村田基の逆転日記

親子関係から国際関係までを把握する統一理論がここに

タグ:松本人志

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中居正広氏が女性トラブルで解決金9000万円を支払ったことが明らかとなり、ほぼ芸能界から追放された状態となりました。
松本人志氏と似ています。

中居氏と松本氏は、最近では「まつもtoなかい」という番組で共演していましたが、最初の本格的な共演は、2000年の日本テレビ系「伝説の教師」という松本氏原案の学園ドラマでした。
これは松本氏と中居氏のダブル主演で、セリフの多くがアドリブであるというのが売りでしたから、そのころから二人は気心が通じ合っていたのでしょう。

週刊文春によると、中居氏は松本氏主催のホテルのスイートルームでの飲み会にも参加していたということです。
2015年9月、東京・六本木にあるグランドハイアット東京のゲストルーム「グランドエグゼクティブスイートキング」。取材班は、その日、お笑いコンビ「スピードワゴン」の小沢一敬やダウンタウンの松本人志と女性4人を交えた「部屋飲み」が行われたことを確認している。

 1泊約30万円の最高級のスイートルームには、松本、小沢の他、放送作家、そして中居の姿があった。

「週刊文春」取材班が、中居に対し飲み会について尋ねると、代理人を通じて次のように認めるのだった。

「その時期、その場所で女性と会食したことはあります」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7409512d7963602bbba7b55e79e8ef4fc18dead7

松本氏と中居氏は“上納友だち”だったようです。少なくとも中居氏は松本氏の行動を見て、やり方を学んだはずです。
そして、自分も同じように女性を“上納”させたのでしょう。
松本氏は後輩芸人を使って上納させましたが、中居氏はテレビ局の人間を使って女子アナを上納させたわけです。
芸能界のツートップが同じことをしていたのです。


スキャンダルへの対処法は、松本氏と中居氏では一見すると対照的です。
松本氏は最初に「事実無根なので闘いまーす」と言い、5億5000万円の損害賠償を求める裁判を起こすという強気の態度に出ました。
その後、和解して謝罪したようなふりをしましたが、「事実無根」という基本線は維持しているようです。

一方、中居氏は9000万円という巨額の解決金(示談金)を支払いました。
この時点では水面下のことでしたが、解決金を払ったという報道が出ると、中居氏は「お詫び」と題する声明文を出して、「トラブルがあったことは事実です」「今回のトラブルはすべて私の至らなさによるものであります」として、自分の非を認めました。

しかし、根本的なところで中居氏は松本氏と同様に反省していないのではないかと思われます。

中居氏の声明文に「なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」というくだりがあって、ここに批判が集中しました。
これは正しくは「示談が成立したことにより、今後の芸能活動について相手さまから異議が表明されることはありません」とするところです。つい自分の願望をまぎれこませてしまったのです。

私がそれよりも気になったのは、「このトラブルにおいて、一部報道にあるような手を上げる等の暴力は一切ございません」という部分です。
松本氏が訴えを取り下げることを表明したときの文章に「強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました」とあるのと似ています。
何年も前のホテルの一室内の出来事に「物的証拠」がないのは当たり前のことで、それをわざわざ書いたところに松本氏の自己正当性を訴えたい気持ちが現れています。
中居氏の「手を上げる等の暴力は一切ございません」もそれと同じです。

男はほとんどの場合女よりも力が強いので、男は女を威圧するだけで、暴力をふるわなくても暴力をふるったのと同じ効果を得ることができます。
中居氏の場合、テレビ局に対して圧倒的な力があるので、女性がテレビ局の社員であれば、なおさら暴力をふるう必要はありません。
ですから、「暴力は一切ございません」というのはほとんど無意味で、自己正当性を訴えたいだけの言葉です。


松本氏はテレビ界への復帰が絶望的になり、「ダウンタウンチャンネル(仮称)」なるものを始めるようです。
なぜテレビ界への復帰が絶望的かというと、松本氏は性加害を否定していますが、世の中の人はそれに納得していないからです。
松本氏の性加害については週刊文春やその他のメディアが詳しく報道していますが、松本氏からは「事実無根なので闘いまーす」と「とうとう出たね」ぐらいしか発信していません。
松本氏は記者会見などて自分の言葉で語って世の中を納得させなければなりませんが、相手方との合意に基づく守秘義務があるということで、それはしません。
なぜ松本氏がそんな守秘義務を受け入れたかというと、性加害があったので、しゃべるとボロが出るからでしょう。
松本氏に性加害はなかったと思っているのは、松本氏の言うことを盲目的に信じる松本信者だけです。



では、中居氏はどうかというと、トラブルがあったことは認めて、「今回のトラブルはすべて私の至らなさによるものであります」とコメントしていますが、それだけです。
「先方との解決に伴う守秘義務がある」としているので、今後も反省の弁を述べることはなさそうです。
松本氏と同じやり方です。
しかし、こちらのほうが問題は深刻です。
というのは、こちらは刑事事件になるべき問題だからです(松本氏の件は時効の壁があって刑事事件にするのは困難でした)。

被害者についてはかなりわかってきています。
フジテレビアナウンサーの渡邊渚氏は、2023年7月ごろ体調を崩して入院したと報道され、その後PTSDを発症していたとか、フジテレビを退社したとかいう報道がありました。どれも小さな扱いのニュースでしたが、憧れて入社したはずのフジテレビをPTSDで退社するというのは尋常なことではないので(渡邊氏は2020年の入社)、どんなことがあったのだろうかと気になりました。
そうしたところ、中居氏がトラブルで9000万円を払った相手が渡邊氏ではないかという報道があり、疑問が氷解しました。
もっとも、被害女性が渡邊氏だと確定したわけではありませんが、まず確実だと思えます。

週刊文春の記事では被害女性を「X子」と表記しています(「A氏」というのは「フジテレビの編成幹部」)。
X子さんの知人が打ち明ける。

「あの日、X子は中居さん、A氏を含めた大人数で食事をしようと誘われていました。多忙な日々に疲弊していた彼女は乗り気ではなかったのですが、『Aさんに言われたからには断れないよね』と、参加することにしたのです」

 なぜなら、X子さんにとってA氏は仕事上の決定権を握る、いわば上位の立場にあった。そして、悪夢のような出来事が起こる。

「飲み会の直前になって彼女と中居さんを除く全員が、なんとドタキャン。結局、密室で2人きりにさせられ、意に沿わない性的行為を受けた。『A氏に仕組まれた』と感じた彼女は、翌日、女性を含む3名のフジ幹部に“被害”を訴えているのです」(同前)

 その頃、芸能関係者が利用するフジテレビ内の更衣室では、異様な光景が目撃されている。

「彼女が鍵のかかった個室に入った後、室内からすすり泣く声が漏れていた。人前では気丈に振る舞っていましたが、彼女のメンタルの不調は、誰が見ても明らかでした」(フジ関係者)
https://bunshun.jp/articles/76186?page=2

これはどう考えても「不同意性交等罪」であると考えられます。今は親告罪ではないので、警察が捜査に入ってもおかしくありません。
とすると、9000万円という巨額の解決金が支払われたのもわかります。
慰謝料などではなく、被害者を口止めして事件をもみ消すためのお金だったのです。

