川勝知事は前から暴言、失言を繰り返していましたが、とくに注目を浴びたのはリニア中央新幹線を巡る問題です。
川勝知事は大井川の水が減少するなどの理由をつけてリニア中央新幹線の工事をストップさせ、JR東海とバトルを演じてきました。
しかし、一民間企業と一人の知事がやり合っているだけですから、新聞、テレビはあまり報じず、もっぱらネットニュースになるだけです。
そのネットニュースはほとんどが川勝知事に批判的でした。ということは、おそらくJR東海が書かせているのだろうと私は勝手に想像していました。
どうやら川勝知事の言っていることは“いちゃもん”に近いことのようでしたが、そこで浮かび上がったのは、リニア中央新幹線という国家的事業をJR東海という一民間企業がやっていることの不自然さです。
もともとリニアは国鉄が開発をしていましたが、国鉄は分割民営化され、事業の主体がわかりにくくなりました。
リニアは「3時間かかる東京―大阪間を1時間で結ぶ」というのがうたい文句でしたが、そんなに速くする意味があるのかという声があり、採算性も不透明でしたし、安全性やテロの懸念もありました。
ということで、なかなか実現しなかったのですが、JR東海がしびれを切らしたのか、費用は全額負担して一社で完成させることになったのです。
費用は全額負担とはいっても、国から3兆円の融資を受けています。経営危機になれば国としても放っておけず、税金を投入して救済することになるでしょう。
最初から国家事業としてやっていれば、静岡県も妨害することはできません。
事業の基本設計が間違っているのです。
なぜそうなったかというと、安倍晋三首相とJR東海の葛西敬之名誉会長が親密な関係にあったからだといわれます。つまりこれも「安倍案件」のひとつです(安倍政権はリニア新幹線をアメリカに売り込もうとしましたが、成功していません)。
川勝知事がどういう理由でリニアの工事を妨害したのかはよくわかりません。「安倍案件」だからということでもなさそうです。
いちばん納得いく説明は、川勝知事は東海道新幹線に「静岡空港新駅」を設置することをJR東海に求めたのにJR東海はまったくとりあわず、そのため川勝知事が腹を立てたからだというものです。
いずれにしても、リニアの建設は今後も不透明です。
安倍元首相も葛西名誉会長も亡くなった今、リニアも負の遺産になるかもしれません。
この機会に川勝知事の暴言、失言を振り返ってみました。そうすると、それほど目くじら立てるほどのものとも思えません。
そのネットニュースはほとんどが川勝知事に批判的でした。ということは、おそらくJR東海が書かせているのだろうと私は勝手に想像していました。
どうやら川勝知事の言っていることは“いちゃもん”に近いことのようでしたが、そこで浮かび上がったのは、リニア中央新幹線という国家的事業をJR東海という一民間企業がやっていることの不自然さです。
もともとリニアは国鉄が開発をしていましたが、国鉄は分割民営化され、事業の主体がわかりにくくなりました。
リニアは「3時間かかる東京―大阪間を1時間で結ぶ」というのがうたい文句でしたが、そんなに速くする意味があるのかという声があり、採算性も不透明でしたし、安全性やテロの懸念もありました。
ということで、なかなか実現しなかったのですが、JR東海がしびれを切らしたのか、費用は全額負担して一社で完成させることになったのです。
費用は全額負担とはいっても、国から3兆円の融資を受けています。経営危機になれば国としても放っておけず、税金を投入して救済することになるでしょう。
最初から国家事業としてやっていれば、静岡県も妨害することはできません。
事業の基本設計が間違っているのです。
なぜそうなったかというと、安倍晋三首相とJR東海の葛西敬之名誉会長が親密な関係にあったからだといわれます。つまりこれも「安倍案件」のひとつです(安倍政権はリニア新幹線をアメリカに売り込もうとしましたが、成功していません)。
川勝知事がどういう理由でリニアの工事を妨害したのかはよくわかりません。「安倍案件」だからということでもなさそうです。
いちばん納得いく説明は、川勝知事は東海道新幹線に「静岡空港新駅」を設置することをJR東海に求めたのにJR東海はまったくとりあわず、そのため川勝知事が腹を立てたからだというものです。
いずれにしても、リニアの建設は今後も不透明です。
安倍元首相も葛西名誉会長も亡くなった今、リニアも負の遺産になるかもしれません。
この機会に川勝知事の暴言、失言を振り返ってみました。そうすると、それほど目くじら立てるほどのものとも思えません。
2021年10月、川勝知事は参院静岡選挙区補欠選挙の応援演説で「あちら(御殿場市)はコシヒカリしかない。ただメシだけ食って、それで農業だと思っている。こちら(浜松市)にはウナギがある。何でもある」などと発言しました。
