されたが、導入初期はプリーツがつけられていてだぶつきのある形状のものが多く、その形状から「ちょうちんブルマー」という俗称もつけられた。
 
昭和中期頃にだぶつきが無い物に変更、太もも部を露出し体型にフィットした「ショーツ型」とも称されるタイプの動きやすいブルマーが一般的となり普及した。色は濃紺が多かったが、えんじ色や緑色をはじめ様々なカラーバリエーションも存在した。
 
こうして多くの学校で使用されていたブルマーだったが、太もも部を露出し、かつ殆ど下着と変わらない事や激しく動くとパンツがはみ出るなど抵抗を感じる人も多かった。また、ジェンダーフリーの視点からも体操着が男女別である必要は無いという意見が出された。更には運動会での盗撮行為や写真集の販売といった、ブルマーを性的好奇心の対象として見るケースが広く知れ渡り、廃止運動に拍車をかけた。その結果、19972001年あたりまでに殆どの小中高の学校で女子の体操着はクォーターパンツ等に切り替わり、体操着としてのブルマーは終焉を迎えた。
 
あのような太ももを露出するブルマーを考案して普及させたのは、どうやら日本の教育関係者であるようです。
 
スクール水着も、ブルマーと同じ運命をたどってもおかしくありません。
 
なお、中学校の健康診断でも、昔は女子は上半身裸を強制されることが普通でした。若い男性の医者は、学校の健康診断というと競って行きたがったという話を聞いたことがあります。
 
要するにスケベ男の考えが学校の常識となっていたのです。
 
ところで、新しいスクール水着は中学生の意見を取り入れてつくられたものです。
中学生が意見表明することで、これまでの常識が打ち壊されました。
 
これまで教育改革についてさまざまな議論が行われてきましたが、驚くことに、教育される側の小学生、中学生、高校生にアンケート調査が行われたことは1度もありません。教育改革はすべておとなの考えで行われているのです。
 
教育の世界には、ブルマーやスクール水着みたいなことがいっぱいあるはずです。