フジテレビは、フジテレビ社員が中居氏と女性を引き合わせたとする報道について「内容については事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません。 会の存在自体も認識しておらず、当日、突然欠席した事実もございません」と否定しています。
中居氏も「お詫び」と題する声明文で「このトラブルについては、当事者以外の者の関与といった事実はございません」と否定しています。
そうすると、中居氏と被害女性(渡邊氏)が互いに連絡を取り合って会食したということになり、まったく話が変わってきます。
これはやはりフジテレビと中居氏が口裏を合わせているとしか思えません。
今後の報道によってはフジテレビは大ピンチになります。


中居氏も松本氏も被害女性との間で話をつければ芸能界に復帰できると思ったのかもしれませんが、そうはいきません。世の中の多数の人が納得する必要があります。
中居氏も松本氏も主にバラエティ番組で活躍する人間です。
バラエティ番組では、恋愛話が大きなウエイトを占めますし、「飲み会」だの「ホテル」だのという言葉も出てきます。そんなときに気まずい雰囲気になったのでは、バラエティ番組が成立しません。
そういう意味で松本氏は徹底的に謝罪して反省の態度を示すべきでした。

中居氏はどうすればいいのか、よくわかりません。
ありのままを話して反省の態度を示すと、罪に問われる可能性がありますし、フジテレビも巻き込んでしまいます。
芸能界引退しかないのかなと思います。


なお、渡邊渚氏は近くフォトエッセイを出版するということで、かなり元気になられたようです。
犯罪行為があったなら告発するべきだと考える人もいるかもしれませんが、中居氏を有罪にしたところでなにもいいことはないので、渡邊氏の判断は批判されるべきではありません。

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松本人志氏は文藝春秋と週刊文春編集長を訴えた裁判を前にして、みずからの心境を文書にして発表しましたが、これがなんとも情けないものでした。
このところ松本氏を擁護する声が盛り上がっていましたが、擁護派の人たちもこの文章を読んでがっかりしたのではないでしょうか。
短い文章なので、全文を引用します。

人を笑わせることを志してきました。

たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、

何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。

世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです。

 ダウンタウン松本人志
「自分の主張はかき消され」といいますが、松本氏が主張したのは「事実無根なので闘いまーす」ぐらいです。
「何ひとつ罪のない後輩達」のことを思うなら、自分が沈黙せずにどんどん発言するべきです。
「一日も早く、お笑いがしたいです」といいますが、そもそも芸能活動休止を決めたのは自分です。法律の専門家はみな、芸能活動をしながら裁判をすることは十分可能だと言っていました。

この文章でただひとつ評価するところがあるとすれば、「家族」を持ち出さなかったところです。「家族がつらい思いをしている」ということで同情を誘うのがありがちな手法です。

文章の全体が「泣き言」か「繰り言」です。
裁判が始まる直前の文章ですから、本来なら裁判闘争に向けての決意表明をするところです。

この文章を「負け犬の遠吠え」とたとえようと思いましたが、「負け犬の遠吠え」は表面的に強がっているときの表現です。
松本氏の文章には強がっているところがまったくなく、悲観一色です。

松本氏はおそらく裁判で訴えるべきことがないのでしょう。
訴えるべきことがあるなら、最初から記者会見などをしているはずです。
裁判を始めたのも、記者会見をしない口実にするためでしょう。
お笑いをしたいなら裁判などするべきではありませんでした。

それに加えて、Xで「とうとう出たね。。。」と「事実無根なので闘いまーす。それも含めワイドナショー出まーす」と発信したところ、世の中から圧倒的に否定されてしまいました。
そのため松本氏は自分が世の中からずれていることを認識し、発信する自信を失ったのでしょう。

松本氏は裁判に備えて弁護士と何度も打ち合わせをしたでしょう。
それによってどの程度勝ち目があるかもわかったはずです。
その結果がこの文章です。


松本氏がこれほど弱気になっているということを世間はまだ理解していないかもしれません。
松本氏は圧倒的な力を持っている人というイメージだからです。
実際、お笑い界に第一人者として君臨し、吉本興業の力もあって、テレビ界にも圧倒的な存在感を示してきました。
体を鍛えてマッチョでもあり、写真ではいつも人をにらみつけるような顔をしています。
長者番付(高額納税者名簿)が発表されていたころ、松本氏と浜田氏はつねに芸能界の一位、二位を争っていましたから、松本氏はお笑い界だけではなく芸能界でもトップの存在です。
安倍首相も松本氏の番組であるワイドナショーを選んで出演していましたから、松本氏は最高権力者にも近いところにいました。

松本氏はあまりにも力を持ったのが間違いのもとでした。
自分の力を過信したため、女性から性加害を告発されたとき、簡単にはね返せると思って、「事実無根なので闘いまーす」と言ってしまったのです。
吉本興業も「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです」と松本氏と同一歩調をとって、松本氏の勘違いを助長しました。

現状を見ると、松本氏の応援団は声を上げていますが、松本氏本人が闘志を失っている状況です。
被害女性が声を上げる#MeToo運動の力は偉大です。
アメリカでは大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインも#MeToo運動で告発されたことがきっかけで失脚しました。
日本で芸能界トップの松本氏が失脚しても不思議ではありません。


ところが、ここにきて急に週刊文春に対する批判が強まりました。
最初のきっかけは、松本氏の性加害告発の最初の記事が載った週刊文春45万部が完売したとして竹田聖編集長がコメントを発表したことです。
ここから週刊文春はもうけ主義だという批判が強まり、週刊誌は嘘を書いて訴訟で負けてももうかるのだといったことが言われました。
たとえば堀江貴文氏は自身のYouTubeチャンネルで「週刊文春はいろんな偉そうなことを言ってますけど、金のためにしかやってません。正義感とか1ミリもないと思います。記事になって自殺した人がいてもしょうがねえって言ってるんですよ。それぐらいのほんとうにクズみたいな組織なんで」と語りました。

それから、文芸春秋の新谷学総局長がYouTubeのある企画で「これを刑事事件として立件するのははっきり言って不可能だと思うんですよ」と述べ、その理由を「彼女の証言だけで、客観的なそれを裏付ける証拠もないわけですよね。それで被害届を出して警察で事件にできるかと言うと、不可能」と語りました。
そうすると、刑事事件にならないものを週刊文春が裁くなら、それは「私刑」ではないかという批判が上がりました。
幻冬舎編集者の箕輪厚介氏は週刊文春のインタビューで「SNSでは毎日のように“ネット生贄ショー”が繰り広げられています。今、文春はこのゲームの旗振り役と化している。文春が『この人だ!』と指差せば、世間は生贄を社会的に抹殺すべく暴走してしまう」と語りました。
古市憲寿氏はワイドナショーで「世の中の受け止め方が今すごい真面目になりすぎてる。週刊誌がなんかもう警察兼、検察兼、裁判所みたいな」と語りました。


メディアの現状を見ると、新聞、テレビが当たりさわりのない報道しかしない中で、週刊文春だけが気を吐いています。
こんな週刊文春批判によって週刊文春の力がそがれてしまったらたいへんです。日本はほんとうにだめな国になってしまいます。
なぜ週刊文春批判が高まったのでしょうか。


松本氏は「男らしさ」を一身に背負ったような人です。その松本氏が#MeToo運動とその背後のフェミニズムに負けるというのは多くの男にとって耐えがたいことです。
かといって、声を上げた被害女性を批判するとセカンドレイプと言われます。
そこで、代わりに週刊文春を批判しているのでしょう。

