
学校教育の現場で、素手でトイレ掃除をする運動があることは知っていましたが、なんとそれが国会の中でも行われていました。
しかも、大物国会議員まで参加していたのです。
立憲民主・太栄志議員、国会内トイレ清掃も… 素手で便器触る写真に「汚い」「握手やめて」有権者ら不快感立憲民主党の太(ふとり)栄志衆議院議員が14日、自身のX(旧ツイッター)に、野田佳彦元首相と一緒に国会内のトイレを清掃する写真を公開した。しかし、素手で便器に触っていることに「汚い」「握手はやめてくださいね」など不快感を示す声が殺到している。太議員は「『国会掃除に学ぶ会』の設立総会に参加。総会の後には、野田佳彦元内閣総理大臣や参加者の皆さんと国会内のトイレを清掃しました。改めて掃除の意義と深さを学ぶ機会になり、これからも実践していきます」と投稿した。写真にはゴム手袋などを着けず、素手で便器に手をかけてスポンジで便器の側面をこすっている様子が写っている。しかし、これが不衛生だと指摘する声が殺到。「汚い、普通にゴム手すりゃ良いだけなのに」「えっ、そのスポンジ上に置くの?やめてー」「素手でトイレ掃除をするのは不衛生で不合理なだけで、そこに『意義と深さ』などありません」などの声が寄せられている。また、自民党の裏金問題で国政が揺れている中、パフォーマンスのような行為にあきれた反応もある。「トイレ掃除は家でして、国会では議員の仕事をしてください。意味がありません」「政権支持率17%でもまったく政権交代の気配が感じられない理由がよくわかりました」「今、国民がやってほしい事は国の政治を綺麗にする事でしょう」など、炎上状態となっている。https://news.yahoo.co.jp/articles/4beee4bf2e3b9d6465face601516708866321098
「掃除に学ぶ会」というのは、認定NPO法人「日本を美しくする会」の組織です。
「日本を美しくする会」の理念は「掃除を通して心の荒みをなくし、世の中を良くすること」というもので、『特に人の嫌がるトイレをきれいに磨くと、心もきれいになります。トイレ掃除は「自分を磨くための」一番の近道で確実な方法です』とホームページに書かれています。
教師による「便教会」という組織もあって、それが学校でトイレ掃除をやっています。
子どもだけにやらせているのではなく、教師もやっているということで、そこはまだましです。
いずれにしても、「トイレをきれいにすると心もきれいになる」ということにはなんの根拠もありません。
逆に、顔を便器に突っ込むようにして素手で掃除すると、その不快感があとを引くに違いありません。どうせトイレ掃除をするなら効率的に短時間でやりたいものです。
スポンジやタワシを使うとはいえ、素手で掃除するのは衛生上も問題です。ノロウイルスなどは主に排せつ物を介して感染します。
「日本を美しくする会」のホームページには「特定の組織や団体に属しません」と書かれていますが、『東日本大震災の避難所で配られたおにぎりを、何のためらいもなく、まずお年寄りや子どもたちに渡す姿。そこには、日本人の日本人たる美徳がありました。自分よりまず、「人様のためにできる幸せ」という精神を、 私たち日本人は代々受け継いできました』などという文章を見ると、日本会議に連なる組織と同じ感じがします。
そういった組織と立憲民主党の国会議員がつながっているというのが意外でしたが、さらに意外なのは野田佳彦議員まで加わっていたことです。
野田議員といえば現実主義的な人というイメージでしたから、精神主義の権化のようなトイレ掃除の運動とは結びつきませんでした。
ほかに「日本を美しくする会」とつながっている政治家はいないかとネットで調べてみると、門川大作京都市長がいました。京都市では小中学生に「素手でトイレ掃除」をやらせているそうです。
門川市長が初当選した2008年の市長選では自民党・民主党・公明党・社民党の支持を受けていました。
門川市長は任期満了に伴い引退して、来年2月投票の選挙には後継候補として松井孝治氏が立候補する予定です。松井氏はもともと民主党の参議院議員で、鳩山内閣のときに官房副長官をしていました。この松井氏も12月9日に素手でトイレ掃除をしている写真をXに投稿しました。
もしかすると立憲民主党と「日本を美しくする会」は近いのかと思っていると、なんと泉健太代表も昨年11月に「国会掃除に学ぶ会」の活動に参加したということがわかりました。「日本を美しくする会」のウェブマガジンのページに参加者の名前と写真が載っています。
国会掃除に学ぶ会

https://www.souji.jp/webmagazine/2023/06/09/%e7%89%b9%e3%80%80%e9%9b%86-6/
党の代表が参加しているとなると、立憲民主党は「日本を美しくする会」の思想を肯定していると思われてもしかたありません。