浜松市内での演説で、対立候補が御殿場市長経験者だったことからくる発言です。
静岡知事という立場でふたつの土地に上下をつけるのはよくないので、批判されるのは当然ですが、差別意識に基づいた発言とは思えず、ただ愚かなだけの発言です。
さらに、サッカー強豪校の県立藤枝東高に言及し、「藤枝東はサッカーするためにやってきている。ボールを蹴るのが一番重要なこと。勉強よりも何よりも」とも言いました。
どれも愚かな発言ですが、言われたほうは、傷つくというよりもあきれるというところではないでしょうか。
たとえば磐田市と比べて浜松市は文化が低いといっていますが、これは川勝知事個人の価値観でしょう。
たとえば大阪などで在日朝鮮人の多い地域をバカにすると、それは差別だということになりますが、磐田市になにか差別される所以はないはずです。
とすると、この発言は「愚かな発言」ではありますが、「差別発言」とはいえないと思われます。
川勝知事はどういう人かと調べると、早稲田大学政経学部卒業、オックスフォード大学に留学して博士号を取得、早稲田大学教授などをやっていました。ですから、決して頭の悪い人ではないはずです。ただ、75歳という年齢なので、配慮ができなくなっているのかもしれません。どれも愚かな発言ですが、言われたほうは、傷つくというよりもあきれるというところではないでしょうか。
たとえば磐田市と比べて浜松市は文化が低いといっていますが、これは川勝知事個人の価値観でしょう。
たとえば大阪などで在日朝鮮人の多い地域をバカにすると、それは差別だということになりますが、磐田市になにか差別される所以はないはずです。
とすると、この発言は「愚かな発言」ではありますが、「差別発言」とはいえないと思われます。
問題の「職業差別」とされる発言ですが、県庁の新入職員に対する訓示におけるものです。
川勝知事は前から「切り取られた」と抗議するので、FNNプライムが『【全文】物議醸す静岡・川勝知事の訓示 新入職員を前に職業差別? 繰り返される失言「みなさんは頭脳・知性高い」』という切り取らない記事を配信しました。そこから引用します。
問題部分は「毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」というところだけです。そしてですね、そのためにはですね、やっぱり勉強しなくちゃいけません。実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね。で、それは磨き方はいろいろあります。知性を磨くということ。それからですね、やっぱり感性を豊かにしなくちゃいけない、それから体がしっかりしてないといけませんね、ですから文武芸、三道鼎立と。文武両道というのは良く聞くでしょう。しかしですね、美しい絵を見たり、良い音楽を聞いたり、映画を見たり、演劇を見たりした時にですね、感動する心というものがあると望ましい。ですから、自分の知性がこの人に及ばないなと思ってもですね、知性というものを大切にするということが大事ですね。そのためにはやっぱり勉強しなちゃいけません。それから体を鍛えると。しかし、スポーツが苦手な人もいらっしゃるでしょう。でも、スポーツを楽しむことはできますね。見たり、楽しむこともできます。まぁ無芸大食の人もいるでしょう。しかし、芸術を愛することはできますから、文武芸、三道鼎立ということでですね、豊かな人間になっていただきたいと思います。
果たしてこれは「職業差別」でしょうか。
世の中には頭脳労働と肉体労働という区分があって、それを指摘することは差別でもなんでもありません。
「あなたたちは頭脳・知性の高さで選ばれました」とか「あなたたちには頭脳・知性の高さが求められます」とか言っていれば問題はなかったでしょう。
「皆様方は頭脳・知性の高い方たちです」と言うと、転じて「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりする方たちは頭脳・知性の低い方たちです」という意味になりかねません。
とはいえ、決して「野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノをつくったりする方たちは頭脳・知性の低い方たちです」とは言っていないわけで、勝手に発言を捏造して「職業差別」だと主張してはいけません。
JR東海は多額の宣伝広告費を使うので、メディアに影響力を持っています。
川勝知事とJR東海がバトルをしているとき、メディアは圧倒的にJR東海寄りでした。そのため川勝知事の「愚かな発言」を取り上げて、大げさに騒いでいたということがありました。
今回の「職業差別」発言もその流れにあります。
冷静に判断したいものです。