したがって、ここで週刊文春を批判するのはセカンドレイプも同然の行為です。
しかも、週刊文春は巨悪を撃ってきた唯一ともいえるメディアですから、週刊文春批判は亡国の道です。


松本氏が追い詰められているのは、週刊文春のせいではなく、#MeToo運動のせいであり、声を上げた被害女性のせいです。
松本氏が一日も早くお笑いをしたいなら、一日も早くみずからの罪に向き合い、被害女性に謝罪することです。

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松本人志氏の性加害問題は、週刊文春の続報や過去の発言の掘り起こしによって松本氏が窮地に追い込まれています。
最初に被害女性に謝罪しておけばこんなことにはなりませんでした。

もし松本氏の行為が犯罪だったら謝罪だけではすみませんが、今のところ報道された限りでは、松本氏が抵抗する女性を押さえつけてむりやり性交したとか、ケガさせたとかいうケースはありません。
女性が抵抗を続けると、怒って「出ていけ!」と言って部屋を追い出すか、「本番」以外の行為をさせて妥協しています。
今の時代はこれも犯罪ですが、10年ほども前のことですから、検察は「本番」行為がなければ起訴しても有罪にならないと判断したでしょう。
ですから、松本氏も自分の行為は非難されるものではないと思っていた可能性があります。

しかし、法律的に罪にならないとしても、女性の心を傷つけたのですから、謝るのは当然のことです。
「自分としては傷つけるようなことをしたつもりはなかったが、相手が傷ついたと言うなら、そうなのだろう。自分が間違っていた。申し訳なかった」と言えばいいわけです。

松本氏は謝罪しなかったために、「事実無根です」などと逆方向に暴走しました。
そのおかげでいろいろな問題が見えてきたということがあります。
たとえば、松本氏の女遊びの実態と後輩芸人との関係、吉本興業の問題対応能力のお粗末さがあらわになりました。
そして、なによりも性加害の実態が広く知られるようになりました。


松本氏はなぜ謝罪しなかったのでしょうか。

謝罪というと普通は、親が子どもに「謝りなさい」と言って謝らせるか、会社で失敗した部下が上司に謝るということが思い浮かぶでしょう。
たいていは下の人間が上の人間に謝るものです。「謝らされる」といったほうがいいかもしれません。
上司が部下に謝ることもありますが、それは上司が心の広い人間である場合だけです。パワハラ上司が部下に謝るということはありません。ガミガミ怒ってばかりいる親が子どもに謝ることもまずないでしょう。
つまり上の立場の人間が下の立場の人間に謝るのは心理的抵抗があるものです。


松本氏は女性を性の対象としてしか見ていなくて、女性が傷つくことに無頓着であるようです。
男性のこうした態度をミソジニーといいます。
ミソジニーは「女性嫌悪」とも「女性蔑視」とも訳されますが、嫌悪と蔑視では意味がかなり違います。
私としては「女性蔑視」とするのがいいと思います。
ミソジニーの男は女性を自分より下の人間と見ているのです。
そのためミソジニーの男は「謝れない男」でもあります。

松本氏は芸人の後輩に女性の調達をさせていることから、後輩も見下しているようです。また、体罰肯定論をずっと主張していたので、子どもも見下しています。
松本氏は女子ども後輩を見下しているわけです。


もっとも、松本氏は昔からそうだったわけではありません。
ダウンタウンは1980年代後半から頭角を現し、まったく斬新な漫才で人気を博しました。20代半ばの彼らは若者のヒーローでした。
当時の若者は、今も松本氏に特別の思い入れがあるようで、『松本人志”逆告発”ムーブが増大…「14歳の春に」「私も。まだ中1の春でした」 ネット賛否』という記事に、若いころにファンだった人がその思いをXに投稿しているということが書かれています。
 連発する週刊誌の告発の文体を意識するような「ある告発」が24日、X上に投稿され、注目を集めた。「私も匿名だけど告発します」の書き出しで「『松本人志さんから13歳の夏に...』生きる力を貰いました」と続く。「ダウンタウン」と松本を肯定的にとらえた”エール”だった。

 それらに準ずるように「松本人志さんから14歳の春に、、、友人をつくる術を教えてもらいました」と感謝したり、「私もです。まだ中1の春でした」と書き出した「笑いはキレイなものばかりではない。哀愁や悲しさでも笑えると、教えてもらいました」といったものも…。日を追うことにこうした同様の文体で訴える投稿は数を増し、一種のムーブメントとなりつつある。
私がこれを読んだときに思い出したのは、神戸児童連続殺傷事件の犯人であった酒鬼薔薇聖斗こと少年Aが『絶歌』という著書の中で松本氏について書いた文章です。松本氏のことを深いレベルでとらえているのに感心して、かつてこのブログで引用したことがあります。それをここで再録しておきます。
ダウンタウンは関西の子供たちにとってヒーローだった。「ダウンタウンのごっつええ感じ」が放送された翌日には、みんなで彼らのコントのキャラを真似して盛り上がった。
他の同級生たちがどう見ていたのかは知らないが、僕がダウンタウンに強く惹きつけられたのは、松本人志の破壊的で厭世的な「笑い」の根底にある、人間誰しも抱える根源的な「生の哀しみ」を、子供ながらにうっすら感じ取っていたからではないかと思う。にっちもさっちもいかない状況に追い詰められた人間が「もう笑うしかない」と開き直るように、顔を真っ赤にして、半ばヤケっぱちのようにギャグを連射する松本人志の姿は、どこか無理があって痛々しかった。彼のコントを見て爆笑したあとに、なぜかいつも途方もない虚しさを感じた。
若者は親、教師、権威、権力に抑圧されているので、必ず葛藤を抱えています。松本氏は若者の葛藤を誰よりも体現していたので、若者のヒーローになったのでしょう。

「笑い」の芸能は、権威や権力も笑いの対象にするので、必然的に反権威、反権力の面があります。
ツービートが出てきたときなど、典型的な反権威、反権力の笑いでした。ビートたけし氏は今もそのころと基本的に変わっていません。
浜田雅功氏もずっと“悪ガキ”のままです。

しかし、松本氏は反権威、反権力からどんどん権威、権力の側にシフトしていきました。
今ではほとんどのお笑いコンテストで審査員を務めるなどして、お笑い界の最高の権威になっています。
また、安倍首相と会食し、安倍首相を自分の番組に呼ぶなどして、国家権力に接近しました。
このようなお笑い芸人は過去にいなかったでしょう。

なお、吉本興業も安倍政権と菅政権に接近し、大阪の維新の会とも連携して、国や大阪の仕事を受けるようになっています。


松本氏は自分が権威、権力になったので、ますます「謝れない男」になりました。
とりわけ安倍首相に接近して、“アベ友”になったのは最悪です。
安倍首相を中心とした保守派は最悪のミソジニーだからです。

慰安婦問題では、名乗り出た元慰安婦の女性を保守派は嘘つき呼ばわりしていました。相手が韓国人なので日本国内ではあまり問題にされませんでしたが、国際社会から見たらひどい話です。結局、安倍首相はオバマ政権の圧力で慰安婦問題に関して「おわびと反省」を口にせざるをえませんでした。