町中の汚い公衆トイレをきれいにしようという活動があれば、誰もが称賛するでしょうが、「日本を美しくする会」はそういうことはしません。「心をきれいにする」ことが目的で、あくまでトイレをきれいにすることは手段です。
「日本を美しくする会」のホームページには「特定の組織や団体に属しません」と書かれていますが、『東日本大震災の避難所で配られたおにぎりを、何のためらいもなく、まずお年寄りや子どもたちに渡す姿。そこには、日本人の日本人たる美徳がありました。自分よりまず、「人様のためにできる幸せ」という精神を、 私たち日本人は代々受け継いできました』などという文章を見ると、日本会議に連なる組織と同じ感じがします。
そういった組織と立憲民主党の国会議員がつながっているというのが意外でしたが、さらに意外なのは野田佳彦議員まで加わっていたことです。
野田議員といえば現実主義的な人というイメージでしたから、精神主義の権化のようなトイレ掃除の運動とは結びつきませんでした。
ほかに「日本を美しくする会」とつながっている政治家はいないかとネットで調べてみると、門川大作京都市長がいました。京都市では小中学生に「素手でトイレ掃除」をやらせているそうです。
門川市長が初当選した2008年の市長選では自民党・民主党・公明党・社民党の支持を受けていました。
門川市長は任期満了に伴い引退して、来年2月投票の選挙には後継候補として松井孝治氏が立候補する予定です。松井氏はもともと民主党の参議院議員で、鳩山内閣のときに官房副長官をしていました。この松井氏も12月9日に素手でトイレ掃除をしている写真をXに投稿しました。
もしかすると立憲民主党と「日本を美しくする会」は近いのかと思っていると、なんと泉健太代表も昨年11月に「国会掃除に学ぶ会」の活動に参加したということがわかりました。「日本を美しくする会」のウェブマガジンのページに参加者の名前と写真が載っています。
国会掃除に学ぶ会

https://www.souji.jp/webmagazine/2023/06/09/%e7%89%b9%e3%80%80%e9%9b%86-6/
党の代表が参加しているとなると、立憲民主党は「日本を美しくする会」の思想を肯定していると思われてもしかたありません。
町中の汚い公衆トイレをきれいにしようという活動があれば、誰もが称賛するでしょうが、「日本を美しくする会」はそういうことはしません。「心をきれいにする」ことが目的で、あくまでトイレをきれいにすることは手段です。
国会のトイレは決して汚くはないでしょう。それを掃除するのはパフォーマンスと見られてもしかたありません。
日本会議には宗教団体が多く参加していますが、「日本を美しくする会」は宗教団体とはいえません。人間の道徳的向上を目的とした団体で、戦前は「教化団体」や「道徳団体」と呼ばれていたものです。
日本会議には宗教団体が多く参加していますが、「日本を美しくする会」は宗教団体とはいえません。人間の道徳的向上を目的とした団体で、戦前は「教化団体」や「道徳団体」と呼ばれていたものです。
宗教団体やカルトでないならいいかというと、そんなことはありません。むしろ宗教以上に危険かもしれません。
特定の宗教を国民に押しつけることはできません。さすがに国民も反対します。
しかし、道徳を押しつけることはどうでしょうか。
すでに日本人は自民党の道徳教育によって道徳を上から教えられることに慣れています。
「日本人の心をきれいにする」と言われたとき、きちんと反論できる人はどれだけいるでしょう。
学校で「素手でトイレ掃除」をやっているところがあり、国会議員も「素手でトイレ掃除」をやっているのですから、いずれ日本人全員で「素手でトイレ掃除」をやることになっても不思議ではありません。
宗教や道徳と親和性が高いのが自民党の特徴です。
野党はそこで差別化をはからねばならないのに、泉代表はなにもわかっていません。
心をきれいにすることより現実のトイレをきれいにすることが政治の役割です。
特定の宗教を国民に押しつけることはできません。さすがに国民も反対します。
しかし、道徳を押しつけることはどうでしょうか。
すでに日本人は自民党の道徳教育によって道徳を上から教えられることに慣れています。
「日本人の心をきれいにする」と言われたとき、きちんと反論できる人はどれだけいるでしょう。
学校で「素手でトイレ掃除」をやっているところがあり、国会議員も「素手でトイレ掃除」をやっているのですから、いずれ日本人全員で「素手でトイレ掃除」をやることになっても不思議ではありません。
宗教や道徳と親和性が高いのが自民党の特徴です。
野党はそこで差別化をはからねばならないのに、泉代表はなにもわかっていません。
心をきれいにすることより現実のトイレをきれいにすることが政治の役割です。
