トランプ政権は「核体制の見直し(NPR)」を公表し、低爆発力の小型核兵器を開発して、通常兵器で攻撃された場合でも核兵器で報復する可能性を表明しました。
これは「核による脅迫」以外のなにものでもありません。
トランプ政権が昨年12月に発表した「国家安全保障戦略」でうたわれた「力による平和」を具現化したものです。
しかし、アメリカが軍事力を前面に打ち出せば、他国も軍事力で対抗しようとします。
こうして世界はどんどん破滅に近づいていきます。子どもにもわかる単純な理屈です。
敵視された中国、ロシア、イランなどが反発したのは当然として、ドイツのガブリエル外務大臣も、「トランプ政権の新たな核戦略は、世界の新たな核兵器競争につながり、ヨーロッパにとっての深刻な脅威とみなされる」と語っています。
ところが、河野外務大臣は「今回のNPRを高く評価する」との談話を発表し、国会答弁では「北朝鮮による核・ミサイル開発の進展等、安全保障環境が急速に悪化している」ということを理由に挙げました。
しかし、北朝鮮について言うのなら、今回のNPRで北朝鮮はますますアメリカの核攻撃を恐れて、核抑止力に頼ろうとするでしょう。北朝鮮に核放棄させるという目的に反します。
そもそもアメリカの「力による平和」というやり方は、テロには通用しません。力で負ける者がテロに走るわけで、むしろテロを増大させます。
現にアメリカが対テロ戦争を始めて17年、終わるメドはまったく立っていません。
アメリカの「力による平和」や「核による脅迫」は、根本的に間違っています。
このことに世界は気づきつつありますが、日本だけは逆行しています。
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