伊藤詩織さんをレイプした山口敬之氏もアベ友でした。保守派はこぞって被害者として名乗り出た伊藤さんを誹謗中傷しました。山口氏は伊藤さんがレイプされたあとに出したメールを公開して、レイプがなかった証拠だと主張しましたが、松本氏が被害女性のLINEを引用して「とうとう出たね。。。」とポストしたのが、それとまったく同じ手口です。

松本氏は安倍首相に接近したためにミソジニーを強めて、よりいっそう「謝れない男」になったに違いありません。


私自身は、ダウンタウンが出てきたころはほとんどテレビを見ない生活をしていたので、当時のことはよく知りません。印象に残っているのは、2000年から始まった「松本紳助」です。松本氏と島田紳助氏が向かい合ってしゃべるだけの番組ですが、これが驚くほどおもしろいものでした(最初の1、2年だけですが)。「すべらない話」も最初のうちはおもしろく、芸人が実際にあったことをおもしろく語るという“エピソードトーク”を始めたのも松本氏ですから、お笑いの能力は傑出していたと思います。

しかし、松本氏が権力の側に傾斜するとともに(マッチョになったのもそのころ?)、世の中の常識を揺さぶるような笑いはなくなり、強い者が弱い者を笑う笑いに変化しました。
“悪ガキ”のままの浜田氏が横にいるので救われていますが、松本氏一人のときは権力者くささが鼻についてまったく笑えません。若い人に支持された昔の松本氏とはまったく違います。

お笑い芸人なら、スキャンダルが出てきたときは、認めることは認めて、笑いに変えなければなりません。実際、「まつもtoなかい」で松本氏は「文春が来た時の一言目はもう決めてるんだけどね。『とうとうバレたか~』って言って逃げたろうかなって思ってる」と言っていました。
ところが、実際はまったく笑いのない方向に逃げたのですから、お笑い芸人として終わっています。
認めることのできないようなことをしていたのなら、やはり終わっています。

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松本人志氏の性加害に関する文春砲の第二弾は、「三人の女性が新証言」「恐怖のスイートルームは大阪、福岡でも」という見出しで、C子さん、D子さん、E子さんの3人がそれぞれに体験したことを語りました。
3人とも松本氏の後輩芸人に誘われ、飲み会に行ったりしたあと、最終的に高級ホテルの一室に誘われました。すると、そこに松本氏がいます。
C子さんは自分が松本氏とセックスをします。
D子さんは松本氏と二人きりになるのを拒み、D子さんの友人が部屋に残りました。
E子さんも松本氏と二人になるのを拒み、結局友人が松本氏に“献上”され、エッチをしたとあとで友人から聞きました。

3人の女性が松本氏とセックスをしたと見られますが、どれも「合意」の上のことですから、文春砲第二弾は拍子抜けです。

ですから、今のところ松本氏にとって問題なのは、文春砲第一弾のA子さんとB子さんのケースだけです。これは性行為の「強要」があったとされるので、深刻です。
とはいえ、刑事事件にはなりそうにないので、松本氏がすぐに反省の態度を示して謝罪すれば、大きな問題にはならなかったでしょう。
ところが、松本氏は「事実無根」と言ったために、A子さんは怒って「今後、裁判になったとしたら証言台で自分の身に起きたことをきちんと説明したいと考えています」と今回の文春の記事の中で言っています。
今後の裁判というのは、性行為の「強要」があったか、それとも「合意」があったかということが争点になると思われるので、A子さんが毅然とした態度で証言すると松本氏は苦しくなります。


ただ、謝罪会見というのはむずかしいものです。
これまで企業や個人が数々の謝罪会見を行ってきましたが、謝罪のしかたによってはかえって炎上します。
松本氏の場合、性格的に「真摯に謝罪する」ということができません。これまでそんな場面を一度も見たことがありませんし、真摯になるべき場面でも必ず笑いを入れてごまかしてきました。

しかも、この場合は女性に対して謝罪するわけです。
松本氏は女性を見下してきた人ですから(とくに性的な場面で)、「女性に対して真摯に謝罪する」というのは、松本氏においては不可能の上に不可能を積み重ねた行為です。

本来なら吉本興業が松本氏に謝罪会見をさせるところですが、吉本興業と謝罪会見というと、闇営業問題で宮迫博之氏と田村亮氏が真摯な会見をしたことが思い出されます。
そして、吉本の岡本明彦社長はなんと5時間半にも及ぶグダグダの会見をして、世の中をあきれさせました。
ただ、そのときに岡本社長は宮迫氏と田村氏の処分を撤回すると発表しましたが、宮迫氏はいまだにテレビに出られず、田村氏もほとんど“干された”状態になっています。
真摯な謝罪会見をした宮迫氏と田村氏が日陰に追いやられ、グダグダの会見をした岡本社長は今も芸能界の支配的立場にあります。

吉本興業がテレビ局に対して圧倒的な力を持っているのは旧ジャニーズ事務所と同じです。
これを機会に吉本興業のあり方も正常化してほしいものです。


今後行われる裁判で松本氏が勝訴しても、松本氏が今まで通り活躍できるようになるかというと、そうはいかないでしょう。
文春のふたつの記事は新たな問題をあぶり出しました。

文春の記事によると、松本氏はしょっちゅう女性との飲み会をして、その中から一人の女性を選んでセックスをしていることになります。
既婚者の身でそういうことをしているのを不愉快に思う人が多いでしょう。
そして、毎回違う女性を選んでいるのも不愉快に思う人が多いでしょう。
浮気や不倫は多少なりとも恋愛の要素がありますが、松本氏の場合は女性を性の対象としてしか見ていません。

それから、飲み会に女性を集めるのを後輩芸人にやらせ、セックスの対象に選んだ女性を口説くのも後輩芸人にやらせています。
文春が「SEX上納システム」と書いたのはそういうことです。
女性を集め、口説くといういちばんむずかしいところを後輩にやらせ、自分はおいしいところだけいただくというやり方です。
まるで大奥で女性を選んだ将軍です。


「SEX上納システム」は後輩芸人の働きによって成り立っています。
今回の記事には、福岡ではパンクブーブーの黒瀬純氏とその後輩芸人、大阪ではクロスバー直撃の渡邊センス氏とたむらけんじ氏がその役割をしていたと書かれています。前回の記事では小沢一敬氏でした。
ほかにもいっぱいいそうです。というのは、「人志松本のすべらない話」に出演した博多大吉氏も、女性を集めて松本氏を接待したという話をしているのです。
YouTubeからその話を要約して紹介します。

「ぼくら福岡で先輩芸人がこられたときにおいしいお店に連れていったり、女性をセッティングしたりというのを15年ぐらいやってたんです。十何年前、松本さんが初めて福岡にこられたとき、今田さんらと5人ぐらいでくると。で、わかってるかと、ちゃんと女の子を用意するようにと。正直言って、人気のない先輩だと女の子はあんまり集まらないんですけど、松本さんなら余裕で集まると思ってたんです。しかし、女の子に声をかけると、松本軍団が全国を飲み歩いているというのがへんな感じで伝わっていて、みんな飲み会は行きたくないと。なぜならなにされるかわからないと。いただける笑いよりも、のちに与えられる暴力のほうが上回るだろうと。前日か前々日に、飲み会に行ってもいいよという女の子は一人だったんです」

このあと、多方面に声をかけまくったら50人の女の子が集まって、飲み会の費用が33万6000円になり、松本氏の顔が青くなったというオチになります。
この話には「SEX上納」は出てきませんが、「いただける笑いよりも、のちに与えられる暴力のほうが上回る」という言葉は重いものがあります。

たむらけんじ氏は飲み会のあったことは認めていますし、LINEが流出したことで小沢氏の飲み会があったことも確かです。「SEX上納」の部分については女性の証言だけですが、松本氏の過去の行状などからもあったことは間違いないでしょう。

後輩芸人は、松本氏のために女性を集め、松本氏とセックスするかどうかまで確かめているわけで、こんなことはしたくないに決まっています。
松本氏が権力を持っているから、後輩はしかたなくしているのです。後輩にすればパワハラです。
いずれ後輩からパワハラを告発する声が上がっても不思議ではありません。


私は性加害の問題が発覚する以前から、松本氏の人間性を嫌っていました。

松本氏は体罰賛成論者で、テレビで何度も体罰賛成論を述べていました。
橋下徹氏も昔は体罰賛成論を盛んに主張していましたが、時代の流れを読んで、あるときから体罰否定論に転換しました。
しかし、松本氏は2017年にトランペット奏者の日野皓正氏が男子中学生にビンタするという事件があったときも体罰賛成論を言っていたので、おそらくテレビで最後まで体罰賛成論を言った人間です。

また、松本氏は赤ん坊や母親にもきびしいことを言ってきました。
かつてツイッターに「新幹線で子供がうるさい。。。子供に罪はなし。親のおろおろ感なしに罪あり。。。」と投稿したことがあります。つまり泣いた赤ん坊の親を責めたのです。
また、やはり新幹線の車中で、母親が1歳未満の赤ん坊に話しかけているのがよほど気にさわったらしく、「2時間半もずーっとしゃべってんねん、まだしゃべれん子に」と言い、それで赤ん坊が言葉を覚えると指摘されると、「家でやったらええやん。新幹線はそういう場所じゃないやん」と主張を曲げませんでした。

子どもや赤ん坊や母親にきびしいということは、要するに弱い者にきびしいということです。
松本氏の笑いは弱者をバカにしていて、学校でのいじめにつながっているという批判が前からありましたが、もっともなことです。

女性をとっかえひっかえして性欲のはけ口にし、後輩芸人を女性調達係として使い倒すというのは、人として許されません。
松本氏がそんな人間だとわかったら、裁判がどうなろうと、もう笑えないのではないでしょうか。

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(「週刊文春」1月18日号より)

1月8日、吉本興業は松本人志氏の芸能活動休止を発表しました。
あくまで「活動休止」であって、「活動自粛」でも「謹慎」でもありません。つまり悪いことはしていないというスタンスです。

吉本興業としては、松本氏へのスポンサーや国民の風当たりが強いので、松本氏に謝罪の言葉を述べさせてしばらく謹慎させたかったでしょう。そうすれば半年ぐらいで復帰できるかもしれません。
しかし、松本氏は「謝罪しない人」です(杉田水脈議員もそうです)。これまで謝罪するべき場面でも笑いを混ぜてごまかしてきました。
今回は「自分は悪くない」という態度を貫いていて、活動休止発表と同じ日にXへ「事実無根なので闘いまーす。それも含めてワイドナショー出まーす」と投稿しました。

吉本興業は松本氏の意向を尊重して、「裁判に注力するため」という理由をつけて「活動休止」としました。
裁判といっても実務は全部弁護士がやるので、松本氏は裁判しながら芸能活動をすることは十分に可能です。「裁判に注力するため」というのはあくまで口実です。

週刊文春編集部もその日のうちに「一連の報道には十分に自信を持っており、現在も小誌には情報提供が多数寄せられています。今後も報じるべき事柄があれば、慎重に取材を尽くしたうえで報じてまいります」というコメントを発表しています。
そして、次号に掲載される記事の見出しが明らかになりました。それがこの冒頭に掲げたものです。
それによると、新たに3人の被害女性が証言しています。

これから起きる裁判は、松本氏が名誉棄損で週刊文春を訴えるものになると思われますが、被害女性の証言の信憑性が問題になります。写真や録音の証拠がないのが弱みでしたが、何人もの証言がだいたい一致していれば、それが信憑性を保証することになります。
裁判はどう考えても松本氏が不利です。


松本氏は世の中の変化がまるで見えていなくて、ドン・キホーテのように世の中に向かって突進しています。
Xへの「事実無根なので闘いまーす。それも含めてワイドナショー出まーす」という投稿にも、世間の風は完全に逆風です。「ワイドナショーで後輩芸人相手にしゃべっても意味はない。記者会見をしろ」「フジテレビは公共の電波を一人の男の弁解のために使わせるつもりか」などの声が上がっています。
「事実無根なら記者会見で説明しろ」という声はもっともなもので、松本氏の欺瞞を浮き彫りにしています。

なお、松本氏はXを更新して、「ワイドナショー出演は休業前のファンの皆さん(いないかもしれんが💦)へのご挨拶のため。顔見せ程度ですよ」とトーンダウンしました。
「事実無根」であることをテレビで説明できないのであれば、裁判闘争もまともにできるとは思えません。


松本氏はまた、1月5日にXに「とうとう出たね。。。」というコメントとともにあるLINEの画像を貼り付けました。
その画像は「週刊女性PRIM」が報じたもので、被害女性A子さんが小沢一敬氏に宛てたものとされます。文面は「小沢さん、今日は幻みたいに稀少な会をありがとうございました。会えて嬉しかったです。松本さんも本当に本当に素敵で、●●さんも最後までとても優しくて小沢さんから頂けたご縁に感謝します。もう皆それぞれ帰宅しました ありがとうございました」というものです。
性加害にあった女性がこんなLINEをするはずがないと松本氏は主張したいのでしょう。
しかし、レイプされた被害者が加害者に迎合するのはよくあることです。

伊藤詩織さんが山口敬之氏にレイプされた事件において、伊藤さんはレイプされた日の3日後に山口氏にあてて「山口さん、お疲れ様です。無事ワシントンへ戻られましたでしょうか?VISAのことについてどのような対応を検討していただいているのか案を教えていただけると幸いです」というメールを送っていました。
山口氏はこれを性行為に合意があった証拠だとし、山口氏の応援団もこぞって、「レイプされた人間がこんなメールを送るはずがない。伊藤詩織はうそつきだ」と言い立てました。
しかし、人間の心理として、あまりにも衝撃的な出来事があって、心がそれを受け止められないとき、あたかもそれがなかったかのようにふるまうということがあるものです。これがひどくなると、解離性障害といって、記憶が飛んだり、人格が変わったりします。
東京地裁は2019年12月の判決で、このメールに関して「同意のない性交渉をされた者が、その事実をにわかに受け入れられず、それ以前の日常生活と変わらない振る舞いをすることは十分にあり得る」「メールも、被告と性交渉を行ったという事実を受け入れられず、従前の就職活動に係るやり取りの延長として送られたものとみて不自然ではない」と明快に判断しました。
私はこの判決を見て、ほっとしたのを覚えています。当時の常識からは、このメールがレイプのなかった証拠とされることもありそうだったからです。

当時は伊藤詩織さんへの誹謗中傷が激しく、伊藤さんは日本を脱出してイギリスに移住せざるをえませんでした。
しかし、伊藤さんの奮闘のあと、#MeToo運動が起こり、自衛官の五ノ井里奈さんの告発があり、ジャニー喜多川氏の性加害の被害者が声を上げて、世の中の価値観が変わってきました。
ところが、松本氏はこうした世の中の変化を理解していなかったようです。
松本氏から性加害を受けたという女性が次々と出てきたのは誤算だったでしょう。


松本氏は時代が読めないドン・キホーテであるだけではありません。

松本氏の周りの芸人たちは、この問題に関してほとんどコメントしていません。
12月29日の「ワイドナショー」で、東野幸治氏は「ちょっとびっくりしましたけど」と言い、今田耕司氏は「僕が知ってる松本さん、小沢君がとても言うとは思えないです、記事に書かれているようなコメントを。合コンとかしたこと、何度もありますけど」と言い、あと、ほんこん氏は自分のYouTubeチャンネルで「俺の子を産めとか言うかな?」「俺は相当、(松本氏は)自信があるのではないかなと思いますけどね」と言いましたが、3人とも松本氏と直接話はしていないわけです。
親しい関係なら「文春の記事、ほんまでっか?」と聞いて、その返事をみんなに伝えます。
おそらく松本氏は周りの芸人からも超越的な存在なので、おそれ多くて誰もなにも聞けないのでしょう。


吉本興業の経営陣も同じです。
活動休止を発表した前日、日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の放映があり、冒頭でダークスーツ姿の藤原寛吉本興業副社長が「番組を始める前にわたくしのほうから謝罪とお知らせをさせていただきたいと思います」と切り出し、「2023年、弊社所属芸人が皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしまして、本当に申し訳ございませんでした」と頭を下げましたが、なにについて謝罪しているのかは言いません。
隣の松本氏が「誰のことやねん。いっぱいいるからわからへん」などと突っ込んでいました。

松本氏の性加害問題を笑いにしてごまかすのかと驚きましたが、どうやらこの番組が収録されたのは文春が性加害を報道する以前のことだったようです。ですから、謝罪の対象は“当て逃げ”の藤本敏史氏のことだったと思われます(ほかに浜田雅功氏の“パパ活”などもありました)。
しかし、冒頭場面をカットするか撮り直しすることもできたはずです。そのまま放映したのは、吉本興業はやはり松本氏の性加害問題を笑いでごまかしたかったのでしょう。

吉本興業の岡本昭彦社長も藤原寛副社長も、今は万博催事検討会議共同座長をやっている大崎洋前会長も、みんなダウンタウンのマネージャーだった人です。つまりダウンタウンのマネージャーをやることで出世して経営の中枢に上り詰めたのです。
経営陣と松本氏は一体です。
経営陣も「事実無根」という主張は無理筋だと思っていても、松本氏にはなにも言えないのでしょう。

松本氏はお笑い芸人として圧倒的権威となり、吉本興業においても稼ぎ頭となったことから、誰も意見できない「裸の王様」になりました。


裸の王様はいずれ恥をかくことになりますが、このままでは吉本興業もいっしょに恥をかいてしまいます。
裁判のゆくえ以前に、吉本興業と松本氏の関係に注目です。

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2023年はジャニーズ事務所と宝塚歌劇団という芸能界の権威の中の闇があばかれた年でしたが、最後に松本人志氏の性加害スキャンダルが出て、芸能界に激震が走りました。
松本氏は吉本興業のタレントの中心的な存在であり、ダウンタウンとして大阪万博のアンバサダーも務めています。
今は週刊文春の第一報が出ただけですが、今後の展開から目が離せません。

『《参加女性が続々告発》「全裸の松本人志がいきなりキスしてきて…」「俺の子ども産めや!」1泊30万円の超高級ホテルで行われた「恐怖のゲーム」』という文春オンラインの記事で概略が読めますが、これは無料版なので詳しくありません。
「松本人志の性加害疑惑内容まとめ」というまとめサイトはもう少し詳しいですが、正確なまとめとは限りませんし、焦点もはっきりしません。
そこで、私が「週刊文春1月4・11日新年特大号」の記事から、重要な部分を紹介します。
重要な部分というのは、松本氏の行為は犯罪に当たるのか、犯罪でなくても倫理的に許されず芸能界を引退するレベルのものか、謝罪すればすむレベルのものか、そもそも記事内容はどの程度確かなことなのか、といったことです。


2015年の冬、A子さんはスピードワゴンの小沢一敬氏から飲み会に誘われます。A子さんは小沢氏の飲み会に何回か参加したことがあります。ただ、そのときは小沢氏から「VIPをお呼びするから絶対ドタキャンはしないように」と言われます。
飲み会の場所は六本木のグランドハイアット東京の「グランドエグゼクティブスイートキング」という一泊約三十万円の部屋です。女性の参加者はA子さんを含めて3人、男性は小沢氏と放送作家X氏、そこにA子さんには「ものすごいVIP」としか知らされていなかった松本氏が現れます。
松本氏は飲むとだんだん饒舌になり、「日本の法律は間違ってると思うねん。俺みたいな金も名誉もある男が女をたくさん作れるようにならないとあかん。なんで嫁を何人も持てないんや」などと言います。
女性の一人が「素敵な奥様がいらっしゃいますよね」と言うと、松本氏は「女は出産すると変わんねん」と言い、女性たちに向けて「俺的には三人とも全然ありやし。で、俺の子ども産めるの? 養育費とか、そんくらい払ったるから。俺の子ども産まん?」などと言います。
夜10時すぎ、小沢が「さぁ、みんなでゲームを始めよう」と言います。グーチョキパーによって男と女がペアになり、松本氏が寝室、X氏が浴室、メインルームのソファに小沢氏がいて、15分ほどで女性は部屋を移動するというゲームです。

A子さんが寝室で松本氏と対面したときの様子を記事から引用します。

A子さんが恐怖の体験を振り返る。
「いきなりキスされ、混乱していると、松本さんは『さっきの話や。俺の子ども、産めるの?』と迫ってきた。またキスされそうになったので、しゃがんで抵抗したところ、足を固定されて三点止めの状態にされてしまった。その日、私はボタン付きのシャツを着ていましたが、松本さんが無理やり上から脱がそうとしたため、ビリッと破れてしまった」
いつの間にか松本は全裸になり、身体を押し付けてくる。A子さんは唖然と佇立するしかなかった。
「松本さんは『俺の子どもを産めや』と呪文のように唱えてきて、それでも拒否していると大声で『なぁ! 産めへんのか!』と。恐怖で震えている私を見て、ますます興奮しているようでした。私は『このまま本当に殺されるかもしれない』とパニック状態になりました」(同前)
A子さんの右手を掴んだ松本は、股間を触るように誘導してきたという。
「私は『ホント、すみません、すみません』と必死に拒否しながらも『一度射精させれば襲われなくなるかもしれない』と防御策を考えました。何度も抵抗した後、右手だけで応えるようにしていたんですけど、しゃがみ込んだ途端に口に押し入ってきた。そして最後は口内に出されました。その瞬間、頭の中が真っ白になってしまった」(同前)
それから約十秒と経たないタイミングだった。
「はい、終了~!」
隣室から小沢が嗄れ声で叫んだのだ。
「あまりのタイミングの良さに『相当慣れてるな』と思ったんです。口の中の精液を目の前で吐き出すと怒られるかもしれないと思い、松本さんがリビングに行った瞬間を見計らい、ベッド右脇の床に吐き出してしまいました」(A子さん)

被害者はA子さんだけではありません。

A子さん参加の飲み会の3か月ほど前、B子さんはやはり小沢氏に誘われて飲み会に参加しました。場所は同じグランドハイアット東京の「グランドエグゼクティブスイートキング」で、参加者は男性4人、女性4人でした。そして、飲んでいると“ゲーム”が始まります。
B子さんが松本氏の部屋に入ると、松本氏は全裸になってベッドに引きずり込んできました。そのときに言われた「君みたいな真面目な子に俺の子どもを産んでほしいねん。君の子どもがほしい」という言葉がB子さんの脳裏に焼きついています。
B子さんが必死に抵抗すると、「セックスがだめなら口でやって」と言い、B子さんが「むりです」と断ると、「口がだめなら手でやって」と言い、ベッド上の攻防は十数分続き、心が折れて、「最後は私の手の中で果てていました」(B子さん)ということです。
それから数年間、B子さんはPTSDに悩まされ続けました。


これらの行為は法的にはどうなのでしょうか。
「口淫」と「手淫」であって、「挿入」はありません。
かつて強姦罪は姦淫すなわち性交のみが処罰対象でした。
しかし、2017年の刑法改正により「強姦罪」は「強制性交等罪」と名前が変わり、性交のほか、肛門性交、口腔性交も処罰対象となりました(男性の被害も認められ、非親告罪となりました)。
ただ、松本氏の行為は2015年のことですから、処罰対象にはなりません。
それに、当時この事件が発覚して、検察がむりやり起訴に持ち込んだとしても、裁判所は「性交していない」ということのほかに、「被害者は拒否しようとすればできたのにしなかった」という論理で松本氏に強姦罪を適用しないでしょう。

松本氏の行為に刑法上の罪は問えないと思われます。
しかし、それはA子さんとB子さんに「性交」がなかったからです。
飲み会に参加したほかの女性には「性交」をした人もいるはずです。
「三人中、二人が生理やん。どないなってんねん!」と松本氏が怒ったとA子さんは言っています。性交できない女性を「生理」という隠語で呼ぶそうです。
松本氏と性交した女性が被害を訴えたら、強姦罪の時効は10年なので、即「松本アウト~」となります。
今回の文春の報道が呼び水となって、被害を訴える女性がさらに出てくるかもしれません。

もっとも、松本氏は「証拠がない」と主張して争うかもしれません。飲み会参加の女性は松本氏がくる前に携帯電話を預けさせられています。ですから、証拠の写真や録音はないはずです。
しかし、「証拠がない」と言って無実を主張するのは、今では裁判所はともかく世の中が許しません。


性交に関して、同意があったか強制だったかということはしばしば問題になります。腕力が強い男、権力を持った男に女性は強く抵抗できませんが、そうすると「合意があった」と見なされがちです。
そこでさらに法律が改正され、2023年7月に施行された改正法では「強制性交等罪」は「不同意性交等罪」という名前に変わり、成立要件がより明確になりました。
たとえば「暴行又は脅迫」「アルコール又は薬物の影響」「 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮」などで「同意しない意思を形成したり表明したりするのが困難な状態」であれば、不同意性交等罪が成立します。

松本氏は芸能界の大物で、筋肉ムキムキです。A子さんは小沢氏から「くれぐれも失礼のないように。怒らせるようなことをしたら、この辺、歩けなくなっちゃうかもしれない」と言われます。スイートルームにいる男たちはみな「セックスするのが当たり前」という認識でいます。この状況で拒否するのはたいへんです。
もし当時に「不同意性交等罪」があったら、松本氏は完全に有罪です。
「昔はそんな法律はなかったからいいんだ」という言い訳は、やはり世の中が許しません。


この7年間に2度も「強姦罪」に大きな変更が加えられたのは、強姦に関する世の中の価値観が大きく変わってきたからです。昔の法律はあまりにも男に都合よくできていました。
もしA子さんとB子さんの事例だけなら、刑法的にはセーフです。しかし、世の中の価値観からはアウトです。
ほかの事例が発覚すれば刑法上もアウトです。


吉本興業は週刊文春の記事に関して「当該事実は一切なく、本件記事は本件タレントの社会的評価を著しく低下させ、その名誉を毀損するものです」「厳重に抗議し、今後、法的措置を検討していく予定です」という声明を発表しました。
この時点では、文春記事は事実か否かが問題になりそうな感じでしたが、その後、松本氏も小沢氏もノーコメントを貫いているので、松本氏を擁護する声はなくなりました。
松本氏のキャラクターや日ごろの言動から、文春の記事のようなことはあったに違いないと思う人が多いように思えます。

松本氏は沈黙したままこの問題から逃げきることはできません。
自分は無実だと主張すると、被害女性は嘘つきだと決めつけることになり、非難の火に油を注ぐようなものです。
松本氏が芸能活動を続けたければ、罪を認めて、謝罪し、被害者に補償することです。
松本氏のお笑いの才能は多くの人が評価しているので、真摯に謝罪すれば世の中も許してくれるかもしれません。
テレビに出られなくてもYouTuberとして活躍することはできます。

問題は吉本興業です。
松本氏全面支持の声明を出してしまったので、路線転換できるかです。
松本氏が反省の態度を示さない場合、島田紳助氏のように切り捨てられるかが問われます。


「俺の子どもを産めや」というのは奇妙なセリフです。セックスしたい男は「ちゃんと避妊するから」と言って口説きます。
小沢氏は「松本さんの性癖って本当に凄く変わってるの。AV女優とかプロの女性はダメで、ファンの子もダメなのよ。そこに価値を感じないわけ」と言います。
松本氏も「最近は俺、図書館にいる司書さんみたいな人と付き合いたいねん」と言います。

松本氏の立場なら、あと腐れなくセックスさせてくれる女性を見つけるのは容易なはずです。しかし、そういう女性では満足できないのでしょう。
「俺の子どもを産めや」と言って、相手の女性の拒否感を強めておき、そういう女性を支配することに喜びを感じるのです。
ただ、腕力や暴力を行使せずに、心理的に屈服させ、支配するのです。
そのため、「ほとんど強制だが、完全に強制とはいえない」という微妙な状況になって、気の弱い女性はレイプされ、気の強い女性はレイプを免れることができるというわけです。

松本氏はきわめて支配欲、権力欲の強い人です。
松本氏はほとんどのお笑いコンテストで審査員を務めています。そのためお笑い界で権威になり、それはお笑い界にとってよくないことだと、オリエンタルラジオの中田敦彦氏が松本氏を批判しました。まっとうな批判でしたが、逆に中田氏がたたかれました。松本氏の芸能界における支配力が強すぎたのです。
松本氏はカリスマといってもいい存在になり、女性蔑視発言やさまざまな問題発言をしても謝罪せずに許されてきました。
こういう権力欲の強い人は、謝罪することを人よりも屈辱的に感じるのでしょう。

今後は、松本氏がどれだけ真摯な謝罪をするかが問題になると思われます。

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日本では、子どもを持つ母親は肩身の狭い思いをしなければなりません。
たとえば赤ちゃん連れで新幹線に乗ることもたいへんなようです。

5か月の子どもを育てている母親が夫の実家に産後初の帰省をするのに新幹線に乗るに際して、その悩みをネットで相談したということが『「赤ちゃん連れの新幹線、ギャン泣きしたらどうしようと不安です」母親の相談に注目集まる』という記事で紹介されました。
母親は車で帰るか新幹線で帰るか考えて、赤ちゃんの負担の少ない新幹線を選んだのですが、赤ちゃんは泣きだすと疲れるまで泣きやまないことも多く、「周りに迷惑をかけてしまうな、とか、うるさいって怒鳴られたらどうしようと不安で」と、経験者にアドバイスを求めました。

すると、「精神的なことを考えたら時間はかかっても車のほうが楽」とか「ピリピリしてる雰囲気があるから、私なら怖くて赤ちゃんを連れて電車移動できない」とか「本当にどうしようもなくなって、途中下車して30分待ったこともある。自由席切符だから出来ることだね」というように、赤ちゃん連れ新幹線乗車に否定的な声が多くありました。
新幹線に乗ることを応援する声もありますが、そういう声にもたいてい「子どもが泣いたり騒いでるのに放置とかあやそうともしない人はどうかと思うけどね」というただし書きがついています。

「泣いたらデッキに連れ出すべきだ」という声もありますが、「デッキは騒音が大きいので、かえって泣く」という反論もあります。

「泣いてる赤ちゃんを放置している母親はけしからん。ちゃんとあやすべきだ」という声が多いのですが、母親があやしたからといって必ずしも泣きやむわけではなく、そこに母親の悩みがあります。


新幹線と赤ちゃんで思い出すのは、6年前の松本人志氏のツイートです。

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これが話題になり、1万件のリツイート、1.9万件の「いいね」がつきました。

松本氏は、子どもに罪はないとする一方で、親に罪を押しつけています。少なくとも「おろおろしろ」と親に重荷を負わせています。
赤ん坊を泣きやます魔法はないので、親は誰もがおろおろしなければならないことになります。

松本氏のような考え方に多く「いいね」がつく世の中では、子ども連れの親は肩身の狭い思いをしなければなりません。
これも少子化が進む理由でしょう。


なお、「公共の場でみんなに迷惑をかけてはいけない」という理由から、泣く可能性のある赤ん坊を電車に乗せるなという意見もあります。
この意見は「公共」の意味がまったくわかっていません。
私的なパーティとかコンサート会場のような特殊な場所なら「赤ん坊を連れてくるな」ということも言えますが、公共の場はみんなに開かれているので、赤ん坊を排除することはできません。
赤ん坊が泣いたときには、眉をひそめたりしないのが公共の場におけるマナーです。
これは、のろのろ歩く老人や車椅子の人に眉をひそめたりしないのと同じです。
松本氏のような人は、公共の場におけるマナーができていません。


昔から「泣く子と地頭には勝てぬ」と言って、人々は泣く子はどうにもならないものとして受け入れてきました。
ところが、現代人は泣く子に勝とうとして、母親に圧力をかけているわけです。

「泣く子」だけではありません。
「騒ぐ子ども」や「遊ぶ子ども」も公共の場から排除され、親は子どもに「おとなしくしなさい」と圧力をかけ、学校では生徒はブラック校則に従わされています。
その結果、日本では年々若者に元気がなくなっています。
これは日本経済停滞の原因にもなっているはずです。

「泣く子」と共存することは日本を元気にする第一歩です。

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Kuaさんによる写真ACからの写真 


吉本興業の岡本昭彦社長のぐだぐたな記者会見を見てから、こちらの頭の中もぐだぐだになってしまいました。

普通は社長があんなひどい記者会見をしたら、代表権のある大崎洋会長が出てきて、謝罪して、やり直しするものです。
あるいは、岡本社長本人が自分でやり直して、謝罪して訂正するというのもあるかもしれません。
そういうことがなにもないので、あの社長会見で示されたことが吉本の最終見解ということになります。
岡本社長は、「テープ回してないやろな」も「全員連帯責任でクビや」もパワハラと認めていませんし、謝罪会見をしたいと要求した宮迫博之氏と田村亮氏に対して「静観や」と拒否し続けたことも間違いと認めていません。

企業が不祥事を起こすと、役員がずらりと並んで頭を下げるというのがパターン化していますが、吉本は、記者が追及を諦めるまで社長一人がぐだぐだの会見を続けて、不祥事をごまかしてしまうという新しいパターンを創出したようです。


経営陣はなにもしていませんが、代わりに芸人たちがさまざまな動きをしています。
中でも松本人志氏がキーマンのようです。

松本氏は7月28日にフジテレビ系「ワイドナショー」で、加藤浩次氏や友近氏とは対立関係ではなく話し合いができていると言い、加藤氏とは「ゴールが少し2人の中で違いがあるので折衷案を探っている状態」と説明し、友近氏とは「昨日も楽屋でずっとしゃべってたんや。これ以上しゃべってたら疑われるんじゃないかっていうぐらい」と言いました。
対立点があるから話し合いをするわけで、松本氏と加藤氏、友近氏が対立しているのは間違いないでしょう。

松本氏は「ワイドナショー」でさらに、「会社が悪いことをやってるんだったら、膿は全部出してくれ」と言ったあと、「そこをちゃんとしないなら、僕が全員芸人を連れて出ますわ」と言いました。これは冗談でもなんでもなく、真剣な言い方でした。

「全員」というのは「松本派の全員」という意味でしょうが、松本氏にはそれだけの力があるということが、この発言からわかります。
また、松本氏は自分の配下の芸人の意志のことはなにも考えていないということもわかります。完全な主従関係なのでしょう(あとで「みんなを連れて出ると言ったけど、誰もついてこないかも」と言いましたが、これは笑いをとるための言葉です)。

松本氏が動かせる松本軍団が何人いるのかわかりませんが、そもそも松本氏が吉本を出るということが吉本にとって大打撃であり、それが軍団規模になると、吉本の存立にかかわります。
ということは、吉本の経営陣は松本氏にさからえないということです。
そもそも大崎会長と岡本社長は、ダウンタウンの元マネージャーです。ダウンタウンの人気を背景に出世しました。今も「人気芸人とマネージャー」の関係ではないでしょうか。

松本氏が吉本興業の実質的な支配者であるという記事はいくつもありました。



吉本の上層部責任逃れの中、おぎやはぎ・小木が「松本さんが一番裏で牛耳ってるワル」、「文春」も松本の吉本支配を批判

私は一人の芸人が吉本のような大企業を支配できるのかと疑問に思っていましたが、松本氏の「僕が全員芸人を連れて出る」という一言で、それが間違いでないとわかりました。

松本氏・大崎会長・岡本社長という支配体制があって、これは松本氏の体質からパワハラ支配です。そのため不満を持つ芸人がいっぱいいます。
この支配体制に異を唱える代表が加藤氏や友近氏などです。

「松本氏・大崎会長・岡本社長」という支配体制のトップに松本氏がいるなら、松本氏が前面に出て加藤氏と友近氏と話し合うのは当然です。
そして、大崎会長と岡本社長がそれを見守るのも当然です。

吉本は松本氏の個人事務所のようなものです。吉本のような大企業がそんなことはないだろうという思い込みがあると、そのことがわかりません。

岡本社長は松本氏に指示されて記者会見をしました。まさに「ガキの使い」だったわけで、そのためぐだぐだの会見になりました。
大崎会長が会見をしてもやはり「ガキの使い」で、同じことになるでしょう。

吉本興業は松本人志の個人事務所のようなもので、経営陣は統治能力を欠いている――と理解すれば、頭の中がすっきりします。

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